【業界動向】
NTTデータが遺伝子解析などの大規模実証実験
女性や子供にも グリッドコンピューティング認知を
■URL
http://www.cellcomputing.jp/
http://www.nttdata.co.jp/release/2002/121900.html
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実験で解析するのは、東亞合成による「ヒトの遺伝子情報からの周期性の発見」と、NTT物性科学基礎研究所による「光学的に新たな特徴をもつ材質の設計図の作成」の2テーマ。写真は、遺伝子情報を解析するアプリケーション「BOLERO」 |
NTTデータは19日、グリッドコンピューティングのプラットフォーム「cell computing」の大規模実験を20日から行なうと発表した。米United Devicesや日本IBM、インテル、NTT東日本、マイクロソフトなどが協力。数十万人規模の参加者を募って、3カ月にわたってヒトの遺伝子情報や光学素材の解析を行なう。
今回の実験は、cell computingの技術的な検証と同時に、国内においてグリッドコンピューティングの認知を図り、「PCが持っている処理能力の自由取引市場」(NTTデータ技術開発本部の山本修一郎副本部長)の確立につなげるのが目的。インターネット上でグリッドコンピューティングのビジネスが始まると予測される数年後を見据え、同社のブロードバンド分野の新規事業の一つとして取り組む。
海外ではSETI@homeなどの大規模実験がすでに実施されているが、女性や子供の参加が少なかったとしており、今回の実験では、女性や子供も参加しやすいような仕掛けを取り入れた。ウサギの精霊などのオリジナルマスコットキャラクターを制作し、自分の計算の進行状況を知らせてくれるようになっている。参加者のPCにインストールされたクライアントソフトのほか、携帯電話のiアプリにも表示される。また、参加者専用のコミュニティサイトを開設し、計算量に応じて付与されるポイントによるプレゼントも実施する。
実験には、cell computingのWebサイトで配布される専用ソフトをダウンロードすることで企業・個人を問わず参加できる。Windows 98/NT4.0/Me/2000/XPに対応しており、125MB以上のメモリーと1GB以上のハードディスクが必須となっている。
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キャラクターは、PCの計算量と連動して姿やアクションが変化するという |
19日に東京都内で行なわれた記者発表会には、米United DevicesのEd Hubbard CEOも出席した(向かって右から3人目) |
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(2002/12/19)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]
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