急遽テレワーク導入!の顛末記

「テレワーク中の電気代、在宅勤務手当はいくら非課税になる?」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(38) 会社のテレワーク補助、どこまで非課税なのか調べてみた

我が家ではテレワークが始まってから、電気代が跳ね上がった

 たまの出社日に通勤電車に乗り込むと、人混みにうんざりすることなく通勤できた。出勤7割削減とまでは行かないまでも、ビジネスに伴う人の動きは確実に減っているようだ。

 ……この記事を書いている時点で、一都三県で緊急事態宣言が発出されてから22日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、ほぼすべてのスタッフがリモートによる業務を行っている。その中で、今回はテレワーク期間に気になる、我が家の電気事情などについて調べてみた。

【今回のハイライト】
会社の補助に所得税がかかる?
エアコンの消費電力は630W
PCの消費電力をソフトで確認

【これまでの経緯】

緊急事態宣言が発令された4月、筆者の勤めている会社では何の準備もないまま、在宅勤務を始めることになった。仕事の環境は「デスクトップPC+メール」が普通だったため、データを外付けHDDで持ち運んだり、LINEの個人アカウントを流用したりと大混乱。その後、補助金などでNASやノートPCを導入、徐々にテレワーク環境を整えていく……

【4~8月末までの顛末はこちら】

1月12日(火):会社とオフィスでエアコン全開! 電力消費ヤバそう

テレワーク不可能な仕事もあるため、毎日誰かがオフィスに出社している

 今日は会社の全体ミーティングの日だが、テレワーク中のため自宅から参加。Zoomが起動するとオフィスワークが必要な同僚2人は出社していたが、残りのメンバーは自宅で仕事ができているようだ。

 すっかり慣れたもので、Zoomのミーティングは予定時間通りに終了。最後に同僚のAさんと雑談する機会があったのだが……。

【飛田】: 人が少ないと、何だかオフィスが寒そうだね。やっぱり、換気はしているの?

【同僚A】: してますよー。だから、今は本当に寒いんです。

【飛田】: そういえば、ミーティング中に気になっていたけど、オフィスの半分は電気が消えているよね。

【同僚A】: いやぁ、何か誰もいないと、電気代がもったいない気がして……。

 確かに、一人しかいないオフィスでエアコンを使っていると、電気を無駄遣いしている気になるかもしれない。我が家もテレワークが始まってから、部屋一つ分のエアコンや照明、PCが付きっぱなしになっている。これに、どのぐらいの電気代がかかっているのだろうか?

1月18日(月):国税庁発表の在宅勤務手当における所得税ルールが話題に

 在宅勤務についての費用負担について調べていると、国税庁が在宅勤務手当についての源泉所得税の取り扱いルールを公開していた。

 これは、会社が在宅勤務の費用を負担した場合に、そのうちの一定額を課税対象から外すというもの。ネット環境については「通信料×(在宅勤務日数÷1か月の日数)×0.5」が、電気代については「電気代×(業務に使用した床面積÷自宅の床面積)×(在宅勤務日数÷1か月の日数)×0.5」が、それぞれ非課税になるらしい。

 会社からは費用負担の話は出ていないが、ちょうどテレワークのコストが気になっていたので調べてみることにする。

我が家ではインターネット光回線「auひかり」を契約し、無線LANで会社支給のノートPCを接続している

 まず、ネット環境についてだが、現在自宅ではauひかりの「ホーム ギガ得プラン」を使用。電話サービスも利用しているため、月の請求額は税込み6272円となる。1月は31日のうち19日が在宅勤務となるため、上の計算式に当てはめると、非課税となるのは約1922円。これは、テレワークに関係なく必要となる出費なので、もし会社が補助してくれれば「得した」気分になれそうだ。

 電気代については、この日の時点ではテレワーク以降の検針結果が出ていなかった。せっかくなので、1月分の電気使用量が出てから計算したい。

1月20日(水):電気代を計算すると非課税分は驚きの金額に!

TEPCOの「従量電灯B」契約を利用、月の電気代は1万6366円(税込)だった

 電気代について1月分の請求金額が確定したので、さっそく非課税となる金額を計算することにした。

 なお、検針日の都合上、送られてきた電気代が12月17日~1月18日のものとなっていた。……年末を挟んだ上に、トータル33日分というイレギュラーっぷりだが、ひとまずこのまま計算を続けることにする。

 この期間のうち在宅勤務を行ったのは全部で20日間。我が家の総床面積は85.07平方メートル、自室の床面積は物置を入れて13.24平方メートルなので、先の計算式に当てはめると、非課税となるのは約768円となる。……えっ、たったこれだけ??

 テレワーク中はエアコンをつけっぱなしにしているので、これだけでも非課税分を超えているような気がするのだが。これはもう少し調べてみる必要がありそうだ。

1月27日(水):昼間における自室の電気代は約3000円/月

 あれから自室の電化製品について、いろいろと資料を集めてみた。テレワーク中に稼働しているもののうち、電気代が気になるのは以下の4つ。

  • エアコン
  • 加湿器
  • 照明
  • PC

 まずはエアコンについてだが、仕様書を見てみると暖房時の標準消費電力は605Wとなっていた。1月は計31日のうち19日が在宅勤務だったので、毎日8時間勤務として使用時間は152時間。消費電力量は計算上91.96kWhとなる。

我が家で利用している東芝製2019年式エアコンの暖房標準消費電力は605Wだった

 1月の電気代は1万6366円、使用量は600kWhだったので、1kWhあたりの電気代は約27.27円。つまり、テレワーク中のエアコン代は約2508円ということになる。既に、ネット環境と電気代の非課税分にだいぶ追い付いてしまった。得した気分とは一体なんだったのだろう……。

 その他の電気代を計算した結果は以下の通り。

  • 加湿器(32W):約132円
  • 照明(蛍光灯61W+デスクライト40W):約418円

 はい、非課税分をオーバーしてしまいました。とはいえ、ネット環境の補助を「得した」と考えるなら、この時点でのオーバー分は約368円。経費を会社が補助してくれるとなれば、許容範囲といえるかもしれない。

 残すはPCだが、これは使い方で消費電力が増減する。ツールを使って調べる必要がありそうだ。

1月29日(金):PCの消費電力を1ms単位でチェック

Microsoftが提供している消費電力計測ソフト「Joulemeter」

 テレワーク中は会社支給のノートPCで仕事をしている。この消費電力を調べるために、「Joulemeter」というフリーソフトをインストールした。

 JoulemeterはMicrosoftが提供しているソフトで、ノートPCであれば消費電力を自動で割り出すことが可能。ただし、インストールと起動時にUAC認証が必要のため、検証はマシンの管理者がいる状態で行う必要があるだろう。

「Perform Calibration」をクリックすると、CPUやモニターなどの消費電力の割り出しが開始される

 ソフトを起動したら、ノートPCの電源を抜き、「Select calibration setup」が「Running on Battery」になっているのを確認。「Perform Calibration」をクリックすると、消費電力の割り出しが始まるので、そのまま待つ。2分ほど経つとモニターの電源が消えるが、気にせずに待つ。待つ。5分後に一瞬モニターが表示されたが、また暗転したので待つ。待つ。……いや、いつまで待てばいいのだろうか。

 「マウスやキーボードを触るな」と書いてあったので、そのまま1時間ほど待ってみたが、何も動きが無いので画面を表示させると、どうやら作業は終わっていたようだ。それならモニターの電源を付けるなど、何かアクションしてほしかったのだが。

画面下のログを見るとキャリブレーション作業は完了していた
「Start Saving」をクリックして、電力消費量のログを保存

 この状態で「Power Usage」タブを開くと、CPUやモニターの電力消費量がリアルタイムで表示された。さらに、「Start Saving」をクリックするとログが残せるようなので、ファイルの保存場所と名前を選択。そのまま1時間、いつも通りに仕事をすることにする。その結果として作成されたのが、以下のログファイルだ。

「Total Power」列の下のセルを選択し、「ホーム」タブの「合計」の右にある「v」をクリック。一覧から「平均」をクリックする

 ログは1ms単位で保存されるので、行数がとんでもないことになっていた。平均値を割り出すために「Total Power」列の末尾にAVERAGE関数を入力。計算結果を見ると、ノートPCは平均で約4.82Wの電力を消費しているらしい。これを先ほどの計算式に当てはめると、月の電気代は約20円。最近のノートPCは省エネ性能に優れているが、ここまで経済的だったとは驚いた。

 ちなみに、ログファイルの保存先にはデスクトップを選択したが、ログイン中のユーザーではなく、管理者ユーザーのデスクトップにファイルが保存されていた。「いち社員にはPCの電力消費量を絶対に知らせてはならぬ」という、Microsoftの強い意志を感じる。

 一部の大企業などではテレワークにかかる経費を、在宅勤務手当といった形で支給しているという。ただ、今回の結果を見ると、「電気料金に係る業務使用部分の計算方法」は実情に合っていない気がした。これを超えた分は会社が支給しても、国が税金として一部を持っていくというのは、なんとも複雑な気分にさせられる。

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※編集部より
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飛田九十九