急遽テレワーク導入!の顛末記

「声やアラームをトリガーにして、PCをWake On LANで自動起動させてみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(71)

Wake On LANでPCを起動するショートカットを作り、それをSiriから実行する

 テレワークをはじめてから、自宅のPCがほぼ1日つけっぱなしになっている。消費電力が気になるし、排熱に対抗するエアコンの電気代が上がってしまわないか心配だ。

 ……この記事を書いている日、東京都で4回目の緊急事態宣言が解除された。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は音声認識を駆使して、PCの電源をこまめにオン・オフしてみようと思う。

【今回のハイライト】
まずはWOLの準備から……
自動実行するショートカットを作成
スリープ中でもSiriを実行できる設定に

9月27日(月):Wake On LANでスマホからPCの電源を入れてみた

 先日はNFCタグを使ってPC起動後のルーティンを自動化してみたが、そもそもPCの起動自体を自動化できないか考えてみた。

 PCを遠隔起動する方法で、真っ先に思いつくのがWake On LAN (WOL)。今も会社のPCをリモート操作する際に使っているが、今回はこれを音声コマンドで実行してみようと思う。

 WOLで電源を入れるには、PC側での設定が必要になる。これについては以前の記事を参考にしてもらうとして、それ以外で必要になるのが遠隔操作されるPCのIPアドレスとMACアドレスだ。

 このうちIPアドレスは固定しておかないと、PCを再起動するたびに変わってしまうので、設定しておくことにした。一方、MACアドレスは「ハードウェアと接続のプロパティ」に表示されるので、ここで確認しておこう。

「設定」画面で「ネットワークとインターネット」→「アダプターのオプションを変更する」と操作する
「ネットワーク接続」画面で、利用しているネットワーク接続をダブルクリック。「●●の状態」画面が表示されたら、「プロパティ」をクリック。プロパティ画面が表示されたら「インターネット プロトコル バージョン4」を選択し、「プロパティ」ボタンをクリックする
「次のIPアドレスを使う」を選択し、IPアドレスを指定する
「設定」画面で「ネットワークとインターネット」→「ハードウェアと接続のプロパティ」と操作すると、MACアドレスが表示される

 これらの情報をWOLツールに登録すれば、PCの電源を遠隔操作できるようになる。今回はiPhoneアプリの「WolowーWake on LAN」を利用することにした。

初回起動時は「No device selected」の「…」ボタンをタップし、次の画面で「Add new device」をタップ
「Name」に適当な名前を、「Mac Address」にMACアドレスを、「IP Address」にIPアドレスを入力。「Ping Address」にはルーターのWAN側のIPアドレス(グローバルIPアドレス)を、「Port」には解放したポート番号を入力するが、自宅内で電源を入れるだけなら、この2つは適当でよい

 実際にIPアドレスやMACアドレスを登録したところ、メイン画面の電源アイコンをタップすることで、PCの電源をオンにできた。これを利用すれば、PCの電源を入れる動作を、iPhoneの機能で自動化することができそうだ。

9月28日(火):WOLを実行するショートカットを作成する

 WOLの準備が整ったので、いよいよその操作を自動化することにした。利用するのはiPhoneの「ショートカット」。これを使って、PCの電源を声でオンにしてみたい。

アプリ「ショートカット」を起動したら、右上の「+」ボタンをタップ。次の画面で「アクションを追加」をタップする
「App」→「Wolow」→「Wake Up Device」と操作
「新規ショートカット」画面に戻ったら、「Device Name」をタップし、アプリ「Wolow」で登録した「Name」を選択する
再び「新規ショートカット」画面に戻ったら、「次へ」をタップ。ショートカット名を入力して「完了」をタップする。今回は「起動」とした

 “「WolowーWake on LAN」でPCを起動する”というショートカットを作成したら、後は簡単だ。iPhoneに向けて「Hey Siri」と呼びかけ、画面にSiriのアイコンが表示されたら「起動」と呼びかける。これで、電源の切れたPCが声で起動するようになった。

 なお、iPhoneがスリープした状態のまま、Siriによる音声コマンドを実行するには設定が必要なので、忘れずに確認しておきたい。

Siriが起動し、先ほど登録したショートカットが実行された
「設定」→「Face IDとパスコード」と操作し、「ロック中にアクセスを許可」で「Siri」をオンにすることで、スリープ中でもSiriを音声で呼び出せる

9月29日(水):声すら必要なくPCを自動で起動させたい!

 声でPCの電源を入れることに成功したので、今度は「オートメーション」による自動化に挑戦してみた。前回の記事のようにNFCタグを使うのも良いが、目指したのは“朝起きると同時にPCを起動する”環境なので、「起床アラーム」と連携させることにする。

「起床アラーム」では指定した曜日・時間にアラームが鳴る

 iPhoneの「起床アラーム」では、曜日ごとに起床時間を変更したり、週末はアラームを鳴らさない設定にすることが可能。これを「オートメーション」のトリガーにすると、NFCタグと同じように“何も操作しなくてもタスクを自動実行”してくれるので(※)、今回の自動化にはうってつけだ。

※位置情報などをトリガーにした場合、タスクの実行時に確認画面が表示され、画面をタップする必要がある

「起床アラームが停止したとき」に「WolowでPCを起動する」という「オートメーション」を作成した

 さっそく起床時間をトリガーにした「オートメーション」を作成。翌朝にアラームをオフにしたところ、WOLの信号が送られたのを確認できたのだが、PCが起動する様子がない。なぜだ……。

 いろいろ調べたところ、どうやらPCをシャットダウンしてから時間が経ちすぎたため、ルーターがPCを認識できなくなったようだ。そこで、「Wolow-Wake on LAN」の設定画面を開き、「IP Address」の末尾を「192.168.0.255」というように「255」に変更。これで信号がルーターに接続した全端末に一斉送信されるようになり、無事にPCが起動した。

 「オートメーション」が実行されたことで、以降は朝に目が覚めた後、シームレスに仕事のメールをチェックできている。とはいえ、このままPCを起動しっぱなしでは電気代が気になるので、次回はシャットダウン/スリープの自動化に挑戦したい。

「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」記事一覧

※編集部より
テレワーク導入から在宅生活の楽しみ方まで!
「在宅で仕事する時代」の情報をまとめたサイト「在宅ライフ」を公開中です。ぜひご活用ください。

飛田九十九