急遽テレワーク導入!の顛末記

「USBメモリーをもっと使いやすく安全に!! フリーソフトを試してみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(61)

手軽にデータを持ち運べるUSBメモリーをさらに便利に使い倒す

手軽にデータを持ち運ぶなら、やはりUSBメモリーが便利

 緊急事態宣言が発出されたことで、ほとんど自宅から動くことがなくなった。とはいえ、急な呼び出しでオフィスに外出することもあり、そんな時はVPNに接続するのが面倒で、ついUSBメモリーでデータを持ち運ぶことがある。

 ……この記事を書いている時点で、東京都に4回目の緊急事態宣言が発出されてから4日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はUSBメモリーの使い勝手を向上させるべく、フリーソフトをいろいろと導入してみた。

【今回のハイライト】
USBメモリーに関する操作を自動化
USBメモリー内のフォルダを暗号化する
誤って削除したファイルを復元
【これまでの経緯】

緊急事態宣言が発令された2020年4月、筆者の勤めている会社では何の準備もないまま、在宅勤務を始めることになった。仕事の環境は「デスクトップPC+メール」が普通だったため、データを外付けHDDで持ち運んだり、LINEの個人アカウントを流用したりと大混乱。その後、補助金などでNASやノートPCを導入、徐々にテレワーク環境を整えていく……

【2020年4~8月末までの顛末はこちら】

7月12日(月): USBメモリーの装着をトリガーに、指定のアクションを自動化してみた

 緊急事態宣言が発出されたので、今日は朝から自宅でテレワーク。ただ、午後になると会社から一本の電話があって、急遽オフィスに行くことになった。VPNに接続している時間が無さそうなので、作業中のファイルをUSBメモリーで持ち運ぶ。

 会社に着いたらパソコンにデータを移し、USBメモリー上のファイルは削除しておいた。そこで、ふと「この作業は自動化できるな」と思いつく。「Power Automate Desktop」を使ってから何でも自動化するクセが付いたが、USBメモリー上でファイルの削除漏れを防ぐことができれば、セキュリティや容量の節約につながるだろう。

 USBメモリーに関する作業の自動化では、「exeUSB」というフリーソフトが便利だ。“ファイルのコピー”や“アプリの起動”など、USBメモリーの挿入に合わせて、指定したアクションを順番に自動で実行してくれる。

公式サイトから入手したインストーラーを実行。基本的に常駐させて使うので、自動起動のオプションはオンにしておく

 今回は“USBメモリーからパソコンにファイルを移動”させ、“USBメモリーの動作を停止させる”というアクションを登録してみた。「exeUSB」を常時起動させておけば、登録したUSBメモリーを装着するだけで動作が実行されるので、かなり操作が省けることになる。

 なお、「デバイス停止」のアクションを登録する際には、「停止前に問い合わせをする」のオプションをオンにしておくことをお忘れなく。というのも、このオプションをオフすると、「USBメモリーを挿す」→「動作を停止させる」という操作が一瞬で実行され、USBメモリーに手動で何らかの操作をすることが全くできなくなってしまうのだ。

「フォルダコピーを追加」アイコンをクリックし、コピー先とコピー元のディレクトリを指定。さらに、「ファイルを移動する」のオプションをオンにする
アクションは上から順に自動で実行されるので、最後に「デバイス停止」のアクションを追加する

7月13日(火): USBメモリーのセキュリティを考えてみた

 昨日は仕事用のファイルをUSBメモリーで持ち運んだが、これが日常化する可能性を考えると、セキュリティのことも考えておく必要があるだろう。さっそく、USBメモリーにパスワードを設定するフリーソフトを探してみたが、商用目的に使えなかったり、操作に管理者権限が必要だったり、セキュリティソフトが邪魔をして上手く動作してくれない。
 そこで、USBメモリー上のフォルダにパスワードをかけるソフトを探して、「Renee SecureSilo」というフリーソフトにたどり着いた。無料版では1フォルダあたり500MBまでしか対応していないようだが、原稿のファイルなどを持ち歩くぐらいなら十分だろう。

ソフトのインストール後にパソコンの再起動が必要なので注意
ソフトを起動したら、まず“ソフトの起動パスワード”を登録
「試用」をクリックして操作を続行し、メイン画面のメニューで「USB保護」を選択
ウィザードに従って、暗号化フォルダを作るUSBメモリーやパスワードを指定。なお、試用版では「最大サイズ」が500MBしか選択できない

 さっそくソフトをインストールして、USBメモリーに暗号化したフォルダを作成。別のパソコンにUSBメモリーを装着し、フォルダを開こうとするとパスワードの入力画面が表示された。これで万が一にUSBメモリーを紛失しても、中のデータがすぐに漏洩してしまう心配はないだろう。

 ただし、「Renee SecureSilo」で暗号化したフォルダ内のファイルは、「exeUSB」で操作することができない。そのため、重要度の高いファイルは暗号化フォルダに、さほど問題の無さそうなファイルは通常フォルダに保存というように、運用を考える必要がありそうだ。

パスワードを入力すると、フォルダを“別のドライブ”(上の画面ではGドライブ)として開くことができる。なお、初回時にはドライブのフォーマットが必要

7月15日(木): “USBメモリーを安全に取り外す”操作が面倒くさい……

 「Renee SecureSilo」の利用で邪魔になったので、「exeUSB」で自動実行させるアクションから、「デバイス停止」を削除することにした。ただ、“自動でUSBメモリーを安全に取り外せる”手軽さを体感してしまうと、いちいち通知領域から操作をするのが面倒になってくる。ここは、フリーソフトの力を借りる場面だろう。

 USBメモリーの取り外しでは、「EjectUSB」というソフトが利用できるらしい。公式サイトは閉鎖されていたが、SOFTPEDIAなどにデータが残っていたので、さっそくダウンロード。実際に使ってみたところ、デスクトップに作成したショートカットのダブルクリックで、すぐUSBメモリーの取り外しができるようになった。こういう繰り返し行う操作は、少しでも楽になると気持ちが良くて、意外と便利だったりする。

「EjectUSB」は、ダウンロードした圧縮ファイルの中身を、USBメモリーのルートにコピー。後は実行ファイルのショートカットをデスクトップに作成し、これをダブルクリックすればOK

7月16日(金): 間違って削除したファイルを、ソフトの力で復元してみた

 今日は会社のパソコンでしかできない作業があったので、朝からオフィスでデスクワーク。自宅で作業していたファイルをUSBメモリーで持ち込んだのだが、操作を誤って削除してしまった。こういう時、USBメモリー内のファイルはごみ箱に入らず、すぐに削除されてしまうので困る。

 ただ、削除してから時間が経っていないので、ファイルを復元ソフトの「Recuva」で復活させられるかもしれない。さっそくソフトを起動したところ、お目当てのPDFファイルが、復元可能を表す緑色に表示されていた。リカバリ操作をすると、実際にファイルを開くことができたので一安心。これで作業を続けられそうだ。

ソフトを起動し、ウィザードに従って操作。「File location」でUSBドライブを指定する
復元の可能性のあるファイルは緑色に表示。選択して「Recover」をクリックすると復元できる

 拠点間で重要かつ大量のファイルを移動させるにはVPNが便利だが、出勤に合わせて気軽にファイルを持ち運ぶならUSBメモリーの利便性も捨てきれない。アイデアメモのような、ちょっとしたファイルはUSBメモリーで持ち運びたいわけで、そういう時には今回導入したフリーソフトが活躍してくれそうだ。

「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」記事一覧

※編集部より
テレワーク導入から在宅生活の楽しみ方まで!
「在宅で仕事する時代」の情報をまとめたサイト「在宅ライフ」を公開中です。ぜひご活用ください。

飛田九十九