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2008/01/28~2008/02/03


 先週は金曜の夜になって、米Microsoftが米Yahoo!に買収提案という大ニュースが飛び込みました。後半解説では、この買収提案についての現状をまとめます。

 2月2日は「情報セキュリティの日」ということで、関連の話題もいくつかあります。まず、101の企業・団体が参加する「情報セキュリティ対策推進コミュニティ」は、「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2008」として、セキュリティに関する啓発活動を展開します。キャラクターとして30代以上には懐かしい「なめ猫」を起用しています。また、総務省は2月を「ボット駆除活動強化月間」として、ボットウイルス対策の啓発活動を行なっています。


マイクロソフトがYahoo!に買収提案、総額446億ドル
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/01/18325.html
 2月1日、米Microsoftは米Yahoo!に買収を提案したと発表した。1月31日時点でのYahoo!の株価に62%上乗せした買収総額は446億ドル。Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは記者会見でインターネット広告の拡大という狙いを表明し、Google対抗の意図を示した。これに対しYahoo!は「慎重に検討する」とコメントしている。解説も参照のこと。

2月は「ボット駆除活動強化月間」、総務省が啓発サイトでアピール
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/01/18315.html
 2月1日、総務省は2月を「ボット駆除活動強化月間」と位置付け、特設サイトを通じての啓発活動を開始した。サイトではWindows Vista/XP/2000用のボット駆除ツールをダウンロードできる。

日経・朝日・読売が新聞読み比べサイト「新s(あらたにす)」を31日開設
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/01/30/18285.html
 1月31日、昨年10月にインターネット事業の提携を発表していた日経・朝日・読売の3社が、新聞読み比べサイト「新s(あらたにす)」をオープン。「くらべる一面」「くらべる社会面」などで3紙の記事を一覧でき、バックナンバーは1週間分が閲覧可能となる。

私的録音録画小委員会が経過報告、権利者側からは早期決着求める声
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/01/30/18292.html
 1月30日、文化審議会著作権分科会が第24回会合を開催。私的録音録画小委員会、過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会などが審議経過を報告した。この中で「違法音楽配信サイトからのダウンロード違法化だけでも早急に行なうべき」など、権利者側から早期の審議決着と補償金制度の施行を求める声が上がった

「オン・オフだけのフィルタリングは無益」施策の再検討を求める声も
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/01/30/18279.html
 1月29日、総務省「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第3回会合が開催。携帯電話のフィルタリング原則化について、ヤフー、楽天、ミクシィがそれぞれ意見を発表し、フィルタリング精度の問題や、インターネットサービス産業に与える悪影響などを指摘した。検討会は、まだ議論が尽くされていないとして再度議論することを決定した。


米Microsoft、米Yahoo!に買収提案で対Google戦略の大きな一手

 2月1日、米Microsoftは米Yahoo!に446億ドルでの買収を提案。これは1月31日時点でのYahoo!の株価に62%上乗せした金額です。このニュースを受けて、米国市場ではYahoo!株が急上昇。買収提案を歓迎のムードになっています。

 「MicrosoftがYahoo!を買収するのでは?」という噂は以前からありましたが、提案が公式に表明されたのは初めてのこととなります。Microsoftの大きな狙いはGoogleへの対抗。パッケージソフトでは「Windows」や「Office」で圧倒的な強さを誇るMicrosoftですが、インターネットサービスでは「MSN」「Live」ともにそれほどの成果は挙げられておらず、拡大するインターネット広告市場において、巨人Googleとの差を詰められずにいます。

 またYahoo!もGoogleに対抗しきれておらず、2007年第4四半期の減益決算と、1,000名の人員削減の計画があることも発表されていました。そうした直後の買収提案は、Microsoftにとってはお買い得なベストタイミングとなり、Yahoo!にとっても絶好の助け船となりうるでしょう。

 買収提案に関する記者会見を実施した米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、「Yahoo!が持つブランド力は素晴らしい」とコメントし、また、自社のMSNやLiveについても「これらもパワフルなブランド」と述べました。

 買収が成立した場合のサービス形態は、「両社スタッフによるチームを組織して検討したい」とのことですが、Webサービスで強いブランド力を持つYahoo!と、OSメーカーである強みを活かし、アプリケーションとWebサービスを組み合わせて提供する「ソフトウェア+サービス」という形式で展開するMicrosoftが手を組むことで、新しい形のサービスが生まれてくるかもしれません。



2008/02/04 12:03
小林祐一郎
プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス)

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