シマンテックが中川翔子で「ノートン2009」をPRしている一方、DNSキャッシュポインズニングについてさらなる注意呼びかけが行われたり、「改正迷惑メール法」の指針案が公表されたりと、インターネットの危険に関する重要なニュースが先週も多数ありました。安全にインターネットを利用するために、ひととおり目を通しておきましょう。
スマートフォン関連のニュースも、先週の大きなニュースでした。これにも関連するマイクロソフトの新戦略、そして新しいベータ版も登場したWindow Liveについて後半で解説します。
◆Windowsで「壁のない世界へ」、マイクロソフトが新戦略発表へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/18/20896.html
9月18日、マイクロソフトは「CEATEC JAPAN 2008」の事前プレス説明会において、Vista、Live、Mobileブランドの上位概念として「Windows」を強調する新しいマーケティング戦略を明らかにした。キーワードは「Windows Life Without Walls 壁のない世界へ」。詳細は9月30日から開催されるCEATECの基調講演で発表される。
◆「iTunes 8」がアップデート、Vistaのブルースクリーン問題に対応
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/16/20861.html
9月12日、アップルは「iTunes 8」のアップデート版を公開。一部のWindows Vista環境でiPhoneやiPodを接続した際にブルースクリーンになってしまう問題に対処したという。既にiTunes 8をインストールしている場合、一度アンインストールしてからの再インストールが推奨されている。なお、18日にはiTunes 8とQuickTime 7.5.5に脆弱性の存在が発表されている。
◆リバースエンジニアリング適法化など、文化審小委が中間まとめ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/19/20909.html
9月19日、文化審議会著作権分科会の法制問題小委員会は2008年度の中間まとめを実施。リバースエンジニアリングについて、相互運用性の確保や脆弱性の発見など一定の目的においては著作権が及ばないとする権利制限を認めるべき、との方向性が示された。また、公益性のある一時蓄積についても、著作権者の利益を損ねない範囲での権利制限が提案されている。
◆「Google Audio Indexing」公開、動画内の音声をテキストで検索
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/16/20867.html
9月15日、Googleは音声認識技術のショーケースとして、動画内の音声をテキストで検索できる「Google Audio Indexing(GAudi)」のベータ版をGoogle Labs内で公開した。公開時点では、米大統領選に関連したYouTubeの動画のみが検索対象となっている。
◆「モバゲー」と「en 高校生」、EMAの“健全サイト”認定
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/16/20870.html
9月16日、モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)は、「モバゲータウン」と「en 高校生」の2サイトを、携帯フィルタリングサービスにおけるブラックリストの対象から除外される「認定サイト」としたことを発表した。これまでには「GREE」など5サイトが認定サイトとなっている。
● オンラインでもモバイルでも「Windows」。MSの新戦略は新しい世界を拓くか?
先週、マイクロソフトは新しいブランド戦略について説明し、詳しくは9月30日から開催される「CEATAC JAPAN 2008」で明らかにするとしました。
詳細は来週にならないと分かりませんが、PC向けのOS「Windows Vista」と、モバイル端末向けのOS「Windows Mobile」、さらにWebサービスの「Windows Live」という3つのブランドの連携をより密にし、データやメッセージのやりとりにおいて、デバイスの壁を感じさせない(もちろん、距離の壁や時間の壁なども)といったコンセプトになるのではないかと想像します。
このうち「Windows Live」は、「Web 2.0」というキーワードが盛り上がりだした2005年に発表されたもの。それまで、マイクロソフトの商品はローカルマシンで完結するソフトウェアが主で、オンラインサービスといえばポータルサイトの「MSN」ぐらいのものでした。しかし、マイクロソフトはGoogleに対抗すべく、オンラインサービスに大きく舵を切ることを構想します。その結果、コンシューマユーザー向けの「Windows Live」と、ビジネスユーザー向けの「Microsoft Office Live」が生まれました。
「Windows Live」が掲げるキーワードに、「Software+Services」というものがあります。ライバルGoogleのサービスが、基本的にWebブラウザ内で全てを行うものであるのに対し、OSも提供しているマイクロソフトでは、Windows(XP/Vistaなど)やWindows Mobile向けのソフトウェアも積極的に提供していくことで、より高い利便性を提供していくという考え方です。これらすべてのソフトウェア/サービスをまとめて「Windows」というブランドで打ち出していくということであれば、イメージとして分かりやすくなりそうです。
その「Windows Live」は、先週の18日に関連ソフトの最新ベータを公開しています。内訳は「メール」「Messenger」「フォトギャラリー」「ムービーメーカー」「Toolbar」「Writer(ブログエディタ)」「ファミリーセーフティ(ペアレンタルコントロール)」の7製品。いくつかはWindowsにもともと付属していたソフトを拡張した形のものですが、「Writer」「ファミリーセーフティ」は新しいもの。いずれも無料で利用できます。
このほかにも、5GBのオンラインストレージ「SkyDrive」や、Webページやブログを持てる「Spaces」、さらに無料メールサービス「Hotmail」、Web検索の「Live Search」、地図検索の「Live Maps」といったオンラインサービスもあります。
モバイル向けではマイクロソフトは現在、携帯電話とWindows Mobile向けに「Messenter」「Hotmail」「Spaces」の3サービスを提供しています。この分野では先日、Messengerが携帯メールとのメッセージ交換に対応というニュースもありました。それぞれのデバイスで、多くのユーザーがいつでも「Windows」ブランドのソフトウェア/サービスを利用できるようになると、よりデジタルデバイス全般の利便性が上がっていくことでしょう。
個人的には、「Windows Live」にはGoogleのようなスマートさがない一方、適度なバタ臭さがWindowsに慣れたユーザーには馴染みやすいと思います。Googleとはまた違ったユーザーの支持を獲得しうるのではないでしょうか。
2008/09/22 11:38
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス) |
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