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2008/11/04~2008/11/09


 世界的な金融危機の影響という見方は穿ちすぎでしょうか。先月に有料会員の月額料金値上げを発表していたヤフーが、今度は「Yahoo!ブリーフケース」の有料会員専用化を発表しました。米国のYahoo!にとってもショックなニュースがあったところで、今後が気になります。

 一方で、ここのところ好調なのは「ネットブック」などの低価格ミニノートPC。現状は中・上級者の買い増し需要が中心という調査結果が発表になっていますが、参入企業および発表機種は増加し、売り場は拡大する傾向にあり、年末にかけてユーザー層が広がっていきそうです。商品選びや活用の参考にはネットブック/UMPC特集をどうぞ。


GoogleとYahoo!の提携が白紙に、司法省との反トラスト法訴訟回避
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/06/21430.html
 11月5日、米Googleは公式ブログで米Yahoo!との広告事業における提携を解消すると発表。両社の提携関係は白紙に戻った。これは、米司法省の反トラスト法訴訟を回避できないと判断されたため。詳しくは後半で解説します。

クリック乗っ取りの脆弱性に対処した「Flash Player 9」最新版
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/06/21437.html
 11月5日、米Adobe Systemsは「Flash Player 9」の最新版を公開。旧版で指摘されていた「クリックジャック(乗っ取り)」脆弱性のほか複数の脆弱性を修正した。この脆弱性は4段階中で最高の深刻度“Critical”であるとし、最新版へのアップデートまたはFlash Player 10へのバージョンアップを促している。

「Yahoo!ブリーフケース」が12月から有料会員限定に
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/06/21434.html
 11月5日、ヤフーは「Yahoo!ブリーフケース」をYahoo!プレミアム会員またはYahoo! BB会員向け専用サービス化すると発表した。12月1日より新規アカウント提供を終了するとともにファイルのアップロード機能を停止。2009年2月2日には、無料会員が保存していたファイルをすべて削除する。

グーグルが注意喚起、「マイマップ」公開設定の確認を
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/05/21417.html
 11月4日、グーグルは、Googleマップの「マイマップ」で個人情報等の書き込まれたマップが公開状態になってしまっている問題事例1事例2)に対し、公開設定の注意を呼びかけた。初期状態では公開になっており、非公開(現在は「限定公開」と表記を修正)に設定しても固有のURLが漏洩すれば誰からも閲覧可能となる。データを削除しても検索結果からの削除には時間がかかるため、早急に検索結果から削除したい場合はフォームから削除申請をしてほしいとしている。

はてなブックマークが刷新、全文検索やお気に入られ機能など追加
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/11/05/21416.html
 11月4日、はてなは「はてなブックマーク」リニューアル発表会を実施。登録エントリー約1000万件の全文検索機能、「お気に入り」機能の強化などを発表し、さらにFirefox拡張や、同社が「社会層」と呼ぶコミュニティが抱える問題の解決に向けた取り組みなどの予定も示した。リニューアル版は現在ベータ公開中


GoogleとYahoo!の広告提携が白紙に。反トラスト法訴訟回避のため

 米Googleと米Yahoo!の、広告事業における提携合意が白紙となりました。Googleは公式ブログでこれを発表。Yahoo!はニュースリリースで不満の意を表明したものの、大きな影響はないとしました。

 この問題は、今年2月の米Microsoftによる米Yahoo!の買収提案にさかのぼります。

 MicrosoftとYahoo!はこれ以前にも水面下で何度となく交渉するも、実らずにいました。2月の提案は初めて公の場で話題となった買収提案でしたが、諸々の紆余曲折を経つつ結局は実現せず、Microsoftは今後Yahoo!を買収する意志はないと表明するに至っています。

 Microsoftによる買収が実現しなかったのは、Yahoo!側が自分たちはMicrosoftの提案した額よりも高い価値がある、と考えていることが1つの原因です。とはいえ、Yahoo!の一部株主の意見はこれと同じではなく、買収提案に好意的態度を取らないことが株主信認義務の不履行にあたるなどとして、同社は複数の株主訴訟を抱えることになります。

 そうした中、企業価値の向上=株価上昇のために打ち出された施策が、Googleとの広告提携でした。Microsoftは検索連動広告でGoogleに対抗するためYahoo!の買収を計画していましたが、そのYahoo!がGoogleと提携するという結果を招きそうになったのです。

 Yahoo!は4月に「Google AdSense」の表示テストを実施、6月にはGoogleと広告の契約を締結したと発表します。

 この提携には当初から、Googleの独占を強め、反トラスト法違反となる可能性が指摘されていました。Googleは「これは技術提供に過ぎない」等として懸念の払拭に努めるとともに、米司法省による訴訟を回避するため検討を行ってきましたが、訴訟リスクの回避が難しいためとパートナー起業との関係悪化のおそれもあったため、Yahoo!との契約を断念することとなりました。

 今後気になるのはYahoo!の動向です。先月末には2008年第3四半期の大幅減益と従業員の10%削減が発表されたばかり。Googleから手を切られ、Microsoftも再び振り向いてくれることはないとなれば、他にうまい起死回生の策があるようには見えてきません。



2008/11/10 11:50
小林祐一郎
プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス)

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