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「ダムカード」の次は「基準点カード」がアツい! “G空間”コンテストで注目のアツい入賞作品たち
2018年11月29日 06:00
美しさを追求した3D地形レンダリングクラウド型アプリ開発ツールキット「Mapray」
国土地理院が提供する地理空間情報データを活用した作品に贈られる「電子国土賞」を受賞したのは、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社の松本大佑氏による「Mapray」。
Maprayは、クラウド上のデータを組み合わせて3Dのウェブマップやアプリケーションを作成できるクラウド型の開発ツールキット。リアルタイムレンダリングで地形を美しく高速に表示することが可能で、2次元用の地図タイルや、ドローンで空撮した航空写真などを3次元CGで美しく最適化して表示させることができる。
Maprayは、JavaScriptライブラリの「mapray-js」と、2D/3Dデータの配信・保管ができるクラウドサービス「mapray-cloud」で構成されており、開発者は3D地球儀を使ったアプリケーションやウェブサイトを自由に作成できる。
オープンソースの3Dマップ描画エンジンとしては「Cesium」が知られているが、Maprayのエンジンは描画の美しさを可能な限り追求している点が特徴で、独自の処理によりレベルの異なる複数のタイルをピクセル単位で最適化し、解像度の異なる航空写真などもスムーズに表示できる。ピクセル単位でポリゴンモデルを最適化して出し、クラウドから軽いデータと重いデータを使い分けながら処理することにより、遠くの地形もはっきりと表示し、クライアントPCの能力次第では5Kの大画面でもスムーズな動きの3D映像を実現する。
また、全世界の地形データや、さまざまな2D/3Dデータがクラウドに準備されており、クラウドでさまざまなデータをユーザーごとに管理できる点も特徴だ。SDKを使って3D地球儀を活用したアプリケーションを簡単に開発できる。
Maprayは現在、クローズドアルファテストを開催中。今後は一般的な3DレンダリングエンジンAPIとGIS向けのAPIの2つを拡充していく予定で、mapray-jsのオープンソース化も検討している。