地図と位置情報
「ダムカード」の次は「基準点カード」がアツい! “G空間”コンテストで注目のアツい入賞作品たち
2018年11月29日 06:00
BLEビーコンが発する電波を机上でシミュレーションできる「AOBAKO」
測量に関する先端技術に贈られる「測量新技術賞」を受賞したのは、情報通信研究機構(NICT)/北陸先端科学技術大学院大学の湯村翼氏による「AOBAKO」。
これは、BLEビーコンを使ったアプリケーションの検証支援システムで、「AOBAKO DESK」と呼ばれるテーブル上のインターフェースでビーコン発信機とスマホの位置を指定することにより、指定した場所でのビーコン状況が「AOBAKO BOX」と呼ばれる箱型のテスト環境の中で再現される。
BLEビーコンは、スマホアプリで屋内での位置連動型コンテンツを表示する際によく使われているが、多数のビーコン発信機を物理的に配置して、現地でアプリの検証を行うのは多大なコストがかかる。このような課題を解決するのがAOBAKOだ。
AOBAKO DESKは、紙製のコマをカメラで撮影し画像認識で読み取る仕組みになっている。一方、AOBAKO BOXの中にはRaspberry Piが複数入っており、エミュレーションの結果に合わせてBLEビーコンから電波が発信される。ビーコンとスマホとの距離が遠い場合は電波の出力を下げるなど、電波の出力の強弱や電波干渉を調整することで、BLEビーコンとスマホとの距離の遠近を再現する仕組みになっている。この再現には、独自開発したBLEエミュレーター「BluMoon」を使用している。エミュレーション結果は、「AOBAKO SPACE」と呼ばれるビューアーに表示される。
AOBAKOのシステムを使うことにより、テストしたいアプリを稼働させたスマホをAOBAKO BOXに置くだけでさまざまな状況でビーコンの受信状況をテスト可能となり、柔軟に検証を行える。今後は企業との連携を図りながら、実用化を目指す方針だ。
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