自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
【使いこなし編】第171回
iPhoneの画面をWi-Fi経由でテレビに映す〜チューナーレステレビにスマホからミラーリング その3
2023年11月9日 06:00
TCLのチューナーレステレビ「50P63J」を使い、スマホの画面をそのままテレビに表示する「ミラーリング」を実践している。第169回ではテレビのHDMI入力ポートに変換ケーブルを介してスマホを直接接続する方法、第170回ではWi-Fiが使える場所でAndroidスマホからケーブルレスのミラーリングを行ったが、今回は、iPhoneでWi-Fiによるケーブルレスのミラーリングを実践してみよう。
iPhoneからAndroidベースのテレビへのミラーリングは有料アプリが必要
iPhoneでは、独自の「AirPlay」という技術を使ってミラーリングを実現する。そのため、同じAppleのストリーミングデバイス「Apple TV 4K」が相手なら、何も用意しなくてもWi-Fiによるミラーリングが可能となっている。
ただし、TCL 50P63JなどのようなAndroidをベースにしたOSであるGoogle TV(Android TV)搭載デバイスにミラーリングするには、有料アプリを使わないと接続できない。何らかの出費がかかることになるので、配信動画コンテンツであれば第168回で実践した「キャスト」を、ゲームなどであれば第169回に実践した変換ケーブルを使う方法が、確実で安定して、かつ無料で実現できる。Wi-Fiでの接続にこだわらないなら、そちらがお勧めだ。
「AirReceiver」を使ってミラーリングを実践
iPhoneを使ったFire TVへのWi-Fiの無線接続ミラーリングとして、以前「AirScreen」というアプリを使って実践したことがあった。しかし、現在のAirScreenは、無料では時間制限ができ、サブスク形式の有料アプリに移行したようだ。
今回は、Google TV用の買い切り有料(310円)アプリ「AirReceiver」を使った方法を実践しよう。iOS関係の開発には年間ベースで有料デベロッパー登録が必要になり、なかなか無料アプリは実現しにくいため、ここは致し方ない出費。この実践を見てみて、導入する価値がありそうなら購入してみてほしい(ちなみに、iPhone側ではAirPlayを利用するだけなので、有料アプリを購入する必要はない)。
購入にはGoogle Payにクレジットカードをスマホなどから登録しておくと、テレビからの購入作業がチョット楽になる。
デバイスの解像度をiPhoneに合わせる設定を行う
基本的には、ここまでの設定をすれば利用可能になるのだが、手持ちのiPhone 12 miniではミラーリング画面がうまく表示されなかった。そこでAirReceiverの設定からさらに[詳細設定]を選び、そこで[デバイスの解像度]の設定を加えることにした。
表示させたいiPhoneの画面解像度を正確に入力すると表示されるようになる。自分のiPhoneの解像度は検索して調べてほしい。最新のiPhone 15は2556×1179ピクセル、手持ちのiPhone 12miniは2340×1080ピクセルだ。
iPhone側は、設定の[一般]→[AirPlayとHandoff]で[自動的にTVへAirPlay]が[自動]になっていれば問題ない。初期状態で「自動」になっているはずだ。これでテレビと同じ自宅Wi-Fiに接続してから、ミラーリングを実行する。モバイル回線に繋がっていると失敗するので、一時的にオフにしておくといいだろう。
iPhoneでミラーリングを開始するには、右上端から下にスワイプで、コントロールセンターを表示させて、ミラーリングをオンにする。
使いところが限られてしまう
iPhoneからミラーリングはできるのだが、有料アプリをけっこう手順の多い設定を経て苦労した使えるようにしても、使いどころはワリと限られる。動画コンテンツはYouTubeを含め再生はできずに全滅。動画コンテンツの再生は以前実践したアプリからのキャストを使った方がいいだろう。
ゲームも遅延がキツいので、画面そのものを表示させたいとか、ウェブブラウザーの画面や、プレゼンテーションを表示するような使い方がおすすめできるだろうか。iPhoneのテレビへのミラーリングは、ケーブルを用意して接続する方法の方が確実で万能だ。もしくはApple TV 4Kを活用しよう。
なお、本連載では詳しく取り上げないが、AirPlayを使わずに、独自の仕様でiPhoneのワイヤレスミラーリングを実現するアプリも存在する。
例として1つ名前を挙げると、「ApowerMirror」というアプリがある。スマホとテレビとスマホの双方にアプリをインストールする必要があるが、iOS、Android、Windows、Macに対応し、Google TVにミラーリングが可能できる。しかも、同一のWi-Fiに接続している場合に限らず、インターネットを介した遠隔でのミラーリングも可能なうえ、設定はAirReceiverよりも簡単だ。ミラーリング中の画面を録画し、それを転送するという仕組みを使っている。
詳しく取り上げることは避ける理由として、1つには、サブスクリプションによる提供で料金が高め(月額2980円など)なことがある。また、常時録画するという方式のため動画配信サービスでは結局利用できないこと、自宅Wi-Fi以外でも接続できてしまうのでセキュリティ上の懸念が払拭できないことがある。こうした点も承知の上で利用したいなら、試してみてもいいだろう。
今回の教訓(ポイント)
iPhoneからGoogle TVへの無線接続ミラーリングは有料アプリ「AirReceiver」が利用可能
ただし動画配信アプリでは再生できないケースがほとんどなので注意