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【使いこなし編】第172回

チューナーレステレビはPC仕事に使える? Macの画面をワイヤレスでミラーリング

TCLのチューナーレステレビ「50P63J」でMacからミラーリングを試してみよう

 TCLのチューナーレステレビ「50P63J」で、ここまででスマホの画面をそのままテレビに表示するミラーリングを実践してみた。前回はiPhoneを使ったミラーリングに「AirReceiver」というアプリを使ったので、今回は、同じアプリでMacを使ったミラーリングを実践してみようと思う。Macのミラーリングができれば、リモートワーク時のサブモニターとして使うこともできる。

 macOSも、iPhoneのiOSと同じアップル製品なので、画面のミラーリングには「AirPlay」が使われている。AirReceiverは、チューナーレステレビ側にインストールしてAirPlayを利用可能にする有料アプリ(310円)だ。

 ちなみに、標準でAirPlayが使えるストリーミングデバイスの「Apple TV 4K」を所有していれば、チューナーレステレビに接続すれば、Macのミラーリングもアプリ不要で実現できる。iPhoneとMac、MacとiPad、iPhoneといった組み合わせでも、自由にAirPlayによるミラーリングができる。

Google TVのTCL「50P63J」にMacBook Airからミラーリングしてみた

AirReceiverを使ってMacの画面をミラーリング

 今回は、チューナーレステレビの50P63J(OSはGoogle TVを搭載)にAirReceiverをインストールしていることと、同じWi-Fi(LAN)にMacとチューナーレステレビの双方がつながっていることを前提として、実践を始める。

 50P63Jでは、AirReceiverを起動しておこう。起動した画面の[詳細設定]から[デバイスの解像度]を表示させ、画面解像度を設定しておく。今回は、macOS Sonama 14.1.1のMacBook Air M2 2022を使っている。画面解像度は、13.6インチ2560×1664pxのliquid Retinaディスプレイ。使っているMacの解像度は、アップルメニューから[このMacについて]→[詳細情報]を選び、[ディスプレイ]の項目で確認できる――という設定方法がセオリーにはなるのだが、実際にはテレビ側の4K解像度3840×2160を入力すると全画面で表示されるようになるので、そちらをお勧めしたい。フルHDのテレビなら1920×1080にする。

Google TVにAirReceiverをインストールして起動すると設定画面が表示される。[詳細設定]から[デバイスの解像度]を表示させる
[カスタマイズ]を選択する
テレビ側の解像度である4K(3840×2160)を入力する

 Macのメニュー右側にあるコントロールセンターを開き、[画面ミラーリング]を選択する。そこで表示される画面からスマートテレビを選べば、テレビにミラーリングされるはずだ。操作はほぼiPhoneと同じなので、迷うことはないだろう。

こちらはMacの画面。メニューバー右側にあるコントロールセンターを開き、[画面ミラーリング]を選ぶ
接続するスマートテレビを選択する。この名前はAirReceiverの設定で変更も可能
ドカンとテレビにMacの画面が表示された。この状態だとMacとテレビは同じ画面が表示になる。テレビの解像度3840×2160でMac側も表示されている

 最初は、Macとテレビで同じ画面が表示される。ミラーリング中は、メニューにミラーリングのアイコンが表示されるので、そこから[個別のディスプレイとして使用]を選ぶと、ディスプレイを拡張(Macとテレビで別の画面を表示)した状態での利用ができる。

 作業に活用するなら、拡張した状態がいいだろう。解像度の調整は、同じメニューから「ディスプレイ設定」を選ぶと、Macとテレビで個別に可能になっているはずだ。作業しやすいサイズに設定しよう。ミラーリングを終了させる時には、ミラーリングメニューから再度同じテレビを選択する。

ミラーリング中はメニューにミラーリングのアイコンが表示される。「個別のディスプレイとして使用」を選ぶとディスプレイを拡張して利用できる
上のモニター表示をクリックすると切り替えられる。それぞれ使いやすい解像度にする
こちらはテレビ側の解像度の設定

遅延は気になるが、サブディスプレイとしては十分

 無線接続ということもあり、描画の遅れはかなりある。カーソル移動やメニュー表示といった操作の反応も遅く、3~5秒ほど遅れて動く感覚だ。テレビ側を主画面として、なんらかの操作するのはかなり無理がある感じ。Mac側の画面で表示させたい画面を選んでおき、ドラッグしてテレビ側に持っていくようにするのがいいかもしれない。

 テレビ側画面では遅延がひどくウィンドウ操作がしにくいので、操作しにくいウィンドウはドックから一旦終了させてしまってもいいだろう。画面のスクロールも、このドックのメニューからウィンドウをアクティブにできるので、その状態にしてからキー操作でスクロールした方がストレスが少ない。

移動させたいウィンドウの全画面表示ボタン(緑色)にマウスポインターを合わせるとメニューが表示され、テレビ側に送ることができる。ボタンをクリックすると、全画面表示になるので注意
終了させるときには、ドックのアプリアイコンを長押ししてメニューを表示させる

 ウェブブラウザーで参照情報を表示させておき、サブモニターとして使う用途なら、反応の遅れも気にならずに使える。SNSやメッセンジャー、ニュースサイトなどのウィンドウを表示させておいて、情報チェック用に使うのもいいだろう。間違ってもオンラインミーティングや、リアルタイムでチャットをしている画面を表示させるのに使ってはいけない。遅延でずれまくりになる。

 プレゼンテーションもちょっとキツそうだ。画面が50インチもあるので、PCのディスプレイのようにデスクに置いて至近距離で使うのではなく、2m程度画面全体が見渡せるように離れて使う方が見やすい。

 このようなテレビをPC用モニタとしてちゃんと使い込む手法は、回をあらためてHDMIケーブルを接続して実践してみよう。ここで行っている無線のミラーリングは遅延があることもあり、あくまでも参照情報を見ることができるレベルだ。

 画面描画を遅延をさせないで使うには、やはりケーブル接続に限るようだ。こちらについては今後、Windowsとともに実践してみることにする。次回は、続けてWindows PCでも無線のミラーリングをしてみよう。

今回の教訓(ポイント)

「AirReceiver」を使ったAirPlayによるミラーリングはMacでも実現できる
ただし遅延が激しいので、情報参照のサブモニター的に使うのが限度

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。