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【使いこなし編】第173回

Windowsの画面をチューナーレステレビに「Miracast」でミラーリングする

 TCLのチューナーレステレビ「50P63J」を使って、ここまでスマホやMacの画面をそのままテレビに表示するミラーリングを実践してみている。今回はWindows 11の画面を無線ミラーリングする方法を実践してみよう。手持ちのチューナーレステレビをリモートワーク時のサブモニターとして使うこともできる。

 前回は、Macで「AirPlay」を使い、テレビ側では「AirReceiver」アプリによる無線ミラーリングを行った。Windows PCでは、同様のことをアプリを追加せずに手軽に実現できる。

 とはいえ、やはり無線接続では遅延が大きく、作業用のディスプレイとしては適さない。Macの場合と同様、情報を参照するためのサブディスプレイとして使うのがおすすめだ。作業でガッツリ使う拡張モニターや、テレビのみをPCモニターとして使いたい場合には、HDMIケーブルでつなぐのが最善だ。これについては、次回以降に実践してみることにしよう。

Windows PCとTCL「50P63J」を無線ミラーリングしてみた

「Miracast」によりWindowsの画面をミラーリング

 Windows PCはMacと違い、Google TV搭載のスマートテレビと、標準の状態で簡単に無線ミラーリングができる。テレビ側に追加のアプリも不要だ。

 この接続には「Miracast」という、Wi-Fiの接続ルールを取りまとめているWi-Fi Allianceの策定した汎用的な技術を使っている。Wi-Fi接続を使ってHDMI接続のデータを転送するもので、最大4Kまでの映像を伝送可能だ。Androidでも使えたりするので「Chromecast」[*]と混同しやすいが、別の接続方法になる。今回はWindows 11 Homeを使うが、Windows 10でも使うことができる。

[*]……正確に言うと、ChromecastはGoogleのストリーミングデバイスに付けられた名前で、そのデバイスに対してウェブブラウザーのChromeや対応アプリからキャストする。Miracastでも接続時にはキャストするので、ちょっとややこしいが、実際の使用時にあまり厳密に考える必要はない。アマゾンのFire TVシリーズはMiracastを使っている

 Windows 11のミラーリングは、アクションセンターから[キャスト]を選べばいい。表示されていない場合は[+追加]から追加しておこう。ミラーリング中にはアイコンが表示され、表示方式を[複製](メインのディスプレイと同じ内容を表示)から[拡張](メインのディスプレイとは異なる内容を表示)に切り替えられる。

Windows 11のタスク バーから、アクションセンターを表示させる(タスクバーの右にある、バッテリー、ボリューム、ネットワークのいずれかアイコンをクリックする)。[キャスト]が表示されていればそのままクリックしよう。最初はおそらく表示されていないので、追加するため鉛筆(クイック設定の編集)のアイコンをクリックする
[+追加]をクリックし、[キャスト]と[表示]をそれぞれ続けてクリックする
アクションセンターに追加された[キャスト]をクリックする
周辺にある(同じWi-Fiに接続した)Miracastに対応するデバイスが表示された。ミラーリングしたいデバイス(ここではチューナーレステレビ)を選ぶ
テレビ側で[接続への招待]と表示されるので[同意する]を選択する。これは初回の接続のみ行う操作だ
テレビにミラーリングされた
ミラーリング中、PC側ではアイコンが表示される。[このデバイスからの〜]にはチェックを入れて許可する。ここで表示方式を[複製]から[拡張]に切り替えることも可能
アクションセンターから[表示]をクリックしても、表示方式の変更と切断ができる

テレビ画面の拡大率を変更して見やすくしよう

 Windowsの[設定]の[システム]→[ディスプレイ]で、ミラーリングしているディスプレイの解像度を変更できる。テレビは少し離れた方が見やすいので、[拡大/縮小]で少し拡大気味に設定するといいだろう。最初につないだ時点で、1920×1080ピクセルの150%表示になったが(以下に掲載している画面写真がこの設定)、2m程度離れて見るには、ちょうど見やすい拡大率だと感じた。

[設定]から[システム]→[ディスプレイ]の順にメニューを選択する。この画面では、表示方式は[拡張]に切り替えた状態
接続中のテレビの詳細が表示された
[拡大/縮小]で見やすい拡大率に変更しよう

今回の教訓(ポイント)

Windows PCとGoogle TV搭載のスマートテレビとは「Miracast」で無線ミラーリングが可能
追加アプリは不要で手軽に活用できるが、遅延には注意

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。