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【使いこなし編】第235回

TP-Link「Tapo C222」で、クラウドサービスに代えてmicroSDカードに映像を保存する

 本連載で第229回から、自宅の見守り用途にTP-Linkのネットワークカメラ「Tapo C222」を使ってみている。

 前回までで、iOS/Androidの「TP-Link Tapo」アプリから猫を検知するように設定し、自動録画した動画(イベントクリップ)をチェックしたり、必要に応じてダウンロードしてみたりして、実際に活用してみている。

TP-Linkのネットワークカメラ「Tapo C222」

ネットワークカメラのmicroSDカードは消耗品

 筆者宅ではTapo C222を使い始めてから30日間が過ぎ、クラウドサービス「Tapo Care」の無料体験期間が終了した。サブスクリプション契約すれば継続して使えるが、契約しないと映像の自動保存はできなくなり、リアルタイムの映像表示が確認できるだけになる。今回は、サブスクリプション契約しなかったケースを想定し、クラウド保存の代わりにカメラに装着したmicroSDカードへ保存する設定をしてみよう。

 ネットワークカメラに使うmicroSD(正確にはmicroSDHCやmicroSDXC)カードは、一般的なスマホやデジカメで使うカードよりも耐久性が問題になることがある。頻繁に動画の連続録画が書き込まれるためだ。

 しかも、古い動画を消しながら随時新しい動画を保存していくループ録画の設定をすると、書き込みに加えて消去も連続して行われるようになる。そして、microSDカードに使われているNANDフラッシュメモリには書き込み回数に上限があり、無限は使えない。消耗品だと割り切って、適宜買い替え、新しくしていってほしい。製品自体が高耐久をうたっているものは少ないので、なるべく信頼性の高いブランドのカードを選んでおくといいだろう。また、容量が多い方が一定期間内に同じメモリを書き換える回数が少なくなるので、長期間使えるようになることは覚えておきたい。

 とはいえ、どのブランドのmicroSDカードがいいのか? と迷ってしまうだろう。TP-Linkのウェブサイトの以下のページに、動作確認済みmicroSDカードの記載があるので参考にしてほしい。このリストから選択すれば、認識しないなどの問題は起こらないはずだ。

 なお、このページに「実験の結果、ADATA(256GB, A1, V10, SDXC1)およびSamsung(256GB, EVO plus U3, V30, A2, SDXC1)はTapoカメラとは互換性がないことを確認しています」との注意書きもある。購入時には注意してほしい。

Tapoカメラが対応するMicroSDカードは何ですか?(TP-Link サポート)

 カードの書き込み速度として、Class10以上、ビデオスピードクラスV10以上、UHSスピードクラス1以上が推奨されている。昨今なら「ビデオスピードクラスV30、UHSスピードクラス3」と表記があるカードを選んでおけば問題ないはずだ。

 これは、書込み速度が最低でも30MB/秒で、フルHDから4K程度の動画保存に適している製品だ。今回の実践では「SanDisk Extreme microSDXCカード 128GB UHS-I U3 V30 A2」を使っていて、認識も録画も問題ないことを確認している。

 余談だが、今話題のNintendo Switch 2で使われるmicroSD Expressカードもあちこちで販売されていて、こちらはさらに高速での読み書きに対応している。従来のmicroSDカードとしても使えるが、Tapo C222のスロットは高速なmicroSD Expressカードのパフォーマンスを引き出せないため、選ぶ意味はない。

 以上のような条件でスペックが高めのカードを選ぶと、まあまあいい予算がかかってしまう。しかも寿命がさほど長くはない(書き換え1000~3000回程度)こともあり、定期的な買い換えが必要になる。カードのローカル保存にこだわるか、AI検知も使えるクラウドサービス「Tapo Care」のサブスクリプション契約がいいかは、好みで判断して欲しい。

microSDカードに表記されたビデオスピードクラスV30、UHSスピードクラス3の表記

レンズ部分をずらしてカードをセットする

 「Tapo C222」のレンズ部分を上に向けると、下から隠されていたカードスリットが現れる。このスロットにカチッとロックされるまで押し込む。カードは初期化されるので、必要なデータが保存されていないことを確認してから装着するようにしてほしい。

レンズ部分を上に向けると、下から隠されていたカードスリットが現れる

 カメラにカードを装着すると、「TP-Link Tapo」アプリで認識されたことを確認する画面が表示される。画面に従っていけば利用可能になる。設定画面では、[ローカル録画]をオンにする。[ループ録画]をするかは好みでいいが、オフだと容量がいっぱいになった時点で録画は停止するので、オンにしておくことをおすすめする。

 また、[録画スケジュール]の設定も可能だ。事務所などの夜間の見守りだけに使う場合や、プライバシー保護(在宅中の時間帯は録画しないなど)のため、停止する時間帯を設定することもできる。

「Tapo Care」の無料体験期間が終了すると、バナー表示がでてクラウド保存ができなくなる
microSDカードを本体に装着すると、認識された画面が表示されるので「初期化」を選ぶ
初期化によりデータは消去されるので注意。フォーマット中
初期化が完了すると検出される。[設定に移動]をタップ
カメラの設定画面が表示される。[ストレージ&録画]をタップ
[ローカル録画]をオンにする。[ローカルストレージ]をタップ
このようにひょうきんなテスト結果が表示される。[ループ録画]は好みでオンにしておく
[録画スケジュール]の設定も可能。この例は夜間の見守りのため夜間20時~8時まで連続録画、日中8時~20時までは検出して録画、昼の12時~13時は停止。という使い方

【今回の教訓(ポイント)】

TP-LinkのTapoシリーズではmicroSDに映像を保存可能
microSDは耐久性の高いものを選択しよう

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。