清水理史の「イニシャルB」

約6000円で買える2.5GbE×5ポートの小型スイッチ、エレコム「EHC-LQ01-5」の実力を試す!

エレコムの2.5Gbps×5スイッチ「EHC-LQ01-5」

 エレコムから、低価格かつコンパクトな2.5Gbps対応スイッチが登場した。格安の新興ブランド製品が市場を賑わせる中、国内メーカーからも価格で勝負できる製品が登場したことになる。家庭内LANの2.5Gbps化を検討している人は、要チェックの製品だ。

中国系の新興メーカースイッチと真っ向勝負

 現状、Amazon.co.jpでスイッチを検索すると、数多くヒットするのが中国系の新興ブランドの格安製品だ。2.5Gbps×4+10Gbps SFP+×2の製品が実売4000円台、10Gbps×5の製品でも2万円台前半と、低価格を武器に市場での存在感を高めている。

 対する国内メーカーの製品は、2.5Gbps×5の製品が、プラネックスやアイ・オー・データ機器、バッファローなどから販売されているが、価格は8000~1万円ほどと、高めに設定されている。

低価格の中国の新興メーカー製品が目立つ

 家庭向けのスイッチの場合、機能がシンプルで、採用されているチップも同等となるケースが多く、性能差が出にくい。このため、安定性や信頼性、サポート体制などが製品の差別化ポイントとなるが、正直、10Gbps SFP+まで搭載して半額になるような製品との競争は、かなり分が悪い状況だ。

 そんな中、エレコムから登場したのが、2.5Gbps×5ポートのスイッチ「EHC-LQ01-5」だ。同社のウェブサイトで「EHC-Q05MA2-HB」として掲載されている製品と同等の簡易パッケージ版で、2026年1月時点でのAmazon.co.jpの実売価格は6311円と、かなり意欲的な価格設定がなされている。

EHC-LQ01-5

 スペック的に同等の国内メーカーの製品に比べて、2000~4000円安い価格設定がなされており、SFP+は搭載しないものの、前述した中国系新興ブランド製品にも迫る低価格を実現している。

 エレコムは、Wi-Fi 7ルーターのエントリーモデル(WRC-W701-B)でも海外メーカーと激しい価格競争を繰り広げており、近年は、価格に対して積極的な姿勢を取るメーカーとして認知されているが、2.5Gbpsのエントリー向けスイッチでも、この価格攻勢を仕掛けてきたことになる。

 もちろん、単に安いだけでなく、完成度も高い。2.5Gbps対応スイッチとしてはかなり注目度の高い製品だと言える。

手のひらサイズで低消費電力

 それでは実機を見ていこう。EHC-LQ01-5は、2.5Gbps/1000Mbps/100Mbps/10Mbpsの伝送速度に対応した5ポートのスイッチングハブだ。

 近年は家庭用向けの低価格な製品でも十分な性能を備える製品がほとんどだが、本製品もスイッチングファブリック25Gbps(2.5Gbpsの上り下りを5ポートでフル伝送可能)、最大パケット転送能力18.6Mpps(2.5Gbpsで3,720,238pps×5に対応可能)と、2.5Gbps×5ポートを生かす性能を備えている。

 機能的にも、10kbytesまでのジャンボフレーム、ループ検知などに対応しており、現状のほとんどのスイッチがそうだが、スペックとしては不足のない状況だ。

 このため、注目したいのは、サイズと消費電力となる。

 サイズは121×75×26mmで、おそらく現状の2.5Gbps対応スイッチとしてはトップレベルの小ささとなっている。まさに手のひらサイズと言っていいコンパクトさで、設置場所を選ばない印象だ。

正面
側面
背面

 LANポートは電源ポートと共に本体背面に配置され、前面側はLEDのみ。ポートが前面側の方がいいか、LEDは個別かポート側か、というのは好みが分かれる点だが、本製品は家庭での利用を想定して、背面側にケーブルをまとめ、前面はLEDのみでスッキリと見せる構成となっている。

 筐体は放熱性に優れた金属製で、もちろんファンレス構造だ。本体の熱は、基板上のヒートシンク(ヒートシンクは筐体非接触)による放熱、および基盤底面側のサーマルパッドを利用して、筐体全体で放熱する方式となっている。

 簡易的な冷却のように見えるが、本製品は消費電力が最大でも5.3Wと低く抑えられており、これでも十分な熱対策が可能となっている。

内部。チップはヒートシンクで冷却
底面が筐体と密着して放熱される

 さらにスペックで興味深いのは、動作時環境条件の温度が「0℃~50℃」となっている点だ。法人向け製品ならめずらしくないが、家庭用製品で50℃まで対応するのは珍しい。製品サイトには、長寿命設計なども特徴として記載されているが、ある程度、過酷な環境でも安定して動作することを目指して設計された製品と言えそうだ。

 ちなみに、本製品に採用されているチップは公表されていないが、おそらくRealtek製で、消費電力から想像すると、プラネックスのFX2G-05EM2あたりと同等ではないかと想像できる。

性能は問題なし

 前述したように、スイッチは性能差がほとんど現れないので、あまり意味はないが、一応、CrystalDiskMarkを使って、2.5Gbpsで接続したPCとNASの間の速度を計測したのが以下の画面だ。シーケンシャルリードで292.41MB/s(約2.3Gbps)なので、2.5Gbpsの速度を問題なく達成できている。

CrystalDiskMarkの結果

 また、PCとNASを2.5Gbpsで接続して、30分間、連続で負荷をかけてみたが、特に不具合なく、底面温度も32℃前後とまったく問題なかった。

温度をチェック

 スイッチのレビューでは、本体が熱くなるかどうかが話題になることが多いが、本製品の場合、チップに搭載されているヒートシンクが筐体に接していないため、筐体温度はさほど上がらない構造になっている。反対に、放熱できているか心配になってしまうが、チップの消費電力が低いことが効いているのだろう。

2.5Gbps化の候補として最適

 以上、エレコムのEHC-LQ01-5を実際に検証したが、安く手に入れられるうえ、コンパクトな製品となっており、家庭内LANの2.5Gbps化にちょうどいい製品という印象だ。2.5Gbps対応のPCやNASを利用している場合は、本製品を使ってLAN側の速度向上を狙うといいだろう。

 なお、ひとつ注意点を挙げると、本製品にゴム足は付属しているが、金属面にマグネットで固定するためのオプション(EHB-EX-MG4)は別売りとなっている。これは、実売3465円となっており、結構高い。マグネットを利用したい場合は、汎用的な市販品の利用も検討するといいだろう。

清水 理史

製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。「できるWindows 11」ほか多数の著書がある。YouTube「清水理史の『イニシャルB』チャンネル」で動画も配信中