テレワークグッズ・ミニレビュー

第103回

最新サーキュレーターがスゴすぎた! 内蔵バッテリーでまるっと1日、仕事中以外も使い倒せて大活躍

一見ふつうのサーキュレーターと変わらないが実はバッテリー式のスマートサーキュレーター

 なんだか最近は毎年言っている気がするが、今年の夏は暑い。特に仕事部屋はPCにNASにスイッチングハブにと発熱するものが多いせいもあって、仕事中はエアコンをほぼつけっぱなしだ。ただ、筆者の仕事部屋はそのレイアウトの都合で、ちょっと勝手がよくない。

 というのも仕事机のすぐ上にエアコンがあるので、風量次第では冷風が当たって寒くなる。そこでエアコンを止めると、PCの熱などですぐに暑くなるので、再びエアコンをつけるが、つけ始めは特に風量が強くなるのでまた寒くなる。設定温度や風向きも調整してみるが、なかなかうまく行かない。おそらくエアコンのすぐ下にPCなどの熱源があるせいで、部屋のなかで温度ムラができてしまい、エアコンが頑張ったり頑張らなかったりを繰り返しているような印象だ。

仕事部屋のデスクのすぐ上にエアコンがあるので、風量が強くなると寒い

 そこで、今回はサーキュレーターを買ってみた。要は、エアコンの風が直接当たらないようにしつつ、サーキュレーターで循環させて部屋全体の温度を均一にすればいいんじゃないかと思ったわけだ。サーキュレーターを使えば電気代の節約にもなるかもしれない。

売り切れまくりのSwitchBot スマートサーキュレーター

 で、買ったのは、昨冬に発売されたSwitchBot「スマートサーキュレーター」だ。

 時期的な理由もあるのか、プライムデーのセールで買おうと思ったら売り切れていた。しばらく待ったら再販になったものの、納期は8月下旬。一度はあきらめかけたのだが、ちょうどそのタイミングでSwitchBotの直販サイトでもセールが始まり、そちらのほうが納期が早かったので即ポチした(現在は直販サイトは売り切れ)。

 「スマート」サーキュレーターの名前のとおり、スマホアプリから操作ができるし、SwitchBotのハブシリーズと組み合わせれば、AmazonのAlexaなどから音声操作をしたり、温湿度センサーと組み合わせて、自動でオン・オフしたりすることもできる。

 しかしなにより一番の特長はバッテリー式だということ。

 実は筆者がサーキュレーターを買うのはこれが2台目。7年前にアイリスオーヤマのサーキュレーターを買ったのだが、これが使い始めると結構便利で、いろいろなシーンで活躍した。

 例えば洗濯物を室内干しするときにサーキュレーターで風を送ると乾きが違う。筆者は趣味でサイクリングをしているのだが、走り終えたウェアはその日のうちに洗濯して夜中に部屋干ししておくことが多い。こうしたスポーツウェアは速乾素材なので、風を当てておくだけで結構あっという間に乾いてくれるし、冬場はこれがいい加湿にもなる。

 夏は寝室でも大活躍だ。家族で1つの部屋で寝ていると、人の体温で室温が上がるし、寝汗で湿度も高くなる。そんなときもサーキュレーターで部屋の空気を循環させるだけでも寝苦しさはかなり改善される。

 夏場の料理中は、ダイニングのエアコンを入れてもキッチンは暑い、なんていう場合にも活躍するだろう。

 ただ、サーキュレーターは置き場所が結構重要なので、その都度コンセントを抜いて持って歩いて、またコンセントに挿して、というのがちょっと面倒。なので、使った方がいいけど持ってくるのが面倒だから使わない、ということがしばしばあった。

 その点、バッテリー式であれば、コンセントの位置やケーブルの長さを気にせず、使いたいところにさっと持っていって使うことができる。例えば日中は仕事部屋で使い、夕方、料理のタイミングではキッチンで使って、夜は洗濯物を乾かす。実はサーキュレーターがバッテリー式になると、結構便利そうなのだ。

意外と大きいけどその割りに薄い、そして想像以上に軽い

 ということで届いた商品を見ていこう。

SwitchBot スマートサーキュレーター。リモコンと充電用ケーブルが付属する

 あくまで主観だが、第一印象は大きいと思った。ただしこの製品は30畳用、今まで持っていたサーキュレーターが8畳用だったので、当たり前と言えば当たり前。ただ、日本向けとしてはもっと小さいサイズがあったらよかったのに、とは思う。ただし、ファンの部分は大きいものの、その割に奥行きは薄い。サーキュレーターというと奥行きもそれなりにあるものが多いが、それらとは一線を画す薄さで、使わないときに収納しておくには良さそうだ。

正面から見ると結構大きい。幅は334mm、高さは382mmある
横から見ると、幅の割には薄い。奥行きは173mmなので、収納はしやすそう

 そして、驚いたのはその軽さ。

 持ってみると、予想以上に軽くて驚かされる。取っ手があって持ちやすいのもあるが、これまで使っていた8畳用のサーキュレーターが2.1kgなのに対し、こちらは2.38kg。30畳用で、しかもバッテリー内蔵でこの軽さなのだ。バッテリー内蔵だしそれなりに重いだろうと思っていただけに、これは意外だった。

背面側がへこんだ形状で取っ手になっている
おかげでサイズは大きいが片手で楽に運べる

 底面に電源の差し込み口があって、付属のメガネケーブルで充電できるほか、USB Type-C(5V2A以上)での充電もできる。コンセントに繋いだまま利用することもできるが、あくまで「充電」して使うことになっている(ただし挿しっぱなしでも過充電にはならないとのこと)。内蔵のバッテリーは7.4Vの3600mAh、モバイルバッテリー換算なら7200mAhということなので、そこまで大容量ということもない。それでいて風量1、おやすみモードなら最大50時間の駆動が可能だとしている。また、Amazonでは見つけられなかったがSwitchBot公式サイトではコード式もラインアップしているようだ。

 リモコンが付属するほか、本体のタッチパネルで操作ができる。本体パネルでは、9段階の風量調整や、「ナチュラル」「おやすみ」「そよ風(赤ちゃん)」のモードを選ぶことができるほか、左右最大90°の首振りと上下最大90°の首振り、また、タイマー設定も可能。そのほか常夜灯も装備していて、そのオン・オフもできる。

 ただしそこはスマート家電なので、スマホアプリからの操作であれば、より細かい調整が可能となる。風量は100段階で調整できるほか、上下左右の首振りの角度を変更できたり、スケジュールを設定したりもできる。

 そして同社のハブシリーズと組み合わせる必要があるが、AlexaやSiri、Google Homeなどから音声操作することもできる。

底面にメインスイッチと充電用ケーブル(メガネケーブル)、USB Type-Cの差し込み口がある
リモコンも付属
本体表示部。タッチ操作で風量、モード、上下左右首振り、常夜灯とタイマー設定が可能
常夜灯点灯状態。明るさは2段階で変更可能
上下、左右にそれぞれ最大90°の首振りが可能
ドライバー(ネジ回し)が必要だが前面のガードを外して清掃もできる
スマホのアプリを使えば、風量を100段階、首振りの幅、スケジュールなども設定できる

コンセント無しでも1日使えるからもっと使いたくなる!!

 ということで電源を入れてみる。箱から出した状態ですでにある程度充電されていたので、早々に電源を入れることができた。

 驚いたのはその静かさだ。さすがに最大風量にすればそれなりに音はするが、1~3段ぐらいだと8畳用のサーキュレーターより静かな印象で、エアコンと同時で使っているとエアコンの音の方が気になるレベル。昔、出始めのころのサーキュレーターだとけっこううるさいものもあったが、これはかなり静かだ。実際スペックでも音量は22dBとある。元々使っていた8畳用も静粛性を謳ったモデルで35dBなので、その静かさが分かってもらえるだろう。実際のところ、静かすぎてうっかり消し忘れるレベルだ。

 サイズは大きいとは言ったが、一般的な扇風機よりはフットプリントも小さいので、置き場所に困ることはない。

 満充電をしてから仕事部屋で試してみる。エアコンのルーバーを一番左、一番上向きにして、部屋の対角の方に向けて風を出す。そしてサーキュレーターは、逆にそこからエアコンのある方向に水平に戻すようにした。

エアコンの対角の位置、筆者に直接は風が当たらないぐらいの向きに置く。風量は3でも静か

 こうすることでエアコンから出た冷気を、直接身体に当てずに部屋全体を冷やす。これは結構うまくいった。時々エアコンが強く動くと寒さを感じるが、それ以外は快適で、直接風は当てていないものの、ほのかに風が流れるので、エアコンの温度設定を28.5℃と高めにしても快適に過ごせる。暑すぎず寒すぎず、それでいて空気が循環されるからか、部屋にこもりっぱなしの時の息詰まり感が減って頭がすっきりする印象だ。風量は3段にしてあるが音量としてはエアコンの微風と同程度だ。

 バッテリーもかなり持ってくれて、満充電から10時間ほど風量3のまま使ったところで、全部で4段階表示のバッテリー目盛りが、やっと1目盛り減った。もちろん風量にもよるが、一般的な使い方であれば、1日1回充電すればバッテリー切れの心配なく使えそうだ。

 次に洗濯物の乾燥。以前に使っていたサーキュレーターでは、電源コードの長さが足りず、延長ケーブルを使っていたのだが、バッテリー式だからそれも不要。例えば洗濯物が多い時は、洗濯物の下に置いて、上向きに風を送るようなこともできる。またアプリなら首振りの角度も設定できるので、例えば一番上向きにした状態から、上下首振りを30°、左右首振りを90°にすると、下から全体的に風を当てることができる。

コードが不要だから置き場所は自由。上下首振りを30°、左右90°にすることで下からまんべんなく送風

 夜寝るときは、常夜灯をつけることも可能だ。常夜灯の明るさは2段階で調整可能。ただ筆者宅はまっくらにして寝る方なので常夜灯の出番はない。風のモードでおやすみモードを選べば、30分ごとに風量が3→2→1と弱くなる。寝るときにつけたばかりのエアコンはそれなりに元気に動くので、その間は風量3で、そこから徐々に弱くなって、寝ている間は風量1で静かに動くという、理にかなった仕様だ。

 また、もうすこし季節が進んで夜が涼しい時期になったら、窓際にサーキュレーターを置けば、屋外の涼しい空気を取り込んで、エアコン無しで快適に過ごせる夜も出てくるだろう。

 そして夜だけはコンセントを繋いでおけば、夜中のうちに充電されて、翌日の日中はまたコンセントいらずの運用ができる。USBで充電できるというのも結構便利で、例えば寝室のスマホ充電用の充電器が2口とかあれば、そこから充電することができるし、必要に応じて長いUSBケーブルを用意すれば、コンセントから離れた場所でも充電しながら使うことができる。

 ただし、ちょっと残念な部分もある。というのが、充電ケーブルの差し込みが底面だということ。加えて抜け防止のためにケーブルを固定するフックまである。もちろんコードがカンタンに抜けないための工夫なのだろうが、普段コードレスで使いたい場合は、この抜き挿しのしにくさが仇になる。普段からコンセントに繋ぎっぱなしで使うのならこれでいいが、頻繁に抜き差しするのには毎回裏返す必要があってあまり勝手がいいとは言えない。せめてUSB端子だけでももっと差し込みやすい場所にポートを用意してくれれば良かったのに。

夜はコンセントに繋いで使えば翌朝には満充電だ。常夜灯をつけると羽根に反射してふんわりと光る
ただし充電ケーブルが抜けにくいようにできているので、抜き差しがちょっと煩わしい

 それとついでにもうひとつ、バッテリー式なので屋外でも使えるじゃん! と思っていたのだが、説明書をよく読んだら屋外で使うなと書いてあった。まぁ防塵仕様とかいうわけでもないので当たり前か。

アウトドアでテント内の熱気を逃がしたり、子どものプール遊びなどでも使えるかと思ったが、屋内専用だった

 ただし、それ以外は結構満足だ。なによりバッテリーの持ちが予想以上に良かった。本体の軽さから分かるとおり、バッテリー容量が大きいというより、ブラシレスDCモーターの効率が良い印象だ。もちろん風量次第ではあるが、メーカーによれば、風量1で約49時間、風量2で約32時間、風量3で約23時間稼働可能とのこと。ただし首振りもすると稼働時間は短くなって1方向の首振りを加えた場合、それぞれ約15時間、14時間、11時間となる。

公式の稼働可能時間

 あくまで主観だが、日本の狭い部屋で使うのには風量2~3ぐらいでも十分だと思うし、音も静かなのでちょうど良い。それぐらいの風量なら、仕事中ずっと動かし、夜は洗濯物を乾かしてもバッテリーは1~2日は余裕で持つ計算。となると、バッテリー残量を気にせずあちこちで使う気になる。

 ちなみにリモコンも付属しているが、筆者はまったく使っていない。普段から手元にあるスマホで操作できるので、使う理由が見つからない。ただ、ハブを組み合わせて音声操作できるようにしたのだが、これはあまり調子がよくなくて、首振りのモードなどができるらしいのだがうまくいかない。とはいえ、声でオン・オフはできるし、「アレクサ、1時間後にサーキュレーターをオフにして」といったこともできるので、洗濯物を乾かしながら外出するときなども、便利だ。

 あとは、今回温湿度計付きのハブ2も合わせて買ったので、その組み合わせで何ができるのかは、近いうちにお伝えしたい。たかが温湿度計が付いただけと思っていたが、実際にはこれが結構便利だった。

温湿度計機能を持ったハブ2を組み合わせていろいろやってみたい

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