急遽テレワーク導入!の顛末記

「集中力UPと目の負担を軽減のためにダークモードを導入してみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(143)

デスクトップも各アプリの画面も全部真っ暗に!

黒地に白文字の方が集中できて、目にも優しいらしい?

 テレワークが始まってから、自宅のデスクに向き合ってモニターを見ている時間が増えた。日々の業務は定時で終わらせても、仕事のメールが届いたら、再びモニターに向き合って作業していることもある。

……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて11日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は集中力を高め、目の疲れを改善するとされている「ダークモード」を導入してみた。

【今回のハイライト】
Windowsでダークモードを選択
Officeの入力画面も真っ黒に
メーラー・ブラウザーはアドオンを導入

5月15日(月): Windowsの「色」設定で「ダーク」を選択してみた

 長時間モニターに向き合っていると目が痛くなってくるため、筆者は自宅や会社のPCモニターについて、フリーソフトなどを使って輝度をギリギリまで下げている。これを一歩進めて、今回はPCの画面表示にダークモードを導入することにした。

 ダークモードはOSやアプリなどで個々に導入されている機能だが、基本的には画面の背景が黒く、文字が白などの色で表示されるようになる。白く表示される領域が減るため画面を明るく感じなくなり、文字を読むときの集中力が高まる……とされているようだ。

 Windows 10や11には標準でダークモードが用意されており、フォルダの色などを黒ベースにすることが可能。一部のアプリでは連動して、ウィンドウの背景などが黒を基調とした表示に変更される。

Windows 10では「設定」画面から「個人用設定」→「色」と操作。「色を選択する」のプルダウンメニューで「ダーク」を選択すると、ダークモードが適用される
壁紙を黒くしたい場合には、先ほどの「個人用設定」画面で「背景」を選び、「背景」で「単色」を、「背景色の選択」で右下の黒いパネルを選択する
Windows 11でも同様の操作で「色」画面を表示すると、「モードを選ぶ」のメニューからダークモードを適用できる

 ただ、Windowsでダークモードを選択しただけでは、Google Chromeで表示したサイトなど、多くのアプリで画面が白色で表示されてしまった。これでは、白色のウィンドウが際立って眩しく見えるし、せっかく黒く表示されたウィンドウを見るときに、かえって集中できなさそうだ。

5月16日(火): 「ハイ コントラスト設定」では、一部不自然な表示になることも

 Windowsには「ハイ コントラスト設定」という、ダークモードと同じような効果をもたらす機能が用意されている。これは色覚に異常があるユーザーなどに向けて提供されているもので、画面を黒くするとともに、文字や各種UIなどをコントラストの高い色にすることで、表示を目立たせることが可能だ。

Windows 10では「設定」画面から「簡単操作」→「ハイ コントラスト」と操作。「ハイ コントラストをオンにする」をオンにすると、表示が変更される
Windows 11では「設定」画面で「アクセシビリティ」→「コントラスト テーマ」と画面を操作。「コントラスト テーマ」でテーマを選び、「適用する」ボタンをクリックする

 「ハイ コントラスト設定」を有効にすると、ブラウザーで開いたサイト、Officeアプリで開いた文書など、あらゆるアプリのウィンドウが黒をベースとした表示に変更される。文字やUIに利用される色はテーマから変更することができ、例えば黄色などにすることで目立たせることも可能だ。

 ただ、あらゆる表示が黒をベースになるため、アプリによってはボタンや文字が見えなくなるなど、操作に不具合が出た。ここは、ダークモードをベースとして、各アプリの設定で背景色を変更していくのがいいかもしれない。

iTunesではアップデート時の使用許諾契約画面の文字が黒くつぶれ、最小化ボタンなどの表示も消えてしまった

5月17日(水): 各アプリの背景色も設定やアドオンで黒ベースに!

 各アプリの表示について黒をベースとしたものにするにあたり、まず手を付けたいのが、日々の作業でよく使っているMicrosoft Officeの各アプリだ。

 「Office 365」や「Office Home & Business」では、アカウントの設定画面から「Officeテーマ」を指定することで、各アプリでダークモードの使用が可能になる。筆者は「Office Home & Business 2019」を利用しているが、設定を変更することで、文字の入力画面なども黒をベースとした表示にできた。

 それよりも古いバージョンのOfficeアプリでも、テーマを変更する機能はあるのだが……。どうやら、ツールバーなどUIの一部が黒を基調とした表示になるだけで、入力画面の背景色を変えることができないらしい。

「ファイル」→「アカウント」と操作して、「Office テーマ」で「黒」を選択。Windowsのテーマで「ダーク」を選択している場合は、「システム設定を使用する」でもダークモードに変更された
「Office Home & Business 2019」では設定を変更すると、文字の入力画面も黒く表示された

 そのほか、仕事関係の連絡に利用しているツールだと、「Slack」はWindowsの設定を変更すると、画面の表示が自動でダークモードに。「LINE」についても、「画面表示モード」にある「システム設定と同期」の設定を有効にすることで、表示が自動で変更されるようになった。

 一方、ブラウザーでは各サイトの表示を、メーラーでは受信メールの表示を黒ベースにするには、筆者の環境だとアドオンの導入が必要だった。ただ、一度アドオンを導入してしまえば、あとは画面上のボタンクリックで表示を簡単に切り替えられるので、ダークモードを利用するならセットで導入することをオススメしたい。

LINEでは「設定」→「基本設定」にある「画面表示モード」で「システム設定と同期」のチェックを有効にすると、Windowsの設定に合わせてダークモードがオン/オフされるようになる
Thunderbirdではメニューバーから「ツール」→「アドオンとテーマ」→「拡張機能」と操作して、「アドオンを探す」ボックスから「Darko」を検索。「Darko」というアドオンをインストールする
「Darko」ではツールバーのアイコンから、ダークモードをオン/オフ可能。指定の時間になったら、自動でオン/オフするようにも設定できる
Google Chromeでは「Dark Reader」というアドオンをインストールすると……
サイトの表示がダークモードになった。こちらも、ツールバーにアイコンを表示させ、それをクリックすると表示されるメニューから機能をオン/オフできる
「Dark Reader」はMicrosoft Edgeでも利用できた

5月18日(木): ダークモードを簡単操作でオン/オフしたい

 これまでダークモードを使って、画面の表示を黒ベースにしてきたが、筆者が普段から行っている作業の中には、“PCがデフォルト設定で表示される状態”の確認が必要なものもある。そのたびに、いちいちWindowsの設定画面を開くのは面倒だ。

 こういうときは、フリーソフトが頼りになる。今回は「Easy Dark Mode」というツールを利用することにした。常駐させて利用すれば、通知領域からメニューを呼び出してダークモードの設定が変えられるほか、ショートカットからモードを変更することも可能だ。

「Easy Dark Mode」を公式サイトや窓の杜からダウンロード
初回起動時はMicrosoft Defenderが起動するので、「実行」をクリック
通知領域のアイコンをクリック、またはメニューからテーマを変更することで、ダークモードをオン/オフできる
ダークモードをオンオフするためのショートカットも登録可能
常時起動させる場合には、アプリのショートカットを「スタートアップ」フォルダに保存しておけばOK

 ダークモードを利用することで、2画面モニターを前にしていても、左右からモニターに照らされているような感覚がなくなった。文字についても読みやすくなったような印象があるので、引き続きこのモードを使っていきたい。

とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。

飛田九十九