「iPhoneでもダークモードを導入したい!! OSはもちろん、ブラウザーなどでもダークモードにする方法」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記（144）

画面が“黒地に白文字”の表示となり、文字を読むのに集中でき、目にも優しいとされている

　先週は各ウィンドウが“黒地に白文字”の表示になるように、Windowsや各アプリでダークモードを導入した。結果、文字が浮き出るように見えるせいか、以前より作業に集中できている気がする。

……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて18日が過ぎた。

　私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は集中力を高め、目の疲れを改善するとされている「ダークモード」をiPhoneでも導入してみた。

【今回のハイライト】

色反転では写真がキレイに見えない

Firefoxならダークモードが利用可能

Safariからブックマークをお引越し

5月22日（月）： 初手はiOS標準のダークモードを導入

　テレワークがはじまってから、会社と自宅を行き来しながら仕事をするようになった。移動中にはiPhoneで情報やメールをチェックするため、この端末でもダークモードを使って作業がしたい。

　iPhoneでは「外観モード」として、「ライト」と「ダーク」という2つのモードが選択できる。このうち「ダーク」を選択すると、「電話」や「メール」、「メッセージ」といったiOSの標準アプリだけでなく、GoogleやYahoo!などが提供するアプリの一部でも表示がダークモードに変更された。

「設定」アプリにある「画面表示と明るさ」を選択し、「外観モード」で「ダーク」を指定すると…

「電話」や「メール」などの標準アプリで、ダークモードが適用された

さらに対応している一部のアプリでも、表示がダークモードに変更された

　ただ、iOSに標準で搭載されているブラウザー「Safari」では、ダークモードを導入しても、白地のサイトはそのまま表示されてしまった。iPhoneの操作ではブラウザーで情報を検索している時間も長いので、この表示にもダークモードを適用させたい。

5月23日（火）： 色反転させると、普段使いに困るアプリが…

Windowsの「ハイ コントラスト設定」では、画面を黒くするとともに、文字や各種UIがコントラストの高い色に変更される

　先日はWindowsでダークモードを導入する過程で、「ハイ コントラスト設定」という各種UIのコントラストを高める機能を試してみたが、iPhoneにも同じような機能が用意されている。それが、「アクセシビリティ」のメニューに用意された、「反転（スマート）」という機能だ。

　この機能を有効にすると、iPhone上のあらゆる画面で“白地に黒文字”だった表示が、“黒地に白文字”に変更される。これは、ブラウザーで表示しているサイトも同様で、「INTERNET Watch」に掲載されている各記事も、黒地に白文字で表示された。

「設定」アプリから「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」と操作。「反転（スマート）」をオンにすると…

あらゆる画面で、表示がダークモードっぽく変更された

　ただ、画像上の「INTERNET Watch」と書かれた帯を見ても分かるように、この機能を有効にすると、画面上のあらゆるものが色反転して表示されてしまう。例えば、食べログで評価の高いお店を検索しても、表示されるのは「食べたい」とは思えないような写真ばかり。これでは機能を有効にしたまま、iPhoneを使い続けるのは難しい。

　一時は「設定」アプリを「反転（スマート）」の設定メニューが表示された状態で常時起動させておき、必要に応じて設定を戻せばいいかと思ったのだが……、ある程度の時間が経過すると、「設定」アプリの表示がルート画面に戻ってしまった。こうなると、「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」→「反転（スマート）」という操作を、一からやり直さなければならない。さすがに面倒くさいので、このまま「反転（スマート）」機能を使い続けるのは難しそうだ。

「反転（スマート）」を有効にした際の、食べログの画面。こんな写真を見せられても、とても行きたいとは思えない…

5月24日（水）： iPhone上でSafariからFirefoxにブックマークを移行

　iPhoneで利用できるブラウザーアプリをいろいろ調べていたところ、「Firefox」にダークモードと同じような使い方ができる、「ナイトモード」という機能が搭載されていることが分かった。機能はメニューから簡単に切り替えられるし、料理の写真などが色反転することもないので、今後はこのアプリをiPhoneの標準ブラウザーとして使っていきたい。

Firefoxではメニューから「ナイトモード」を有効にすることで、サイトの表示を黒地に白文字に変更できる

　Firefoxを標準ブラウザとして利用するのであれば、これまで使っていた「Safari」からブックマークを移行しておきたいところ。これについては、Microsoft Storeアプリの「iCloud」が利用できる。

　このStoreアプリでは、iTunesなどを介してiCloudにバックアップされたブックマークを、Google ChromeやFirefox、Microsoft Edgeと同期できる。今回はPCにFirefoxをインストールして、さらに専用の拡張機能を追加。同期の操作を行ったところ、iPhoneのSafariから、PCのFirefoxにブックマークを移行できた。あとは、PCとiPhoneのFirefox間で、ブックマークの同期を行えば操作は完了だ。

　筆者の環境ではiPhoneのパスワードを「Bitwarden」というアプリを使って同期しているので、ブックマークさえ同期してしまえば、もう「Safari」に用はない。今後、ブラウジングにはFirefoxを使うことにしよう。

　なお、この操作を行うと、PCのFirefoxに登録していたブックマークが、iCloudにバックアップされ、それがiPhoneのSafariに登録される。iPhoneのSafariに不要なブックマークを登録したくない場合には、PCのFirefox上でブックマークを整理しておきたい。

PC側のFirefoxで「iCloudブックマーク」という拡張機能を追加しておく

PC上でMicrosoft Storeアプリの「iCloud」をインストール。起動したら、iPhoneで使っているApple IDとパスワードを入力して、サインインする

先ほど入力したアカウント情報でサインインしているiOSデバイスに確認コードが届くので、それをPC側の「iCloud」アプリで入力すると、アプリが起動する

PC側のiCloudアプリで「ブックマーク」のチェックを有効にして、「適用」ボタンをクリック。「ブックマークをiCloudに～」のメッセージが表示されたら、「統合」をクリックする

PC側のFirefoxの「ブックマークツールバー」内に、iPhoneのSafariに登録しているブックマークがコピーされた

PC=iPhone間でFirefoxのブックマークを同期するには、iPhone側のFirefoxで、メニュー内にある「同期してデータを保存」をタップ。URLが表示されるので…

iPhoneに表示されたURLを、PC側のFirefoxで入力。ログイン画面が表示されるので、ログインもしくはアカウントを作成する

アカウントを作成する際は、パスワードの入力画面で、同期するデータに「ブックマーク」を指定する

「別の端末のFirefoxを接続する」画面が表示されたら、「端末を同期する」をクリック

「スマートフォンやタブレットのFirefoxと同期」画面が表示されたら、iPhoneに戻って、「スキャンの準備ができました」ボタンをタップ。PCに表示されたQRコードをスキャンすると、ブックマークが同期される

一連の操作でiPhoneのFirefoxアプリに先ほど使用したアカウントでサインインすると、メニュー内の表示が「同期してデータを保存」からアカウント名に変化。このアカウント名をタップすると、PC＝iPhone間で同期するデータを指定できる

5月25日（木）：ダークモードをiPhoneの「コントロールセンター」に登録する

　iPhoneでは画面右上から下方向にフリック操作をすると、「コントロールセンター」が表示される。ここには「フラッシュライト」や「タイマー」といった機能へのショートカットが配置できるが、「ダークモード」のアイコンも登録することが可能だった。ここにショートカットがあれば、何かの用で表示をもとに戻したいときも、簡単に設定を変更できるだろう。

「設定」アプリで「コントロールセンター」をタップ。「コントロールを追加」の一覧から、「ダークモード」の「+」ボタンをタップすると…

コントロールセンターに「ダークモード」のアイコンが追加され、タップすることで機能をオン／オフできるようになった

さらに、「設定」アプリから「壁紙」メニューを開き、壁紙も黒っぽいものに変更しておきたい

　さらに、壁紙が標準のままでは、ダークモードで統一した各画面とのギャップがあるので、暗めの壁紙に変更。これで、iPhoneでも黒をベースとした表示で、各種アプリなどを利用できそうだ。