急遽テレワーク導入!の顛末記
「USB Type-CポートのないノートPCでも、マルチディスプレイ環境にしたい!」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(161)
HDMI端子×1でも、モニターを2台繋げられるか?
2023年10月23日 07:00
ここ最近、オフィスで仕事をする機会が増えている。そこで気になったのがオフィスで長いこと利用してきたデスクトップPC。性能的にはテレワーク開始時に支給されたノートPCの方が優れているので、この機会に交換したいと思う。
……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて158日が過ぎた。
私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で今回はいくつかの方法を用いて、ノートPCにおけるマルチディスプレイ環境を構築してみた。
10月16日(月): テレワーク用のノートPCが会社据え置きマシンに!
オフィスで長年にわたって使ってきたデスクトップPCを、ようやく交換することになった。交換先となるのは、テレワーク開始時に支給されたノートPC。LAN経由でデータの移行も終わったので、後は仕事をするだけ……と思ったのだが、ここで一つ問題が見つかった。それは、映像の出力ポートがHDMI×1しかないことだ。
筆者はオフィスのデスクトップPCにモニターを2台接続していたのだが、できることなら作業環境を変えたくない。このPCにUSB Type-Cポートがあれば、ドッキングステーションや拡張モード対応のHDMIスプリッター、HDMIへの変換ケーブルなどを繋ぐだけで良かったのだが、残念なことにType-Aポートしか用意されていなかった。さて、どうしたものか……。
9月12日(火):LANネットワーク経由でデスクトップを拡張してみた
会社支給のノートPCからHDMIポート以外を使って映像を出力する方法を考えていたのだが、Windows標準の「ワイヤレスプロジェクション」機能が使えそうだ。
これは、PCに接続しているモニターを、ほかのPCのサブディスプレイとして利用するというもの。さっそくデスクトップPCで機能を有効にしたところ、その画面にノートPCのデスクトップを表示することができた。これなら、オフィスの机に2台あるモニターのうち、1台はHDMIケーブル経由で、もう1台はワイヤレスプロジェクション経由で接続することができそうだ。
なお、「ワイヤレスプロジェクション」機能を利用するには、両PCがWi-Fi機能を搭載している必要がある。会社のデスクトップPCにはWi-Fi機能がなかったので、今回は自宅で余っていたWi-Fiアダプターを使うことに。ただ、一度接続してしまえば、Wi-Fiをオフにしていても接続を維持できたので、実際のデータの送信には有線LANも使われているのだろう。会社のWi-Fiは通信速度がいまいちなので、有線LANも使える状態にしておいた方が良さそうだ。
10月18日(水):Fire TV Stickを使うのはどうだろう?
昨日はオフィスで「ワイヤレスプロジェクション」機能を使ってみたが、これを利用してディスプレイを拡張するには、常に2台のPCを起動させておく必要がある。一時的なら良いのだが、常に使うとなるとスマートとは言えなさそうだ。
そこで、今日はデスクトップ画面の拡張に、Fire TV Stickを使ってみた。これは以前にも紹介したが、Fire TV Stickでは「spacedesk」などの専用のアプリを使うことで、接続したモニターをPCのサブディスプレイとして利用できる。
ただ、会社のネットワーク環境が微妙なせいか、自宅で操作したときよりも映像の転送に遅延が出た。これは、「ワイヤレスプロジェクション」機能についても同じだが、マウスの操作がもたつく場合があるので、あくまでサブディスプレイとして使うぐらいが良いかもしれない。
ちなみに、Fire TV StickをWi-Fiに接続するところまでは、付属のリモコンが必要になる。……自宅ではスマホで操作していたので、昨日うっかり忘れてきたのはうかつだった。
10月20日(金):USB Type-A=HDMI変換アダプターを購入してみた
先日から「spacedesk」でモニターの1台にデスクトップ画面を拡張させているのだが、やはり本気で仕事に使うと遅延が気になってしまう。会社のネットワークにも負荷をかけ続けることになるので、ネットワーク経由でデスクトップ画面を投影するのは避けた方が良いかもしれない。
そこで、USB Type-A端子から映像を出力するための、HDMI変換コネクターを購入することにした。大手メーカーの製品はなかなかに高価だが、中には2000円以下のものもあったので、試しにポチッてみることに。今朝からサブモニターに繋いでいるが、今のところ問題なく使えている。ドライバーをインストールして、ケーブルを繋いでおけば、後は勝手に画面が映ってくれるので、これまで紹介した方法のようにPCの起動ごとに接続設定をしないで済むのはありがたい。
ノートPC+サブモニター1台の環境では、画面の高さが合わないのが気になっていたが、これなら従来と同じようなマルチディスプレイ環境を構築できる。ようやくこのノートPCで、気持ちよく仕事ができそうだ。
とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。