急遽テレワーク導入!の顛末記

「テレワーク開始から4年……。周辺機器を格安でリフレッシュしてみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(185)

PCや周辺機器を快適に利用できる“健康寿命”を伸ばしたい

古くなったPCまわりの周辺機器、買い替えを検討するまえに、パーツ交換で使い勝手を改善できないか試してみた

 2020年の緊急事態宣言発令によって、テレワークが始まってから4年が経った。その時に会社から支給されたノートPCやヘッドセット、マウスなどが、そろそろボロくなってきた気がする。

……この記事を書いている時点で、新型コロナが5類に移行されて354日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はテレワークで使っている周辺機器について、寿命を確認したり、消耗部品を交換したりしてみた。

【今回のハイライト】
イヤーパッドがボロボロに……
PCのバッテリー寿命は?
マウスの操作性が復活!

4月22日(月):補助金で買ったヘッドセットが、そろそろ寿命か?

 今日は自宅でテレワーク。今進めている案件でオンラインミーティングがあったのだが、マイクの調子が何だかおかしい。仕方がないので会社支給のヘッドセットを取り出したところ、イヤーパッドがボロボロになっていた。購入してから3年以上が経つが、こういう消耗部品はいよいよ寿命がやってきたのだろう。

 消耗部品といえば、会社のノートPCで使っているマウスも、ソールが剥がれそうになっている。はみ出た接着剤にゴミが溜まり、すり減ったソールの滑りもわるくなっているので、そろそろ交換時期なのかもしれない。

会社支給のヘッドセット。イヤーパッドがボロボロになり、片耳は取れて無くなってしまった
マウスのソールは接着がズレて、はみ出た粘着剤にゴミが付いてしまった

 こうした消耗品は交換用のパーツが市販されている。Amazonで確認したところ、どちらも数百円~千円程度で販売されていたので、さっそく購入することにした。

4月23日(火):ノートPCの消耗パーツの寿命をチェック

 ちょうどいい機会なので、テレワーク用にと会社から支給されたPCについて、消耗パーツの寿命をチェックしてみることにした。

 まずはバッテリーの劣化具合だが、これにはWindowsの電源関係を制御するためのコマンドラインオプション「powercfg」が利用できる。コマンドプロンプトで「powercfg /batteryreport」と入力するとレポートファイルが作成されるので、その「Battery capacity history」欄から“フル充電時の容量”が確認可能だ。

スタートメニューやタスクバーの検索ボックスから「コマンド プロンプト」を起動。「powercfg /batteryreport」と入力すると、表示されたパスに「battery-report.html」というファイルが作成される
先ほど表示された場所を表示すると、「battery-report.html」ファイルが作成されているので、これをブラウザで開く
「Installed batteries」の「FULL CHARGE CAPACITY」で、現在バッテリーが最大で何mWhまで充電できるか確認できる
「Battery capacity history」では、“最大で何mWhまで充電できたか”を過去にさかのぼって確認できる

 実際にレポートを確認したところ、2020年6月の購入時点では「33,092mWh」充電できていたバッテリーが、「23,995mWh」までしか充電できなくなっていた。一般にノートPCのバッテリー寿命は2~3年、初期容量の50%程度まで落ち込んだら交換時と言われているので、そろそろ寿命が近づいているのかもしれない。ただ、最近ではこのノートPC、会社でACアダプターを挿しっぱなしで運用しているので、バッテリーの寿命が厳しくなっても、そこまで問題はないかもしれない。……というか、この運用がバッテリーの寿命を縮めているのかもしれないが。

 ちなみに、最近の充電履歴を確認すると、出社日ごとに充電が行われていた。このノートPCはACアダプターを挿しっぱなしで利用しているので、バッテリーの電力を一切使わず、ACアダプターからの給電だけで稼働してくれれば、バッテリーは劣化しなさそうなものだが……。やはり出力が上がった時などには、ACアダプターからの給電だけでは耐え切れず、バッテリーからも電力が供給されているのだろう。

「CrystalDiskInfo」でSSDの健康状態も確認

 さらに、「CrystalDiskInfo」というフリーソフトを使って、SSDの寿命も確認してみたのだが、こちらは健康状態が「正常99%」と、ほとんど劣化が確認できなかった。このSSDのスペックで保証されている書き込み量は100TBだが、現時点での総書き込み量は「4694GB」なので、まだまだ余裕がありそうだ。

4月24日(水):スマホのバッテリー寿命は大丈夫か?

 昨日調べたノートPCのバッテリーが思いのほか劣化していたので、普段から仕事に、趣味にと活躍しているiPhoneの寿命も気になってきた。オンライン会議ではWebカメラ代わりに活躍してくれているので、これが長時間使えないとなると困ったことになる。

 iPhoneのバッテリー寿命は、「設定」画面の「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」から確認できる。これによると、新製品と比較した場合の「最大容量」が「86%」まで減っているらしい。このiPhoneは2022年11月に購入したものなので、使用期間は1年4カ月。そろそろ、寿命が気になる時期に入ってきたかもしれない。バッテリーのもちが気になったら、また「設定」画面を確認して、「最大容量」の減り具合を確認した方が良さそうだ。

iPhoneのバッテリーの状態は、「設定」画面から確認できる

4月26日(金):ヘッドセットやマウスの消耗部品を交換してみた

 月曜日に手配しておいた、ヘッドセットやマウスの交換用パーツが無事に届いた。どちらもAmazonで販売されていたもので、ヘッドセットの交換用イヤーパッドは2個セットで109円。マウスソールは汎用のもので、6mmの円形のものが40個入って980円だった。これで使い勝手が元に戻るなら、新品を買うよりお得だろう。

ヘッドセットの交換用イヤーパッドは、口径ごとに2~4個を数百円で購入できる
マウスの交換用ソール。人気のゲーミングマウスなどは専用パーツが市販されているが、会社支給のマウスはごく一般的な製品だったので、汎用品を購入することにした

 このうち、マウスソールにはスマホフィルムで良く見るクリーナーシートが付属していたので、元あったソールを剥がした後、付着していた接着剤をキレイにお掃除。購入したソールを貼り付けると、滑りの良さがばっちり復活した。元あったソールが黒色だったので、見た目が変わってしまったが……。まぁ、マウスの裏側を見ることは普段ないので、特に問題はないだろう。

 一方、イヤーパッドの交換は、前に装着していたものを剥がして、新たなものを被せるだけと至って簡単。以前から「ヘッドセットの耳当たりが痛い……」と困っていたので、こんなにお手軽、かつリーズナブルなのだったら、もっと早く交換しておけばよかった。

元あったソールを剥がしたら、クリーナーシートで接着剤をキレイにふき取り……
新しいソールを貼り付け。後ろ側のソールも滑りがわるくなっているので、形が合わないが新しいソールと強引に交換するか、同じ形状のものを購入した方がいいかもしれない
ヘッドセットのイヤーパッドは、新しいものを被せるだけと簡単

 ちなみに、ノートPCのゴム足もかなり擦り切れていたのだが、会社支給のマシンに対応するものは見当たらなかった。ただ、ThinkPadだけ、やたら交換品がAmazonで売っていたので、こういう所でもPCを快適に使える“健康寿命”は変わってくるのかもしれない。

ノートPCのゴム足もかなり擦り切れていた。接着は剥がれていないが、油断できなさそうなコンディションだ

 さらに、PCに繋いでいる電源タップも、これを機会に交換することに。電源タップの寿命は一般に3~5年と言われており、劣化すると火災の原因になるほか、バリスタ(雷サージ)が機能しなくなることもあるらしい。最近では雷を伴うゲリラ豪雨が増えているが、仕事用のPCの安全は厳重に確保しておきたいところだ。

PCに電源を供給している電源タップは、耐用年数が過ぎたら交換しておいた方が良さそうだ

 これで、PCの周辺機器について、目につく消耗品は一通り交換できたと思う。使用感を手軽にアップできるだけでなく、その寿命を延ばすことにもつながるので、これからもメンテナンスを行いながら大切に使っていきたい。

とある中小企業に勤める会社員、飛田氏による体当たりレポート「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」。バックナンバーもぜひお楽しみください。

飛田九十九