みんなの在宅ワーク

第11回:フリーライター 小寺信良の在宅ワークスタイル

在宅ワークで自分らしさを取り戻す

 2019年に故郷である宮崎県に移住して、サラリーマン兼業ライターをやってきましたが、この6月からライター専業に戻りました。こんにちは、フリーライターの小寺信良です。

40インチの大画面で1枚画面を広々使う

 埼玉在住で専業ライターだったころは機材をたくさん持っていましたが、宮崎に転居する際に引っ越しが大変なので、大部分を処分しました。

 兼業ライターだったころは、机も椅子も何もかもリサイクルショップで買った「仮設」状態。本業に戻るにあたって、寝室の一部にお仕事コーナーを設け、徐々に本番機材へと置き換え途中です。ただしあまりコストをかけないよう、なるべく安いものを探しています。

寝室の一部で本業復帰中

 在宅ワークでどうしても譲れないのが、40インチの大画面テレビ。以前は複数のPC用ディスプレイを繋いでマルチ画面で仕事をしていましたが、大型テレビが安くなり、パソコンからもHDMIで4K出力が出るようになったタイミングで、このスタイルに切り換えました。必要な画面が重なることなく、全部1枚画面に出しておけると、資料や写真の見落としがなくなるのでおすすめです。

 部屋の壁はまっ白で殺風景でしたが、早く昔の筆者らしい雰囲気に戻れるよう、妻が帽子をレイアウトしてくれました。昔は「帽子キャラ」だったんですよね。

最小限の労力で80点のクオリティ。リモート会議は「目高」がポイント

 宮崎という遠方に離れていると、記者発表会などのイベントに小まめに出席することが難しくなります。ところがこのコロナ禍のために多くの発表会がZoomベースになったことで、地方にいながら首都圏住まいのライターと同じ情報が手に入るようになりました。リモートでの打ち合わせや飲み会も、どのみち東京に居たって昔のようには会えませんから、条件は同じになりました。

 筆者は映像・音声技術専門のライターなので、カメラやマイクやミキサーは売るほど持っていますが、リモート会議には使いません。筆者がリモート会議のときは、昔購入したロジクールのC920をテレビの上からアームで吊るします。2012年ごろに買った古いウェブカメラですが、会議には十分です。毎回、三脚やマイクスタンド立ててセッティングするとか、めんどくさすぎでしょ。これなら設置は10秒で完了です。最小限の労力で80点のクオリティを考え出せるのも、プロの仕事というものです。

リモート会議時はウェブカメラを上から吊るす

 ポイントは、目線の位置です。人物撮影の基本は「目高」、つまり目の高さにカメラを設置することです。カメラが見下ろすと人物が小物に、カメラがあおりだと人物が尊大に見えます。自然でフラットな位置が、「目高」なのです。

 イヤフォンとマイクは、骨伝導スピーカーのAfterShokz「AIR」を使っています。これは1年間、宮崎と埼玉で離れて暮らしていた妻とチャットするときにずっと使っていたもので、周囲の音も同時に聞こえますし、通話音声も十分なのは確認済みです。

インタビューマイクからガンマイクまであるが、リモート会議では使わず
愛用の骨伝導スピーカーAfterShokz「AIR」

小寺信良の在宅ワーク環境

  • メインPC:Apple MacBook Pro(2016)、Apple Mac mini(2014)
  • ディスプレイ:1画面
  • キーボード:Kinesis Advantage2
  • マウス/トラックボール/トラックパッド:Apple Magic Trackpad
  • カメラ:Logicool C920
  • マイク/ヘッドフォン/スピーカー:AfterShokz AIR
  • ビデオ会議サービス:Zoom
  • 机:ニトリ デスクセット(トリプロ 119 DBR)
  • 椅子:エルゴヒューマン ベーシック ロングタイプ エラストメリックメッシュ
  • その他小物:Amazon Music HD

小寺 信良

1963年、宮崎県出身。18年間テレビ番組制作者を務めたのち、文筆家として独立。専門分野はコンシューマー映像機器、放送機器、映像技術、放送文化、エネルギー問題、子どもとIT、PTAなど。インターネットにまつわる諸問題の解決に取り組む「一般社団法人インターネットユーザー協会」代表理事。2015年より文化庁文化審議会著作権分科会専門委員。2019年より故郷の宮崎県へ移住。