イベントレポート
CEATEC 2025
多言語でスムーズな会場誘導! AIで複数言語を同時通訳し、エリアを区切って音声を届けるスピーカーをNICTが展示
2025年10月17日 06:15
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、10月14日~17日に幕張メッセで開催されているCEATEC 2025において「多言語同時通訳とマルチスポット再生技術」を展示している。同技術は、CEATEC AWARD 2025において「イノベーション部門賞」を受賞している。
この展示は、AIを活用して高速で同時通訳を行う「多言語同時通訳技術」と、円形に配置した複数のスピーカーでエリア別に異なる音を届ける「音声マルチスポット再生技術」が組み合わせられたもの。
多言語同時通訳技術は、AIを活用し、話者の発言からチャンクと呼ばれる意味的なまとまりを見つけて翻訳し、その結果を音声合成することで、高速な同時通訳を実現する技術。デモンストレーションでは、展示内容を英語で解説したものを日本語、韓国語、中国語に同時通訳していた。
音声マルチスポット再生技術は、複数のスピーカーを円形に配置し、それぞれで再生する音を相互に干渉させることで音声の再生エリアを分けている。例えば、日本語の音声のエリアに向けられたスピーカーの場合は、そのエリアに向けて韓国語や中国語の音声を打ち消す音波も再生することで、エリア分けを実現している。
これらの技術を組み合わせることで、エリアごとに特定言語の同時通訳のみを届けることが可能になる。
今後の社会実装イメージとしては、会場の経路案内や非常時の避難誘導、博物館や美術館などの言語別ガイダンスなどを想定しているという。
NICTのブースでは、このほかにも「Beyond 5G」「AI」「量子情報通信」「サイバーセキュリティ」や、オープンイノベーションなどに関する展示が行われている。