イベントレポート
CEATEC 2025
「CEATEC 2025」14日から開催! 注目のコンファレンスや限定フードなど完全攻略【CEATECの歩き方】
今年は学生向けに特別マップや研究発表などの展示も
2025年10月10日 06:30
CEATEC 2025が、千葉県千葉市の幕張メッセで、2025年10月14日~17日までの4日間にわたって開催される。
今年は、ホール1~ホール6までを使用し、過去3番目の多さとなる810社/団体が出展。最新テクノロジーが一堂に展示されることになる。
本誌では、CEATEC 2025を、より効率的に、効果的に回るためのヒントとして、「CEATEC 2025の歩き方」を紹介する。
無料の事前登録が必要だが、現地カウンターで当日登録・発券することも可能
CEATEC 2025は入場は無料だ。しかし、全来場者の登録入場制となっているので、事前登録をしておく必要がある。登録は、CEATEC 2025の公式サイトから行える。
登録にはJESAアカウントが必要となる。2017年以降、CEATECやInter BEEに参加したことがある人は、すでにJESAアカウントを持っているはずなので、それを利用すればいい。CEATECに初めて来場する人は、新規に登録する必要がある。
事前登録をした人は、プリントアウトした入場証を持参し、これを会場入口に用意されているネックストラップホルダーに入れて、首からぶら下げれば、すぐに入場が可能だ。
もちろん、事前登録をしていなくても入場可能だ。幕張メッセに向かう途中でスマートフォンから登録を済ませれば、会場のコンコース上にある入場発券カウンターでスマートフォンの登録完了画面を提示するだけで、入場証が発行できる。また、会場入口のレジストレーションカウンターには、当日登録のためのPCが設置されている。
入場証を持っていれば、会期中は何度でも入場可能となっている。
もし、登録や入場について不明なことがあれば、現地ではレジストレーションサポートのブースがあるので、そこで確認してほしい。午前9時30分から対応してくれる。
今年度はプレミアムタイムがなく、一般来場者も午前10時から入場できる
CEATEC 2025が開催される幕張メッセに来場する際に、JR京葉線の海浜幕張駅を利用する場合には、ちょっと気をつけて欲しいことがある。実は、同駅には、2025年3月から、新たな改札口として「公園改札」ができている。蘇我駅方向に設置された出口なのだが、幕張メッセに行くにはちょっと遠回りになる改札だ。従来通り「中央改札」から行く方が便利である。
これまでのCEATECでは、招待者などに入場を限定したプレミアムタイムや、報道関係者向けの先行公開の時間があったが、今回はない。そのため、開催初日の開幕時間である午前10時から、最終日の閉幕時間である午後5時まで、一般来場者はいつでも入場できるようになった。毎日、開催時間は午前10時から午後5時までだ。
ただし、これまでのCEATECの開催実績から見ると、最終日にかけて、来場者が増加する傾向がある。展示内容が報道されて関心が高まったり、金曜日に会場から直帰したりする来場者が多いからだ。コンファレンスなどの時間に縛られないようであれば、会期の早いタイミングでの来場をおすすめしたい。また、午前中の方が空いており、午後が混みやすい傾向にある。午前10時のオープン前には並ぶ人もいるが、広い会場に入ってしまえばそれほど混雑は感じないので、早めの時間帯がおすすめだ。
気になるコンファレンスは事前の聴講予約がおすすめ
CEATEC 2025では、ピッチイベントなども含め、222本のコンファレンス・セミナーを用意している。CEATEC公式サイトのCONFERENCE & EVENTのページでは、日程やキーワード、スピーカーからコンファレンスを探せるほか、「次世代を応援する」「未来をつくる」「社会課題を解決する」といったテーマからも探すこともできる。
参加したいコンファレンスがあった場合には、事前に聴講予約しておくことをおすすめする。予約は、CONFERENCE & EVENTの「全セッションリスト」のページで行うことができる。聴講予約したコンファレンスは、プリントアウトした入場証の裏に表記されることになる。また、当日、席に余裕があれば、事前予約がなくても聴講できたり、会場の特設ステージでは立ち見で参加できたりする。
なお、コンファレンスの聴講予約には、CEATEC 2025の来場事前登録を先にしておかなくてはならない。
ちなみに、10月31日までは、18本のオンラインセッションが公開されており、いつでも視聴できる。ただ、リアル会場で行われるコンファレンスのオンライン配信やアーカイブ配信は行われない。注目のセッションは会場で参加してほしい。
オードリー・タン氏も! 注目のセッションが多数開催
開催初日の10月14日には、オープニングセッションとして、「AI」「サステナビリティ」「地方創生2.0」、「オール光ネットワーク」など、最新トレンドに関するセッションを用意。「AIエージェント産業革命と日本のポテンシャル」では、アニメ「攻殻機動隊」に関わっているサラマンダーの櫻井大樹CEOも参加する予定だ。また、「サステナブルな社会の実現に向けて」と題したパネルディスカッションでは、本田技研工業の三部敏宏社長、三菱電機の漆間啓社長 CEOなどが登壇する。
いずれも幕張メッセコンベンションホールBで開催し、約500人の聴講が可能だ。今年は、サテライト会場は用意されないということなので、これらのコンファレンスに参加したい場合には、事前聴講予約をしてほしい。
また、産総研が10月16日に、展示ホール6 Eステージで開催する「量子技術の産業化に向けた産総研G-QuATの戦略」では、台湾のデジタル担当大臣を務めたオードリー・タン氏が登場するなど、隠れた注目セッションもあるので注意が必要だ。これらも「全セッションリスト」から事前予約できる。
なお、コンファレンスでは、一部セッションを除いて、AIリアルタイム翻訳字幕サービスを提供している。米Wordlyとの協力によって実現しており、スマートフォンでQRコードを読み込むと、50カ国以上の字幕と音声での聴講が可能になる。利用する場合にはイヤホンなどを持参してほしい。
目的ブースまではデジタルマップを活用、紙媒体は「週刊電波新聞」特別版に
CEATEC 2025の会場に着いたら、目的のブースがどこにあるのかを確認したい。
ホール5の会場入口付近には、大きな会場案内図が掲示されているので、これを利用するのがいいだろう。
また、CEATEC 2025では、ウェブのデジタルマップをスマートフォンなどから見ることができるため、これも活用したい。デジタルマップは、下のリンクから閲覧可能だ。
CEATECでは、2020年以降、紙の会場マップを廃止しているが、どうしても紙のマップがほしいという場合には、会場で配布される「週刊電波新聞」(10月13日号)を入手すると、そのなかにマップが入っている。電波新聞は9月30日付で、日刊紙の発行を終了し、10月から、タブロイド判の週刊媒体へと変更した。会場で配布されるものもタブロイド判となっている。
なお、これまで会期中に毎日発行され、日々の開催状況をレポートしていた「CEATEC Show Daily」は今年は配布されない。
ちなみに、CEATECの公式サイトでは、出展各社の展示内容を紹介しているので、これも事前にチェックしておくのがいいだろう。INTERNET Watchでも、開催期間中は、毎日、展示ブースやコンファレンスの情報を報道する予定なので、これも参考にしてほしい。
事務作業や商談もできる、ワーキングラウンジ・テレワークブースを使いこなす
CEATEC 2025の会場は、全6ホールと広い。途中に、休憩を挟みながらまわりたいところだ。また、どうしても途中に事務仕事をしなくてはならないという場合もあるだろう。
展示会場内には、4カ所の休憩所が用意されているほか、8カ所にオープンスペースとなるワーキングラウンジを設置しており、それらを利用できる。また、28個のワーキングブースが設置されている。ここも予約はできないが、Wi-Fiと電源を用意している。
そのほか、幕張メッセ内には、テレキューブ(ホール8前)およびチャットボックス(中央エントランス)によるテレワークブースも設置されているので、これを利用するのもひとつの手だ。こちらは有料で、利用時間は、8時30分〜18時30分となっている。
また、会場内には、特別招待者ラウンジが2カ所、グローバルラウンジが1カ所用意されており、関係者は、これらを商談や休憩に利用できる。
なお、幕張メッセ内には無料Wi-Fiエリアのほか、モバイルバッテリースタンド、マルチコピー機などが設置されている。詳しくは、幕張メッセの公式サイトで確認してほしい。
ホール1とホール6のラウンジには、厳選した各国のスペシャルティコーヒーを提供するエリアが用意されている。価格は1杯600円から。1杯ずつ丁寧に、淹れたてのスペシャルティコーヒーを提供してくれるため、時間に余裕を持って訪れたい。
限定300食の「フィッシュヘッドカレー」でフードロスを考える
昨年のCEATEC 2024では、4台のキッチンカーが会場内に設置され、来場者や出展者のお腹を満たしてくれたが、今年はキッチンカーの設置は行われない。
ただ、パートナーズ&グローバルパークの「海洋デジタル社会パビリオン」では、長崎でとれた魚のアラを有効活用する「フィッシュヘッドカレー」を提供する。通常は廃棄されていたり、あまり食べる印象がなかったりする部位を使ったカレーで、フードロスを考える機会につなげるという。1日300食の限定販売で、1200円で提供する。
学生歓迎ブースが一目瞭然、「半導体産業人生ゲーム」などで未来を体験
CEATEC 2025の映えスポットとして、中央エントランスにCEATECのロゴが設置される。
昨年同様、ファブリック素材を使用したロゴを用意しており、その下にカーペットを敷き、CEATECがさまざまな産業の企業や団体が共創する様子をイメージしているという。来場したら、ここでの記念撮影がおすすめだ。
一方、学生向けには、新たな試みが行われる。
それが、学生向けマップの提供だ。
CEATEC運営事務局では、開催前に全ての出展者に対してアンケートを実施。学生がブースを訪れた際に、質問などに積極的に対応してくれる出展者をマップ上に表示している。約60社が、学生のブース訪問を歓迎しており、学生は、それが記されたマップを見て、それらのブースを優先的に訪問すればいい。
学生向けマップは、10月11日以降、以下からダウンロードできる。
また、JEITA半導体部会では、タカラトミーとの連携で、等身大サイズの「半導体産業人生ゲーム」を展示している。学生の来場者は、半導体企業で働いた場合に起こる、さまざまな出来事を体験しながらゴールを目指す。さらに今年は、大型の「黒ひげ危機一発」も展示しており、参加すると、ブースに出展している半導体企業を紹介した特製カードがもらえる。
「認証パス」を使用した「来場者特別サービス」とは?
CEATEC 2025では、来場者特別サービスを実施している。
来場者全員を対象に、幕張メッセ周辺の飲食店をはじめとした各施設でのお得なサービスを提供するものだ。施設ごとにサービス内容は異なるが、飲食代や購入商品の5~10%割引、サービス料50%割引、ドリンク1杯サービス、各種プレゼントなどが用意されている。
開催期間中に、来場者特別サービスのサイトでQRコードをスキャンすると、「認証パス」および認証店舗リストと各特典内容が掲載されたサイトにアクセスできる。スマートフォンなどの「認証パス」画面か、印刷した紙を認証店舗へ提示すればいい。特別サービス実施店舗やサービスの内容も同サイトで確認できる。
また、YCAT(横浜シティ・エア・ターミナル)行きや、東京駅八重洲口前行きのバスも用意されており、会場内を歩きすぎて、ゆっくり座って帰りたいという人にはおすすめだ。
CEATEC 2025は、会場が広いので、歩きやすい靴など、快適な服装での来場がおすすめだ。有意義なCEATEC体験をしてほしい。