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自宅LANを10GbE&Wi-Fi 6化すればメリット大! 機能充実のハイエンドルーターで試す
Wi-Fi 6ルーターの決定版! 4万円台で10Gポート×2も搭載のASUS「RT-AX89X」
2021年5月28日 12:40
Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応ルーターが普及価格帯となり、10GbEのネットワーク製品も手の届くところまできた。
そこで、「ネットワークを高速化した際のメリット」を、人気記事のダイジェストでお送りしよう。
例として挙げるのは、3月に掲載したASUSのハイエンドWi-Fi 6ルーター「RT-AX89X」のレビューだ。
Wi-Fi 6でも、WANが1Gbpsでは宝の持ち腐れ 10GbE×2にメッシュ対応と、機能満載すぎる1台
10GbEに対応するWAN/LAN兼用とSFP+の2ポートを備え、10GbEに対応するネット回線とNASなどを同時に利用できる高機能ルーターASUSの「RT-AX89X」だ。
さらに、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)とメッシュWi-Fiという、無線でホットな2つの技術にも対応し、フルスペックを詰め込んだ製品でもある。
Wi-Fi 6に対応、5GHz帯で最大4804Mbpsの通信速度を実現
RT-AX89Xの機能・性能においてポイントとなるのは、5GHz帯で最大4804Mbps(8ストリーム)の通信速度を実現するWi-Fi 6に対応していること。2.4GHz帯は最大1148Mbps(4ストリーム)であり、合わせて約6Gbpsもの通信帯域を持つことになる。もちろん、Wi-Fi 5以前の従来規格にも対応するので、古いデバイスから最新のデバイスまで、幅広く利用できる。
10GbE対応のWAN/LANとSFP+の2ポートを装備
何といっても最大10Gbpsを実現する10GBASE-TのWAN/LAN兼用ポートと、もう1つLAN用に使える10Gbpsのポート(SFP+)を備えているのが大きい。10GBASE-TのWANポートによって、5Gbpsや10Gbpsのインターネット回線のポテンシャルを引き出せる上に、SFP+を使えば同時にLAN側に10Gbpsの機器1台も接続できる。
8基の1GbE LANポートはLAGで最大2Gbpsにできる
1GbEのLANポートは8基用意され、そのうち2基(LAN1とLAN2のみ)はLAG(Link Aggregation)にも対応する。これも既存環境の改善を図るにはありがたい機能だ。例えばルーターを10GbEにしたからといって、周辺のネットワーク機器までをいきなり一気に10GbEに置き換えるのは難しかったりもする。しかし、LAGを利用すれば、2本の1GbEを束ねて最大2Gbpsにできる。既存の機器がLAGに対応していれば、すぐに高速化できるわけだ。
ASUS独自のメッシュWi-Fi機能「AiMesh」
ASUS独自のメッシュWi-Fi機能「AiMesh」に対応する点にも注目したい。AiMesh対応ルーターであれば、異なる製品間でメッシュWi-Fiを構築し、Wi-Fiのカバー範囲を拡大できる。広い家に転居するなどして不満を感じるようになったとき、ルーターをもう1台追加してカバー範囲を広げられるメッシュWi-Fiは、高速通信がウリのWi-Fi 6環境において、よりいっそう重要な機能になるだろう。
ファイル共有やバックアップに使えるUSBポートも装備
インターフェースとしては、ほかにUSBポートが2基あり、外付けのHDDやSSDを接続することで、簡易的なNASのように扱うことができる。家族やオフィスのチームメンバーとファイル共有するためのファイルサーバーとして利用するのもいいし、macOSのTime Machine機能にも対応しているため、バックアップ環境を簡単に整えたいときにも便利だ。
大きめの筐体と周囲に広がる8本のアンテナで置き場所に困る?
8本のアンテナが外周にそびえ立ち、まるでクモのようなインパクトあるRT-AX89Xの外観。機能・性能が充実しているとしても、海外メーカーの製品ということもあって「大きすぎて日本の住宅事情にマッチしないのでは」と不安に思う人もいるかもしれない。
実際のところはどうなのか。筆者の自宅のルーター置き場にしているところに設置してみた様子が、左の写真だ。
セットアップはウィザードで簡単! ビジネス用途なら「AiProtection」にも注目
セットアップの手順は難しくはない。ざっと説明すると、最初にプロバイダーや通信会社から支給されているモデムまたはゲートウェイの電源を念のため入れ直し、そこからRT-AX89XのWANポートにケーブルをつないで、起動したらWi-Fi接続し、「router.asus.com」にアクセスし初期設定を行なう。あとは画面の指示に従って操作すれば設定完了だ。
2階+ロフトの木造戸建住宅でどれだけWi-Fiが改善するのか?
さて、Wi-Fi 6と10GbEに対応したRT-AX89Xを導入することで、ネットワークのパフォーマンスはどれだけアップするだろうか。ベンチマークテストで確かめてみよう。
3台のメッシュWi-Fiと比較して電波強度は一長一短
そんなわけで、このメッシュ3台体制の環境から1台のRT-AX89Xに置き換える。10GBASE-Tで接続することで5Gbpsのインターネット回線をフル活用できるようにし、LAN側ではWi-Fi 6と10GBASE-Tポートを増設する2つのPC用PCIe拡張カードを用意して、1Gbpsを超える通信速度も計測可能にした。
通信速度はほとんどの場所で従来以上 電波の通りが良くないテレビ裏までカバー
では、通信速度はどうだろうか。電波強度を計測した箇所でLAN内のデータ転送速度をチェックしてみる。使用したツールはiPerf3。Wi-Fi 5およびWi-Fi 6対応のスマホをクライアントとして、10GbEで有線接続したPCをサーバーとして稼働させ、クライアントサーバー間の通信速度を計測した。
ネットの速度はリビングで2.5倍、仕事部屋は3倍に向上!
ここまではLAN内の測定値だが、インターネット回線の速度は10GbE(5Gbps)で接続することで向上するだろうか。最も電波状況の良かったリビングと、一番重要な1階の仕事部屋の両方で計測してみた。
NASへのファイル転送も高速化、時間が半分になる場合も
もう1つ、LAN内での計測に戻ってしまうが、ルーターに接続したNAS(8TB HDD×4)におけるデータ転送速度も見てみよう。このNASは1GbEもしくはLAGによる2Gbpsでの接続に対応している製品だ。
「動画6本見ながら」でも余裕の余力、実効速度の低下は5%
最後に、同時通信による速度の違いも確認しておこう。Wi-Fi 6では、「OFDMA(直交周波数分割多元接続)」や、拡張された「MU-MIMO」など、いくつかの新しい技術を採用しており、単なる高速化だけでなく複数のデバイスが同時接続したときの安定性の高さも特徴となっている。
高速回線ユーザーなら必携の1台。Wi-Fi 6デバイスの進化による伸びしろにも期待できる
Wi-Fi 6対応かつ10Gbpsポートを2つ搭載し、メッシュWi-Fiにも対応して、家庭だけでなくオフィス用途にも耐える機能・性能をもつRT-AX89Xの魅力は大きい。Wi-Fiだけが高速化されるWi-Fi 6ルーターとは異なり、5Gbpsや10Gbpsのインターネット回線をもしっかり生かせるし、高速回線ユーザーにとっては待望と言える決定版の1台と言えそうだ。