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NEC、IoTプラットフォーム「plusbenlly」ベータ版を公開、異なるウェブサービスやIoT製品を連携
2017年7月20日 06:00
NECパーソナルコンピュータ株式会社とキュレーションズ株式会社は、異なるウェブサービスやIoT製品を連携できる事業者向けのIoTプラットフォーム「plusbenlly」のベータ版を無料公開した。正式版は2017年中の提供開始を予定している。
plusbenllyは、クラウド上のバックエンドサービス(BaaS)。Android/iOS用のSDKが用意されており、plusbenllyがサポートするIoT機器やネットサービスを組み合わせて連携できる。また、サーバー間での機器同士の連携をとるための「plusbenlly API」の提供も予定している。なお、ベータ版は商用利用不可で、サービス作成可能数は5件まで。各サービスごとのユーザー数は100人までに限られる。
大和リビングマネジメント株式会社と東京電力パワーグリッド株式会社(東京電力PG)では、plusbenllyを使った実証実験を8月より実施することをすでに発表している。東京電力PGが収集した電力データと、plusbenllyに取り込まれる温度・湿度のデータを分析し、家電製品の効率的な制御や、賃貸住宅における生活快適性の向上を目指すという。
連携可能なデバイスやサービスは35種類
現時点で52社の企業・団体がパートナーとして参画。plusbenllyに接続できるデバイスやサービスは、IoT照明の「Philips Hue」や活動量計「Fibit」、LINEやFacebookなど25社35種類が用意されており、今後も拡大する予定。「複雑な機器間の接続やデータの交換はplusbenllyにあらかじめ設定されているため、簡単にIoT機器とインターネットサービスの連携ができる」としている。
パートナー企業の1つであるオムロン株式会社の竹林一氏は、同社のデバイスで収集したセンシングデータが多目的に利用され、新たなサービスが生まれることに期待する。
また、食材宅配サービスを手掛けるオイシックスドット大地株式会社の奥谷孝司氏は、各社のIoTデバイスが取得する行動・購買データが可視化されることで、「顧客満足の向上や体験価値の強化に繋がるのではないか」との考えを示した。
異なる企業のデバイスやデータを連携させて新たなサービスを展開
IoTビジネスを創出する上で、デバイスメーカーはエンドユーザーの獲得が重要になり、サービス提供者は新たなユーザー体験の創出が必要になる。また、テクノロジー開発企業は最先端技術の利用促進が課題となってくる。plusbenllyはそういった問題を、各業界の企業・団体を繋ぐことで解決する狙いがある。
NECパーソナルコンピュータがIoTプラットフォームを手掛けた理由について、同社代表取締役執行役員社長の留目真伸氏は、垂直型のビジネスでは新しい需要が出にくいことを挙げた。
「他社との連携によって新たなものを生み出す環境が必要だと思った。plusbenllyで新たなデータの使われ方が生まれ、そこから新たなサービス、ビジネス、ユーザー体験が生まれる流れを作っていきたい」と述べた。