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iOSのSafariで利用可能な広告ブロックアプリ「あどしらず」、Dayzが提供

 Dayz株式会社は、ウェブブラウザー「Safari」で利用可能な広告ブロック機能を提供するiOSアプリ「あどしらず」を22日より提供する。価格は240円。

 あどしらずは、iOS 9で追加された「コンテンツブロッカー」機能を利用するための公式APIを用いて開発されている。Dayzが収集した広告情報に基づく定義ファイルのリストを利用し、ウェブサイトに表示されるバナー広告、テキスト広告、動画広告などをブロックする機能を提供する。Dayz株式会社代表取締役の玉城朝氏は、「スクロールしても追随するバナーや、上に重なるように表示されていた広告などが、表示されなくなる」という。

「あどしらず」の画面
画面中央のスイッチを「ON」にしておく

 あどしらずで広告ブロック機能を利用するには、アプリをインストールして機能を有効にした上で、iOSの設定画面から「Safari」-「コンテンツブロッカー」を表示し、「あどしらず」を有効化する必要がある。

設定の「Safari」にある「コンテンツブロッカー」を選ぶ
あどしらずをインストールしている環境では、項目が追加されているので有効にする
画面を覆うように広告が表示されているウェブサイト
あどしらずを有効にすると、広告が非表示になる

 定義ファイルは人手で独自に収集したリストに基づいており、2週間ごとに更新されるという。定義ファイルの更新は、画面左下のボタンから手動でのみ更新可能となる。今後は、「できるだけユーザーからデータを収集して(定義ファイルを)作っていきたい」とした。アプリには問い合わせ用のボタンがあり、そこからURLを送れば、解析して定義ファイルに反映するという。

 なお、現在は提供されていないが、定義ファイルの構成によっては、SNSボタンや、YouTubeなどの動画プレーヤーを非表示にすることも可能だという。ただし、アプリでは定義ファイルのカスタマイズなどは行えない。

Dayz株式会社代表取締役の玉城朝氏

 玉城氏は「こうした広告ブロック機能を事業会社が堂々と出すのは国内ではあまりないケース」とし、「今後1年間で100万ダウンロードを目標とする」と述べた。

 開発のきっかけは、Dayzが2015年よりWindows/Mac向けに提供しているウェブブラウザー「Kinza」だ。オープンソースの「Chronium」をベースに、「パワーユーザー向けにカスタマイズした」ものとなる。DayzがKinzaのユーザーと、サードパーティー製のブラウザーを使用していないユーザーに対して行ったヒアリング調査によれば、「ブラウザーに対して広告が占める割合に問題を感じていたり、広告の誤タッチ対策など、広告に対するソリューションへのニーズが高かった」のだという。

 それまでのPC向けに加えて、スマートフォン向けの事業展開を考えていた同社では、この結果を受け、「ユーザー数の多いSafariに対する機能提供を行うことにした」という。

Dayzによるヒアリング調査では「広告に対するソリューションへのニーズが高かった」

 玉城氏は「スマートフォンの小さい画面では、画面に広告の占める割合は大きい」とし、「広告が過激になる傾向があり、コンテンツとして成立していないものも多数ある。ブラウザーを使う上で邪魔だし、広告として受け取ってもらえなくなっている」との見方を示した。

 あどしらずにより、狭いスマートフォンのブラウザー画面を占める大きな広告がなくなり視認性を向上。さらに「広告の誤タッチなどがなくなり、使い勝手も向上する」としている。そして、「広告はコンテンツブロッカーの技術の制限内においてブロックできるもの。じゃまな広告を非表示にするだけで、広告すべてを非表示にするわけではない。意図しない広告を表示しないことで誤った操作を軽減し、動画広告などを削除して、データ量を軽減できる」と述べた。

 さらに、広告ブロック機能の提供について、「メディア、広告主、ユーザーの3社の関係をよくすることができるきっかけになってほしい」とした。同社では、Kinzaにおいてユーザーのフィードバックに基づいた機能追加を行うなど、もともとユーザー寄りのプロダクトを開発している。

 玉城氏は「この広告ブロック機能の提供で(同社への)信頼が棄損される可能性もある」としたが、「さまざまな怪しいウェブサイトで、例えばナショナルクライアントの広告が表示されてしまうのは、印象を悪くする可能性がある」とした一方、「広告主が配信できる適切なウェブサイトへのトラフィックは増やさなければならないと考えている」と語った。

 「グレーゾーンがあってのネットなのも事実だが、納得してもらえる広告を配信する必要がある。個人サイトもメディアだし、企業サイトもメディアだが、メディアが納得できるかたちにソフトをチューニングしていきたい」と述べた。

 そして、子どもの利用などにおいても、不適切なサイトへの流入も防げる点を挙げ、「フィルタリングソフトと近い発想で、見せたくないサイトへのリンクに誘導しないことができるできると考えている」とし、今後、広告ブロック機能の利用を啓もうするための児童や保護者向けのワークショップなども開催するという。

 なお、同様の広告ブロック機能のPC向けの展開については、「Safariに関しては直近に出せる可能性がある」としたほか、「ChromeやEdgeなどのブラウザーごとに、こうしたアドオンを作っていくには工数がかかる。シェアの大きいところから今後ロードマップに加えたい」と語った。Android向けの提供については、「アドブロック機能単体のアプリはGoogle Playでは提供できないため、アドブロック付きのウェブブラウザーとして出すことも考えている」とした。