ニュース
「freee スマート受発注」無料で提供開始、発注作業や請求書回収をクラウドで効率化
2020年12月2日 15:29
freee株式会社は2日、受発注管理サービス「freee スマート受発注」をリリースした。これまで受注書や請求書などの書類ベースで行われていた受発注のフローを、オンラインで一元化するサービスだ。freeeのクラウドERPを構成する一連のサービスとの組み合わせのほか、APIによる外部アプリケーションとの組み合わせにも対応している。サービス使用料は、発注側も受注側も無料。また、12月末までは、サイバーリスク保険が無償で付帯する。
書類のキャッチボールが何往復も……という受発注フローをクラウドで効率化
同日オンライン開催された記者発表会において、同社プロダクトマネージャーの岡田悠氏は、企業が個人と取引する場合を例に、従来の受発注フローの課題として、「煩雑なやりとり」「抜け漏れ」「ブラックボックス化」の3つを挙げた。
従来は、書類のキャッチボールが何往復も行われ、しかも紙だったりパスワード付きZIPファイルだったりして、煩雑となっていた。そうした複雑なフローを本業の片手間でやっていると、発注書忘れや請求書忘れといった抜け漏れが発生し、その結果として支払いがなされないといったことにもなる。さらに、そうした様子を経理や経営者などから把握できない。
そこで、発注者と受注者がクウラウド上で同じデータを共有するというのがfreee スマート受発注のコンセプトだ。書類を作るのを効率化するだけでなく、情報共有・合意プロセス全体を効率化するという。
送信と承認を繰り返すことで受発注が完了、抜け・漏れを防ぐ自動化機能も
岡田氏は、サービスの特徴として、シンプルなUIで送信と承認を繰り返すことで受発注が完了するというシンプルなフローを挙げた。スマートフォンでも使える。また、発注したときに請求や支払いなどを予約して抜け漏れを防ぐ自動化機能も備える。
次の特徴は、取引の履歴が全て残ることだ。送信と承認を繰り返し、チャットのようなタイムラインにやりとりの履歴が全て残る。書類は取引の結果として自動で作成される。
なお、大企業など既存のシステムが整備されている相手の場合に、自分の受発注はfreee スマート受発注で管理しつつ、相手には通常のフローでやりとりする「セルフ利用」機能もある。
3つめの特徴は、受発注の内容を一覧で見える化し、リアルタイムで確認できるようにして、ブラックボックス化を防ぐことだ。そして、「会計freee」へのワンクリック連携や、自動化機能による自動処理も備える。さらに、パブリックAPIにより、チャットやプロジェクト管理ツール、自前の会計ツールなど外部アプリケーションともつながる。
フリーランスの受発注管理業務にかかる時間、3分の1に削減された事例も
freee スマート受発注は、約3700社を対象にベータテストを1年間行ってきた。参加した事業者の事例として、フリーランスの受発注管理業務にかかる時間を3分の1したという株式会社グローバル・カルテットの声や、必要なやりとりをサービス内で完結できるという株式会社ヤマップの声が紹介された。
また、記者発表会にゲストスピーカーとして登場した一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事の平田麻莉氏は、「フリーランス白書2020」での調査結果を紹介。フリーランスの契約は口頭やメール、SNSで受発注がなされ、それが支払い遅延や、一方的な契約内容の変更などのトラブルの温床になっているとして、一元管理の必要性を語った。