ニュース

「アダルトサイト閲覧中のあなたを撮影した」と脅迫、ビットコインを要求する不審メールに関する相談が再び増加

不審メールが「同じような状況に引っかからないで」とわざわざ忠告

 「アダルトサイトを閲覧しているあなたの姿の映像をばらまく」と脅し、仮想通貨を振り込むよう脅迫する“セクストーション(性的脅迫)”メールに関する相談が多く寄せられているとして、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が注意を呼び掛けている。

 この手口に関する相談をIPAが初めて受けたのは2018年3月ごろ。2019年9月末時点で累計相談数は約1300件に上り、同年9月だけでも76件の相談が寄せられた。

 また、IPA情報セキュリティ安心相談窓口のTwitter公式アカウント(@IPA_anshin)のツイートによると、2021年3月29日時点で約50件の相談が寄せられるなど、目立ってきているという。

 セクストーション関連の脅迫メールには複数のパターンがあり、「あなたが閲覧しているウェブサイトにマルウェアを仕込み、メールやSNSにある連絡先を収集した」「家族や同僚に映像をばらまかれたくなければ、指定時間以内に仮想通貨で金銭を支払え」などといった内容がこれまで確認されている。

 2021年3月に確認されたメール文面も同様の脅迫文になっており、メール開封から48時間以内に16万円相当のビットコインを送金するよう要求してくる。本文の最後に「将来的にも同じような状況に引っかからないで下さいね!僕からの警告は、頻繁にパスワードを変更し続けることです!」(原文ママ)などといった忠告のメッセージが書かれているのも特徴だ。

 差出人がメール受信者のメールアドレスに詐称されているケースも確認されているが、こうした不審なメールを受信した場合は無視して、支払いには応じないようIPAでは呼び掛けている。

 なお、支払いに応じなかったことで映像がばらまかれたなどの事例は1件も確認されていないという。

脅迫メールの例(2021年3月)