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オンラインイベント参加者・主催者を支援する「Eight ONAIR」、Sansanが提供開始

名刺アプリ「Eight」のネットワークをもとにイベント探しや集客が手軽に

 Sansan株式会社は、ビジネスイベントメディア「Eight ONAIR」の提供を、17日から開始した。利用料金は無料。利用するには名刺アプリ「Eight」への登録が必要。また、アプリは最新バージョンへのアップデートが必要になる。

 名刺アプリ「Eight」のネットワークを活用することで、コロナ禍で増加しているオンラインイベントから最適なイベントを見つけたり、参加したりできるほか、主催者は、効果的な集客などが行えるといったメリットがある。

 記者会見において、Sansan取締役でEight事業部長の塩見賢治氏は、「Eight ONAIRは、人とイベントの出会いを後押しする新たなプラットフォーム。ビジネスの隙間時間にオンラインイベントを視聴できるビジネスイベントメディアであり、ビジネスにおける新たなアイデアを気軽に発見できるサービスになる。280万人を超えるEightのユーザーが、それぞれの情報をシェアすることで、イベント参加者、主催者、登壇者がつながりながら、イベント情報を拡散する、これまでにないサービスになる」と位置づけた。

会見の様子
Sansan取締役Eight事業部長の塩見賢治氏

「貴重なイベントとの出会いを逃さない」機能を多数搭載

 Eight ONAIRでは、リアルタイムで参加可能な開催中のイベントや、今後開催が予定されているイベントの情報を掲載しているのが特徴だ。同社は、2020年10月にイベントテック市場への本格参入を発表。その際に、Eight ONAIRの製品化にも言及していたこともあり、提供開始前からすでに400件以上のイベント掲載の申し込みがあるという。「ユーザーは提供開始時点から、多種多様なイベント情報を、一括して見ることができる」とのこと。

PCブラウザー版での開催中のイベント表示画面
スマホアプリ版での開催中のイベント表示画面

 イベントに参加するユーザーは、これまでのように、イベント主催者やイベント参加企業が個別に用意している告知サイトなどを探すのではなく、Eight ONAIRに一括表示される開催中、開催予定のイベント告知を見るだけで探す手間が省け、さらに参加申し込みまで可能になる。

PCブラウザー版のイベント登録画面
スマホアプリ版のイベント登録画面
イベント詳細画面(以下、画面写真はスマホアプリ版)

 Sansan執行役員でCPO兼プロダクト戦略開発室長の大津裕史氏は、Eight ONAIRを利用したイベントの参加方法について、次のように説明した。「正確にいえば、参加申し込みは不要であり、ボタンを押すだけでダイレクトにイベントページにアクセスすることもできる。調査では、54.6%の人が参加したいイベントへの申し込みを忘れたことがあると回答している。Eight ONAIRでは事前申し込みが不要で、すぐに参加できる。また、事前登録したイベントは開始10分前にプッシュ通知される。貴重なイベントとの出会いを逃さないための機能を提供している」。

Sansan執行役員CPO兼プロダクト戦略開発室長の大津裕史氏
イベント 主催者 、登壇者、参加予定者の一覧画面
開催前のイベント表示画面

 Eight ONAIRは、主催者とオンライン名刺交換をするだけで、氏名や会社名などを登録フォームに入力する手間がなくなる点も特徴だ。

 また、イベントへの参加を検討する際には、主催者からの情報だけでなく、Eightでつながっている知人の参加状況を確認し、そこから自身の関心に沿ったイベントを見つけやすいというメリットもある。「Eightでつながっている人が、イベントに登壇することを知って、参加を決めるということも増えるだろう」と見込んでいる。

イベント参加時のオンライン名刺 交換 画面
イベント視聴画面

イベント主催者の集客や開催後のフォローを支援する機能も

 一方、イベントを主催するユーザーは、Eightのニュースフィードを利用して、利用者にイベント情報をシェアできる。また、主催者だけの情報提供だけでなく、登壇者予定者や参加予定者がイベントに参加することを表明することで、Eightのつながりを通じた開催情報の拡散が可能になる。

 Eight ONAIRへのイベント情報の登録は簡単で、開催日時、開催告知ページのURL、イベント視聴用ページのURLの3つだけを入力するだけで完了する。

 また、オンライン名刺交換をベースにした参加申し込みでは、主催者にとっても正しい情報での登録が行われるメリットがある。これにより、イベント開催後のフォローを効果的に実施できるという。

 同社では、2021年夏ごろを目標に、アーカイブ機能の実装を予定。今後も継続的に機能強化を図っていくそうだ。

イベント情報編集画面。主催者ユーザーのみ表示
Eight フィードへのシェア時の画面

オンラインイベントの課題を解決し、イベントテック事業とのシナジーを期待

 コロナ禍において、オンラインイベントが増加しており、同社の調査によると、今後のイベントは「オンラインが主流」と回答した人は53.0%に達し、「オンラインとリアルの併用が主流」と回答した人の39.2%とあわせると、92.2%の人がオンラインイベントへとシフトすると考えている。

 だが、63.6%の人がオンラインイベントを探すのが面倒だと回答し、事前に期待していたイベント内容と違っていたことがあるとの回答は74.2%に達している。

 Eight事業部長の塩見賢治氏は、「Eight ONAIRによって、ユーザーが持つオンラインイベントに対する課題を解決できる。また、ビジネスイベントを探すためにEightの利用が増えれば、主催者にとっても情報提供の機会を増やすことにつながる。良いサイクルが生まれれば、より強固なビジネスネットワークを実現でき、さらなる成長を遂げられる。さらに、Sansanが提供するイベントテック事業とのシナジーも期待できる。ユーザーが真に求めるビジネスイベントとの出会いを後押する一方、当社のEight事業とイベントテック事業の拡大につなげることができる」とした。

「Eight」は基本機能無料のビジネスコミュニケーションツール

 「Eight」は、2012年に提供開始されたビジネスコミュニケーションツールで、現在、280万人以上が利用。名刺を起点とした国内最大のビジネスネットワークと位置づけられている。名刺を正確にデータ化して、スマートフォンアプリで管理。登録したユーザー間で情報発信ができる「フィード」や、チャットのようにコミュニケーションが行える「メッセージ」、相手に経歴やスキルを伝えることができる「プロフィール」といった機能を搭載している。

 基本機能だけであれば、個人が無料で利用できるが、名刺データのダウンロードなどの機能を追加した個人向けの有料プラン「Eightプレミアム」や、企業向けには、社内での名刺共有を可能にする「Eight企業向けプレミアム」などを用意し、現在は、2000社以上が利用。「オンラインでの名刺交換の機能だけでなく、オンライン会議の際には、名刺が読み取れるQRコードをバーチャル背景に表示できるようにし、リモートワークが広がるなかでも、ビジネスネットワークが構築できるように支援している。企業のDXの入口としても活用されている」(Sansan 取締役 Eight事業部長の塩見賢治氏)とした。