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テレワークに最低限必要なシステムは何か――中堅・中小企業におすすめの製品一覧、日本テレワーク協会がPDFで無償公開
2021年6月15日 14:53
一般社団法人日本テレワーク協会は、「中堅・中小企業におすすめのテレワーク製品一覧」の第4.0版を公開した。「中堅・中小企業がテレワークを実現するために最低限必要なシステムは何か、について費用が安く、簡単に運用できる具体的な製品を、テレワーク推進担当者に対して提示することを目的としている」という。同協会のウェブサイトからPDFファイルを無償でダウンロードできる。
製品一覧ではまず、「テレワークに必要な最低限の環境」が挙げられている。在宅ワークの場合、光回線など高速通信が可能な方が望ましいとしている。インターネットに接続するPCだが、持ち歩くならシンクライアント、個人が所有し業務でも利用するBYOD、サテライトオフィスなどに設置されている貸PC(共有PC)――の3種類に分けられている。
モバイルネットワークは、スマートフォンが挙げられているが、画面の大きさにより使えるアプリが限定される。しかし、チャットやウェブ会議、リモートデスクトップで利用することもあるという。タブレットは、スマートフォンよりも画面が大きいため、資料の作成や業務用のアプリも簡単な処理なら可能だ。
ソフトウェア環境は、「コミュニケーションツールと管理ツール」として電話とメール、スケジュール管理は必要最低限の機能で、必要に応じてチャット、ウェブ会議、勤怠管理、在籍管理の機能があると便利だ。
社内のネットワークからの接続に限定された業務用のソフトウェアは、社外のPCから社内のPCにリモートデスクトップで接続する、業務用ソフトウェアをクラウド化する、外部のPCで業務アプリを実行する――という3つの方法がある。ただ、外部のPCで業務アプリを実行する場合は、業務ファイルも持ち出す必要があるので、セキュリティ上のリスクがある。
このような環境で行うテレワークは、「会社の中の、厳重に管理され、安全・安心な環境から外に出て、いわば危険な環境の中で仕事をするわけで、リスクを伴う場合がある」としている。
「テレワークによって発生するリスク」としては、情報を外部に持ち出す「持出リスク」と、社内ネットワークと社外を接続することによる「接続リスク」がある。この接続リスクとは、社内と社外を接続することで、ウイルスの感染、攻撃、トロイの木馬などの脅威が社外から社内に広がるというものだ。これらは、シンクライアントやセキュアブラウザーを用いることで軽減できる。
ネットワークは、閉域網接続が一番安全だが、クラウド経由の接続など特定の通信に限定する方法がある。さらに、社外に持ち出したPCはウイルスなどに感染した可能性があるため、安易に社内ネットワークに接続しないという対処も必要だ。
ただ、「セキュリティと使い勝手は、相反する」として、社外で扱うファイルは秘密情報を含まないものとして、セキュリティを緩くするというのも1つの考えだ。
これらを踏まえた上で、「安全なテレワーク環境実現方式」では、サービスが紹介されている。
「安全なテレワーク環境」では、リモートデスクトップと安全にファイルを持ち出すサービスが紹介されている。
「テレビ会議システム」では、Zoom、Microsoft Teams、Google Meet、Cisco Webexなど9つのサービスを比較。それぞれのサービスについて「1会議室あたりの最大接続数」「価格」「所要導入工程」「特徴」が記してあるため、利用人数や予算を条件に比較できる。また、紹介されている9つのサービスは、いずれも無料の試用期間が設けられている。
「勤怠管理」は、労働時間の記録だけではなく、テレワークを行っている従業員が使っているPCの画面を不定期にキャプチャーする、PCのログを可視化する、働き過ぎを防止する――といった機能を持つ製品もある。
「在席管理システム(プレゼンス管理システム)」は、「テレワークを実施する中で、必要性を感じた段階で導入を検討すればよい」としている。