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世界44カ国・16億IDの「人流データ」活用、インバウンド向けに「位置情報広告」配信~クロスロケーションズ

 クロスロケーションズ株式会社は10月12日、外国人旅行者向けに位置情報に連動した広告を配信するサービスと、訪日外国人の国内人流分析サービスを提供開始した。

 これらのサービスは、クロスロケーションズの資本・業務提携パートナーである米Near Intelligenceが蓄積・更新している位置情報ビッグデータをもとにしたグローバル規模の人流データを活用したもの。クロスロケーションズが提供する人流分析に基づいた広告配信サービス「Location Marketing Service(LMS)」の一環として提供する。

 クロスロケーションズはコロナ禍の前から外国人旅行者への広告配信サービスを提供していたが、コロナ禍による国内インバウンド市場の縮小にともなって一時的に提供を停止していた。コロナ禍が収束の兆しを見せるとともに、最近の円安傾向により日本国内において旅行者の増加が予測される中、新たに訪日外国人に向けたスマートフォン広告配信メニューを強化することにした。

 Nearが保有する人流データは、世界44カ国の7000万以上の場所において合計16億のスマートフォンから発信されたユーザー許諾済みの位置情報データを分析したもの。この人流データを活用することにより、日本国内において海外に推定居住地を持つスマートフォン端末が位置情報を発信してきた場合に、日本国内の居住者とは区別して、その広告IDの端末にインストールされたアプリの広告枠に集客・物販・観光など外国人旅行者向けの広告配信を行える。

 また、広告配信後に、広告を見た旅行者が店舗やエリア付近へ実際に来訪したかどうかを計測することも可能で、広告の費用対効果を適切に評価できる。配信できる広告フォーマットとしては、通常のバナー広告以外に動画広告の配信も可能。配信対象となる旅行者の居住国は、アメリカ、イギリスなど欧米諸国や、インドネシア、シンガポール、サウジアラビアなどアジア・中東諸国、オーストラリア、ニュージーランドなど計44カ国。

 このほか、広告配信と並行して、Nearの位置情報ビッグデータ分析により外国人旅行者を推定居住国別に判別し、日本国内での外国人人流データとして、国内POI(分析対象地点・エリア)別、国籍別の人流の増減変化、外国人の来訪行動などのレポートとデータも発売する。観光地における外国人旅行者の増加率や、アジア系と欧州系の分布、コロナ前との比較など、従来は分析と視覚化が困難だった外国人旅行者の日本での動向を把握するデータとして活用できる。