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シャープ、“創業111周年”を記念し、技術展示イベント「SHARP Tech-Day」を11月10日〜12日に開催

 シャープ株式会社は、同社の創業111周年を記念した技術展示イベント「SHARP Tech-Day」を、2023年11月10日〜12日の3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催する。入場は無料で、参加登録は後述する特設ウェブサイトから行える。

 SHARP Tech-Dayのテーマは、「Be a Game Changer-Game-changing technologies transforming our future-」。技術による変革とともに、中長期的な成長を目指すシャープの姿を示す内容になるという。会場を4つのゾーンにわけて、同社の最新技術などを一堂に展示。メインステージでは、第一人者による講演やトークセッションなどを予定している。

 9月15日にSHARP Tech-Day特設ウェブサイトを開設。今後、イベントに関する情報が順次追加される予定だ。

AI、ロボティクス、XR、6G、グリーン、宇宙産業の6本柱

 シャープが、単独で大規模な技術展示会を開催するのは、1912年9月の創業以来、初めてのことだ。

 同社の呉柏勲(ご・はくくん)社長兼CEOは、2023年4月に開催した創業111周年記念イベントにおいて、SHARP Tech-Dayを開催することを発表。「SHARP Tech-Dayは、技術ブランドとしてのシャープを、世界的に認知度を高めることができるように、新たなイノベーションを披露するマイルストーンになる」と位置づけ、「AI、ロボティクス、XR、6G、グリーン、宇宙産業が、シャープのビジネスの成功に欠かせない6つのゲームチェンジャーテクノロジーになる。さまざまな分野において、シャープならではのイノベーションを実現し、人や社会に寄り添い、常に新たな価値を提供し続け、『強いブランド企業“SHARP”』の確立を目指す」と語っていた。

 発表されたイベントの概要のなかで、同社長は、シャープの「技術」を強調している。「シャープは、1912年の創業以来、『誠意と創意』の経営信条のもと、数々の世界初、日本初の製品を産み出してきた。その大きな原動力になったのが技術である。これからも、シャープが誇る革新技術を進化させ、Game Changeを巻き起こすことで、当社の成長を実現するとともに、世の中の発展に寄与していきたいと考えている。あらゆる方々に未来に向けたシャープの技術の可能性を実感してもらえるイベントにしたい」。

 液晶パネル技術の先進性で知られるシャープだが、会話ができる家電の実現に向けては、10年前から音声認識技術を商用化。昨今の生成AIブームの前から、AIによる対話を実現し、ロボホンの製品化も行っている。また、5Gの保有知財では日本ではトップ2であり、それをもとに6Gの研究開発を推進中だ。

 さらに、Wi-Fiに接続している同社の家電は100万台に達しているという実績もある。また、清浄メカニズムであるプラズマクラスターイオンを搭載した空気清浄機や、水のチカラで食材の旨味や甘みを引き出し、健康効果が期待できるウォーターオーブン「ヘルシオ」など、独自技術を搭載した製品も多い。

会場イメージ

 SHARP Tech-Dayは、111周年にあわせて、当初は、11月11日に開催するとしていたが、同日が土曜日であるため、ビジネスパーソンが来場しやすい金曜日と、学生やファミリー層などが来場しやすい日曜日にも開催し、3日間の会期とした。

さまざまな人が楽しめる4つの体験型展示ゾーン

「Smart Living」「Smart Industry」「Smart Cities」「Sustainability」を体験できる4つのゾーン

 展示会場には、「The Future of Smart Living」(家庭)、「The Future of Smart Industry」(産業)、「The Future of Smart Cities」(都市)、「The Future of Sustainability」(地球環境)を体験できる4つの主要ゾーンを設置。それぞれ、テクノロジーパートナー企業とも連携し、革新につながる製品やサービス群を体感できるようにするという。

 The Future of Smart Livingのゾーンでは、「Less is More」をテーマに、AIの活用事例のほか、Extended RealityやCross Realityといった現実世界と仮想世界の融合によって、新たな体験を創造するXR技術により、家庭内のさまざまな悩みを減らし、暮らしをより豊かに、快適にする技術を体験できるという。

 The Future of Smart Industryゾーンのテーマは、「Better Efficiency」とし、ロボットを活用したデジタル変革を指すRX(Robotics Transformation)により、多様な働き方を賢く支援し、より迅速で、効率的な産業を実現する方策を提案する。

 The Future of Smart Citiesゾーンは、「Better Safety」をテーマとしている。AIによる運転制御や災害発生時に役立つ技術など、生活に安心と安全をもたらす技術が体験できる。

 4つめのThe Future of Sustainabilityゾーンは、テーマに「Greener Energy」を掲げ、未来の再生エネルギーの創出や、電力効率の向上で環境問題を解決する技術を展示する。

 すでに出展が予定されているものとして、屋内光発電デバイス「LC-LH」がある。これは、色素増感太陽電池と、液晶ディスプレイ技術を融合した光発電デバイスだ。電卓などで利用されている一般的な屋内用太陽電池に比べて、約2倍の発電効率を持ち、各種デバイスと組み合わせることで、電源線による配線や、電池の交換作業および廃棄を無くすことができるため、人と環境に配慮した製品の創出に貢献できるという。

 2022年10月に開催された「CEATEC 2022」や2023年1月に開催された「CES 2023」のシャープブースにも展示されており、SHARP Tech-Dayでは、LC-LHを用いたプロトタイプを展示するという。

CEATEC 2022のシャープブースにも展示されたLC-LH。屋内光だけでディスプレイへの表示、書き換えができる

 また、ステージエリアでは、超大型ディスプレイを備えたメインステージを設置。第一人者による講演やトークセッション、スペシャルライブなどのプログラムを予定しているという。今後、詳細を発表する。

 ほかにも、コミュニケーションスペースとして、さまざまなコミュニケーションが行える場所を用意するという。スタートアップ企業や就活生との交流の場としても活用できるようにする予定だ。

 SHARP Tech-Dayは、東京ビッグサイトの東8ホールを使用。11月10日の開催時間は午後1時から午後6時まで、11日および12日が午前10時から午後6時までの開催となっている。