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note、AI学習に協力したクリエイターに対価を還元する「AI学習対価制度」の実証実験を開始

 note株式会社は、同社が運営するコンテンツプラットフォーム「note」において、AI学習に参加したクリエイターに対価を還元する「AI学習対価制度」の実証実験を開始する。申し込み期間は3月6日まで。4月中にAmazonギフトカードで還元される予定。

 noteではこれまで、2023年に記事構成などを提案するAIアシスタント機能をリリースした一方、2025年2月13日には作品を生成AIが学習データとして収集しないようクリエーターが意思表示できる機能を追加している。

 本実証実験にあたり、生成AIは仕事や創作活動の助けになる一方で、AI学習に対する意向表明や許諾、対価還元などの仕組みが十分に整っていないと同社は指摘する。実証実験では、参加申し込みをしたクリエイターの作品をAIが学習に利用した場合に、クリエイターに適切な対価を得られる新たなエコシステムの構築を目指すとしている。

 実証実験では、参加を希望したクリエイターのコンテンツを収集し、AI事業者の学習候補とする。具体的な用途および学習の範囲は、品質向上のための強化学習、主に思考力や言い回し、会話品質の向上であり、特定作品や作家の模倣、コピーを目的にしたわけではないとしている。そして、一定の基準に基づいて対価を決定し、参加したクリエイターに還元するとしている。

 学習の対象となるのはテキストコンテンツのみで、有料記事やメンバーシップ限定記事も対象となる。写真やイラストなどの画像、動画、音声、ファイルなどテキスト以外は対象外。

 参加を希望するユーザーは、専用フォームから申し込む。還元は4月中に、登録したメールアドレス宛てにAmazonギフトカードで行われる予定(内容によっては収益が発生しない場合もある)。

 「AI事業者」の具体像としては、複数の出版社やコンテンツホルダー・Big Techと協議中としているほか、興味のある事業者の募集も行っている。