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防犯カメラ映像をAI解析し、トラブルの“未然防止”につなげる「MIMAMORI AI」提供。アジラとNTT東日本

 株式会社アジラ、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ(NDV)の3社の業務提携により、NTT東日本は、クラウド上のAIが防犯カメラの映像を解析し、異常を自動検知するサービス「ギガらくカメラ 映像解析オプション MIMAMORI AI」を3月31日から提供する。

 NTT東日本が2016年4月より提供しているクラウド型防犯カメラ「ギガらくカメラ」の追加機能として提供され、同サービスを連携することで、従来の映像記録に加えて、リアルタイムの映像解析による不審・異常行動の検知が行えるようになる。

 映像解析技術は、アジラが開発し、NTT東日本にライセンス提供するもので、アジラではオンプレミス型AI警備システム「AI Security asilla」の提供も行っている。これまで、アジラとNTT東日本は両社の技術とサービスの連携を進めており、NDVはアジラへの出資を行って今回の提携を支援した。

比較的安価かつ簡単に設置でき、事件や事故を未然に防止

 同サービスの最大の特徴は、迷惑行為や事故といったトラブルにつながる異常を検知し、未然に防止することも可能にすること。映像から人の動きのポイントとなる関節点を特定し、体の姿勢や動きを解析する「骨格推定方式」により、転倒・歩行・ジャンプといった詳細な動作を認識できる行動認識AIを用いて、不審な行動や異常な行動を認識し、警備員などに即時通報する。

 3社は、従来の防犯カメラの役割は、事件や事故の「抑制」または事件や事故の発生後にデータを見返す「録画」が中心だったが、人手不足や体感治安の悪化といた事情から、事件・事故の未然防止のニーズが高まっているとしている。

 また、ギガらくカメラを導入してMIMAMORI AIを連携するだけ、とオンプレミスのエッジAIソリューションと比べて簡単に導入でき、月額1.5万円程度から利用できることも特徴だとしている。

 加えて、映像解析により人や物の状況をリアルタイムで把握できることに加え、来場人数や来場者の属性といった施設利用状況の計測サービスも提供予定で、防犯・セキュリティのほかマーケティングユースも可能になる予定だとしている。

 利用シーンとしては、エスカレーターの事故の未然防止や早期発見、無人営業のコインランドリーにおける迷惑行為などの検知、といったものが挙げられている。

 利用料金(ギガらくカメラの料金は別)は、喧嘩・暴力/転倒/侵入/違和感/エスカレーター違和感/ふらつき/滞留検知/飛び降り予兆のAI検知が可能なスタンダードプランが、1カメラあたり1万4850円。追加機能として、自転車/スケボー/白杖/車椅子/放置物の検知のほか、人数カウントや混雑状況の把握が可能な「セキュリティ強化機能」が1カメラあたり1980円。マーケティング機能も別途提供の予定。

 このほかに初期費用として、初期設定工事費が拠点グループあたり1万6500円、初期設定工事費として1カメラあたり1650円発生する。