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『新幹線大爆破』が大賞に決定。『じゃあつく』が理事長賞に~第31回AMDアワード
新人賞はHANA、功労賞に落合陽一氏
2026年3月26日 10:25
一般社団法人デジタルメディア協会(Association of Media Digital:AMD)は3月25日、「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'25/第31回AMDアワード」の授賞式を東京都内で開催した。
AMDアワードは、デジタルコンテンツの質的向上と人材育成の促進を目的として、最新のコンテンツの中から優秀な作品やサービスを選定し、制作者を表彰するアワード。2025年1月1日~12月31日に発売・発表されたデジタルコンテンツおよびサービスを対象とした年間コンテンツ賞(優秀賞)として「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」「映画『国宝』」「映画『8番出口』」「都市伝説解体センター」「Nintendo Switch 2」「Moflin」など10作品のほか、審査員特別賞の「Tamagotchi Paradise」、功労賞の落合陽一氏、江並直美賞(新人賞)のHANA、リージョナル賞の「石見神楽メタバース化プロジェクト」がすでに2月27日に発表されている。今回の授賞式では、優秀賞の中から「総務大臣賞」と「AMD理事長賞」が発表された。
JR東日本と一緒に罰当たりなタイトルを……『新幹線大爆破』の樋口真嗣監督
大賞/総務大臣賞に選ばれたのは「Netflix 映画『新幹線大爆破』」。1975年の作品を現代的映像技術により再構築した作品で、JR東日本が全面協力して新幹線の安全・安定運行を支える安全思想を可視化した。Netflixで国内3週連続1位、世界80カ国トップ10入りを達成し、日本の技術力と運行管理ノウハウを世界に発信したことが評価された。
授賞式には、樋口真嗣監督が登壇。「ありがとうございます。非常にうれしいです。けっこう時間はかかったのですが、それでもすばらしいスタッフ、すばらしいキャスト、そして何よりも通常だったら今まで絶対に協力というかたちが得られなかったJR東日本のプロフェッショナルの皆さんと一緒にこのような罰当たりなタイトルを作らせていただいて本当に感謝しております」と感謝の言葉を述べた。
また、新幹線の総合指令所長の笠置雄一役を演じた斎藤工氏も登壇し、「映画の現場や映像の現場は多くが表と裏、目立つ職業の方と人知れず縁の下の力持ちとして作品を支える方のそれぞれがあって完成すると思います。そんな見えないヒーローの存在、その層の厚さが日本人の、日本の強さだと心から思っています。我々の日常を人知れず支えてくださる縁の下の力持ち、すべてのそういった方々にこの賞をささげたいと思います」と語った。
AMD理事長賞に選ばれたのは、「TBS火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』」(TBSスパークル)。前時代的な価値観を持つ主人公が料理を通じて自己変革を迫られる物語で、SNSでは共感や反論を含む多数の感想が投稿された。配信の再生回数も放送期間を通じて高水準を維持し、第7話では無料配信再生数522万回というTBS全番組の歴代最高記録を更新したほか、全話平均再生数でも全局歴代ドラマで2位を記録した。放送終了後もアーカイブ視聴が伸び続け、フロー型のテレビ放送とストック型のデジタル配信を高度に連携させてコンテンツLTV(顧客生涯価値)を最大化した成功例として評価された。
授賞式には、TBSスパークルの杉田彩佳プロデューサーと丸山いづみプロデューサー、TBSテレビの伊東祥宏監督が登壇。伊東監督は、「このドラマは非常に多くの方にありがたいことに愛していただきまして、その中で印象的だったのは、あまり普段はテレビドラマを見ないという方からも多く感想をいただけたことで、それはきっとTVerなどの配信プラットフォームを通じてテレビドラマが世の中に広がっていったのだなということを感じ取ることができました。テレビドラマにとっては大きな可能性を感じることができました」と語った。
「ダイバーシティが日本のコンテンツ産業の大きな強み」審査員長・夏野剛氏
授賞式では、大賞/総務大臣賞およびAMD理事長賞の発表に先立って、優秀賞・功労賞などの授賞式も行われた。
「Jiffcy」(株式会社Jiffcy)は、電話のライブ感とチャットの気楽さを両立させたテキスト通話アプリで、入力中の文字がリアルタイムに伝わる独自UIによりZ世代のSNS疲れを解消し支持された。2025年は月間利用者数が前年比15倍に急増し、世界150カ国以上へ広がったということで、日本発のスタートアップがコミュニケーションの新たな可能性を世界に示した点が評価された。
授賞式には、Jiffcy代表取締役の西村成城氏が登壇。「Jiffcyは声を出さずに電話するというものなのですが、これは私自身が欲しいと思って作ったサービスで、コロナ禍で仲の良い人と話したいときに会えないし、電話だと家族が家にいるときに電話しづらいということで、そんな中でコミュニケーションの可能性を感じて作ったものです。私が欲しいと思って作ったサービスが世界中の人に使われて、今後はインフラにしていこうと思っているので、応援していただけるとうれしいです」と語った。
「もしもし、ブルータス。 with Google Gemini」(Google/株式会社マガジンハウス)は、雑誌を「読む」だけでなく「対話」できる体験としたコンテンツ。ノスタルジックな電話の演出でAIを使いながらブランド人格を体現している点が面白く、体験者が表紙になれる画像生成企画も話題拡散に貢献した。マガジンハウスの創業80周年を記念するイベントの企画として雑誌の新たな体験価値をつくったとして評価された。
授賞式には、Googleの福江麻衣氏、マガジンハウスの田島朗氏、Firstthingの鈴木健太氏が登壇。福江氏は、「このプロジェクトを通じて、「BRUTUS」の45年間積み上げてきた膨大ですばらしいカルチャーの記録をGeminiが読み解いて言葉を交わせる、そのように進化させることができました。これはAIだからこそ実現できた新しい情報との出会い方だと思います。複雑な情報をシンプルで親しみやすい体験にするというのは、Googleのあらゆる情報を整理して世界中の人がアクセスできるようにするというミッションを体現したような体験となりました」と語った。
このほか、功労賞は、メディアアーティストの落合陽一氏が受賞。筑波大学准教授や東京大学准教授ほか多数の大学で客員教授を務め、2025年大阪・関西万博ではテーマ事業プロデューサーとしても話題となるなど、デジタルと現実の両世界を分け隔てなく扱う「デジタルネイチャー」世界を提唱し、長年にわたって芸術・研究両面から多彩な発表を続ける活動が評価された。授賞式に登壇した落合氏は、「これからも、より面白く、見たときに『何だこれは!』と思うようなものを作り続けていきたいと思っています。このたびは栄えある賞をいただきありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。
AMDアワード審査員長の夏野剛氏は総評として、「今回の優秀作品やそのほかの賞も含めて、ものすごく大きな多様性をこの日本は持っているのだなと皆さん感じていただけたかと思います。このダイバーシティが日本のコンテンツ産業の大きな強みだと実感しました。今、政府も含めてコンテンツ産業の促進・拡大を大きく取り上げていただいており、2033年までにコンテンツ産業の海外売上高を20兆円にするという目標で、20兆円になると自動車産業を超えて日本で一番大きな輸出産業となるわけです。そのためには解決しなければいけない問題もたくさんありますけど、このような賞をたくさん作ることで多様なコンテンツにスポットライトが当たり、それがどんどん世界に出て行くという好循環を作っていきたいと思います」と締めくくった。
| 作品名 | 制作・関連会社等 |
| ▼大賞/総務大臣賞 | |
| Netflix映画『新幹線大爆破』 | |
| ▼AMD理事長賞 | |
| TBS火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』 | TBSスパークル |
| ▼優秀賞 | |
| 機動戦士Gundam GQuuuuuuX | Studio khara/バンダイナムコフィルムワークス SUNRISE Studios |
| 映画『国宝』 | 映画「国宝」製作委員会 |
| Jiffcy | 株式会社Jiffcy |
| 都市伝説解体センター | 墓場文庫/集英社ゲームズ |
| Nintendo Switch 2 | 任天堂株式会社 |
| 映画『8番出口』 | 映画「8番出口」 製作委員会 |
| もしもし、ブルータス。 with Google Gemini | Google/株式会社マガジンハウス |
| Moflin | カシオ計算機株式会社 |
| ▼審査員特別賞 | |
| Tamagotchi Paradise | 株式会社バンダイ |
| ▼功労賞 | |
| 落合陽一氏 | |
| ▼江並直美賞(新人賞) | |
| HANA | |
| ▼リージョナル賞 | |
| 石見神楽メタバース化プロジェクト | 江津市/株式会社大丸松坂屋百貨店 |







