INTERNET Watch 30周年

【1997年のINTERNET Watch】Google誕生前のインターネットで国産検索サービス「goo」が人気に

1997年の出来事

 1997年(平成9年)4月に消費税が5%になり、11月には山一證券が自主廃業を発表し、北海道拓殖銀行が経営破綻。1990年代初頭に起きたバブル崩壊の影響が広がり、景気が悪化する中で、インターネットとIT業界は盛り上がっていく。

 総務省の「平成11年版 通信白書」によれば、1997年のインターネット利用人口は1155万人で、世帯普及率は約6.4%とされている。

 この年の新語・流行語大賞は「失楽園」。「たまごっち」や「マイブーム」「もののけ(姫)」などがトップテンに入っている。世間を騒がせた事件としては、神戸児童連続殺傷事件が2月に発生。海外では7月に香港が中国に返還され、8月にはフランスでダイアナ英国元皇太子妃が死亡する事故があった。

2026年2月に30周年を迎えたINTERNET Watchは、1996年2月に有料メールマガジンとして創刊し、1997年1月にウェブサイトを開設した。ここでは2026年の視点から1997年の記事を10本取り上げ、当時を振り返る。

1. 日本語検索サービス「goo」が登場

NTTアドが日本語検索エンジンサービス「goo」を3月27日より開始

 検索サービスといえば「Google」が代名詞とも言える存在になっているが、1997年にはまだ登場していない。1996年までには「ODIN」「AltaVista」などが存在していたが、この年新たに登場した「goo」は、国産の高性能な日本語検索エンジンとしてまたたく間に人気を獲得、この年に編集部が選んだ10大ニュースでも1位となっている。

 なお、2025年11月にgooはサービスを終了した。

NTTアドが日本語検索エンジンサービス「goo」を3月27日より開始」掲載の、サービス開始当時のgooのスクリーンショット

2. 米司法省、Microsoftを反トラスト法違反で提訴

米司法省がMicrosoftを反トラスト法違反で提訴 違反を続ければ1日100万ドルの罰金

 Netscape対Microsoftによる「ブラウザー戦争」と呼ばれたウェブブラウザーのシェア争いもあった中、MicrosoftがWindows 95に「Internet Explorer」をバンドルしたことが反トラスト法違反であるとして、米司法省が同社を提訴した。この訴訟は、2001年の和解、2011年の訴訟終結まで続く。

3. DNSのルートサーバーが日本に

DNSのルートサーバーが日本にも置かれる

 ドメイン名とIPアドレスを対応させ、ウェブサイトなどへのアクセスのために欠かせないDNS。その大元である「ルートサーバー」の1つ、アルファベットで13番目のMルートサーバーが日本に置かれることになった。現在もルートサーバーはA~Mの13個であり、日本のMルートサーバーはWIDEプロジェクトとJPRSが共同管理している。

4. ヤフーが株式公開で高値

ヤフー株式会社が株式店頭公開 初値は募集価格の2.85倍の200万円

 1996年1月にソフトバンクと米Yahooとの合弁で設立し、同年4月から「Yahoo! JAPAN」の提供を開始していたヤフー株式会社が、この年の11月に株式を店頭公開。募集価格の70万円を大きく上回る200万円の初値が付いた。

 同社は2019年に持株会社体制に移行してZホールディングス株式会社となり、事業会社は2023年よりLINEヤフー株式会社となった。

5. インターネット電話をNTTが社内実験

NTTがインターネット電話を社内で実験

 今ではごく当たり前のサービスであるインターネット電話(IP電話)の実験を、国内・国外を対象にNTTが開始したというニュース。「今のところは事業化の予定はないが、将来の技術に向けてノウハウを蓄積するため」とのコメントが紹介されている。

 この後、INTERNET Watch誌上では、1999年の「CiscoWave+Networkers'99」のレポートで、「VoIP」(Voice Over IP)のキーワードが初めて登場する。

6. インターネット時代に合わせた「個人情報保護ガイドライン」改定

通産省が「個人情報保護ガイドライン」を改定

 通商産業省(現:経済産業省)が、民間企業等が取り扱う個人情報の適切な保護のための規定「個人情報保護ガイドライン」を改定。国内外での個人情報侵害事例や保護強化の動向のほか、「インターネットなどの開放型ネットワーク利用者の加速的増加など、個人情報保護を巡る状況の変化」も踏まえたものとされる。「個人情報」の定義が明確化され、個人情報の収集に関する措置などが詳細に規定された。

 この後、2003年に「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)が交付され、2005年に施行される。

7. 「ビットキャッシュ」設立、電子決済への取り組み

アプリックスがKDDらと新会社「ビットキャッシュ」を設立 少額決済用のプリペイドカードを販売

 インターネットの普及初期は、電子マネーや電子決済、電子商取引といったサービスの立ち上げ期でもあった。ビットキャッシュ設立のニュースは、そういった動向を報じたニュースの1つ。同社は現在でもサービスを続けている。

 「インターネット白書1997」では、ECサイトなどの当時の動向として「サイバービジネスの現状」を紹介しており、クレジットカードの利用が少ないこと、暗号化技術が普及していないことから、銀行決済やプリペイドカード方式など、ほかの方式の確立も待たれるとしている。

8. NetscapeがInternet Explorer対抗キャンペーン

米Netscape社が「Internet Explorer」削除キャンペーン開始

 ブラウザー戦争当事者の一方であるNetscapeは、1997年にはウェブブラウザー「Netscape Navigator」にメールクライアントなどの機能を加えた「Netscape Communicator 4」を公開。年末に実施したキャンペーンで、Internet Explorerを削除してNetscape NavigatorをOSのデフォルトブラウザーに設定する方法などを解説した。なお、このキャンペーンは米国で行われたもので、当時のニュースでは、日本語での展開は未定とされている。

9. 「2003年までにすべての学校をインターネットに接続」方針

文部大臣が2003年までにすべての学校をインターネットに接続する方針を表明

 当時の町村信孝文部大臣が、2003年までにすべての学校をインターネットに接続する方針を表明した。当時は、1994年より始まった、全国の約100の小中高校でインターネットの活用を試行する「100校プロジェクト」が実施中。

 「インターネット白書1997」の「教育とインターネット」のパートでは、当時の教育利用として「ネットワーク会議、ネットワークコンテスト、情報交換といった活動が展開された」とレポートしている。

10.「ポストペット」発売

ペットが飼えるメールソフト「PostPetDX」がいよいよ発売

 ピンクのテディベア「モモ」がメールを運ぶメールソフト「PostPetDX」が11月に発売され、大ヒットに。現在もSo-net内でポストペットは展開している。