INTERNET Watch 30周年
【2020年のINTERNET Watch】コロナ禍突入で社会が一変。テレワークを導入する企業が急増
2026年7月21日 06:30
2020年の出来事
2020年(令和2年)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に大流行し、人々の生活スタイルが大きく変化する1年となった。3月には2020年夏に開催が予定されていた東京オリンピックの延期が決定し、4月には「緊急事態宣言」が発出され、感染拡大を防ぐために外出自粛が呼びかけられた。
外出自粛が呼びかけられる中、日々の業務を自宅で行うテレワークへ移行した企業も多く見られ、本誌でもテレワーク環境に関する連載を開始したほか、便利に仕事を進めるための製品やソフトウェアに関するニュースを取り上げることが多くなった。
小池百合子東京都知事が感染拡大防止のために呼びかけていた「3密」がこの年の新語・流行語大賞となり、このほかにも「アベノマスク」や「オンライン○○」など、感染症対策に関わる言葉が多くノミネートされた。このほかにも、外出自粛が呼びかけられたことにより、自宅でさまざまなコンテンツを楽しむ“巣ごもり需要”が発生し、韓国ドラマ「愛の不時着」や、ゲーム「あつまれ どうぶつの森」など、“おうち時間”を充実させるコンテンツも話題になった。
2026年2月に30周年を迎えたINTERNET Watchは、1996年2月に有料メールマガジンとして創刊し、1997年1月にウェブサイトを開設した。ここでは2026年の視点から2020年の話題を10本取り上げ、当時を振り返る。(1996年からの振り返り一覧)
1. 「Wi-Fi 6E」をWi-Fi Allianceが発表
▶Wi-Fiに6GHz帯が追加、新規格「Wi-Fi 6E」をWi-Fi Allianceが発表
Wi-Fi Allianceは1月、「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)に6GHzの周波数帯を新たに拡張する新規格「Wi-Fi 6E」を発表した。
同年4月には、米連邦通信委員会(FCC)がライセンス不要での6GHz帯の使用を認めた。日本国内では、2022年9月に総務省が電波法を改正し、6GHz帯が利用できるようになった。
2. NTT東西が10Gbps対応の光回線「フレッツ 光クロス」を提供開始
▶最大10Gbpsの「フレッツ 光クロス」が4月1日提供、月額6300円、NTT東西
NTT東西が、上下最大10Gbps対応のインターネット接続サービス「フレッツ 光クロス」の提供を4月1日に開始した。
10Gbpsサービス提供の背景として、Wi-Fi 6や5Gの普及で、通信の高速化の要望がますます高まる状況となることに加え、高精細な4K・8K映像といった映像コンテンツの高品質化、オンラインゲームやVR/AR/MR技術を用いた新たな体験の広がりなどにより、大容量データ通信が必要とされるサービスの利用機会増加を挙げている。
サービス開始当初は、東京都の足立区、杉並区、江戸川区、練馬区、世田谷区、葛飾区、大田区、板橋区の一部および大阪府の大阪市と、限られた地域での提供にとどまっていた。現在もサービス提供エリアの拡大が進んでおり、NTT東西は2026年中のエリア拡大により、エリアカバー率が80%を突破すると発表している。
3. Windows 7のサポート終了
▶Windows 7はついにサポート終了OSへ……結局どうなる? どうすればいい?
2020年1月14日をもって、Windows 7のサポートが終了した。
Windows 7は2009年10月22日に一般販売を開始したOSで、2015年にはメインストリームサポートが終了していた。
ウェブサイトへのアクセスデータをもとにWindowsのシェアを分析し、公開している「Statcounter」のデータによると、サポート終了を迎えた2020年1月においても24.9%のシェアがあったことや、後継にあたるWindows 8/8.1よりも高いシェアを誇っていたことから、根強い人気があったことがうかがえる。
ちなみに、現行のWindows 11も古いバージョンの一部では、すでにサポートが終了しているので注意が必要だ。21H2、22H2、23H2はすでに終了済みで、24H2は2026年10月13日にサポート終了が控えている。使用しているPCのバージョンを確認し、必要に応じてWindows Updateを適用してほしい。
4. Adobe Flash Playerのサポート終了
▶「Flash終了」までおよそ100日、米Microsoftでもサポートを終了
2020年12月31日をもって、Adobe Flash Playerのサポートが終了した。これは、2017年7月に予告されていたもので、提供元のAdobeは、利用者の減少や、HTML5、WebGL、WebAssemblyへの切り替えをサポート終了の理由としている。
アニメーション、ゲーム、動画、音声など、さまざまなコンテンツの配信に利用されていた。動画のストリーミング配信にも使われており、HTML5のプレーヤーに置き換えられるまで、YouTubeやニコニコ動画ではFlashで作られた動画プレーヤーが使用されていた。
Flashは、1996年に米FutureWave Softwareが「FutureSplash」として開発し、同社を買収した米Macromediaが「Flash」に改称し、現在の名称となった。2005年にMacromediaをAdobeが買収し、その後「Adobe Flash」としての提供が始まった。
5. テレワークを導入する企業が増加
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、政府などが外出の自粛を呼びかけ、自宅で勤務する「テレワーク」を導入する企業が大幅に増加した。厚生労働省や自治体では、助成金を付与するなど、テレワークを推進するための施策が数多く行われた。
セキュリティ面では、警視庁サイバーセキュリティ対策本部など、さまざまな組織が注意喚起を実施していた。
本誌では、2020年に「急遽テレワーク導入!の顛末記」「みんなの在宅ワーク」、2021年に「テレワークグッズ・ミニレビュー」の連載を開始したほか、テレワーク環境を便利にする製品やソフトウェアを紹介する記事を数多く公開していた。
6. 新型コロナウイルス感染者との接触確認アプリ「COCOA」をリリース
▶「接触確認アプリ」を6割が導入すればロックダウンも回避可能? 首相が6月のアプリ投入を明言
安倍晋三首相(当時)は、2020年5月25日の会見で「接触確認アプリ」を導入することを明言し、同年6月19日に配信を開始した。アプリの正式名称は「新型コロナウイルス接触確認アプリ」で、略称および愛称は「COCOA」(COVID-19 Contact-Confirming Application)。
デジタル庁が「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)の取組に関する総括報告書」で公開しているデータでは、最終バージョンがリリースされる前日(2022年11月16日)までに、4128万7054件のダウンロード、369万4068件の陽性登録が行われたとしている。
2022年11月をもって新型コロナ感染処理番号の発行と、接触確認の表示が停止された。
7. 新型コロナウイルスの流行に便乗したフィッシングの増加
新型コロナウイルスの感染拡大による経済的影響に対する施策として、政府は全国民に10万円の「特別定額給付金」を給付した。これに便乗し、2回目の給付金を装ったフィッシングメールが確認された。
このほかにも、保健所をかたる不審なメールや、不審なマスクの販売に関する広告メールなど、新型コロナウイルスに便乗したさまざまな詐欺が確認され、本誌でも注意喚起をしていた。
8. 各種イベントのオンライン開催への移行
▶CEATECが挑戦する「Withコロナ時代の展示会」はどんな展示会なのか? 秋のオンライン開催で目指すものとは?
本誌でも例年イベントレポートを掲載している「CEATEC」や「Internet Week」など、数多くのイベントがオンライン形式での開催に変更された。
リアルな会場で参加者同士が直接顔を合わせ、コミュニケーションを行えないという点は大きなデメリットとなった。しかしその一方で、オンライン開催には、会場の収容人数に縛られないことや、物理的な移動時間や場所の制約を受けずに、どこからでも気軽にアクセスできるといった、オンラインならではのメリットも存在した。
こうした利便性の高さもあり、現在にいたるまで、リアル会場とオンラインの強みを組み合わせたハイブリッド開催を選択するイベントも多く、コロナ禍がオンライン形式のイベントが定着するきっかけになったといえる。
9. 「ドコモ口座」など、電子決済サービスで不正引き出し事件が相次ぐ
▶「ドコモ口座」被害額は1200万円に、全35行で新規登録停止
▶「ドコモ口座」問題の甘かった本人確認、悪用された非ドコモ回線向けdアカウント――被害額は1800万円に、全額補償する方針を表明
「ドコモ口座」などの電子決済サービスにおいて、銀行の預金が不正に引き出される被害が判明した。
当時、NTTドコモの回線を持っていない人向けの「dアカウント」は、メールアドレスの二段階認証のみで作成できた。そのため、銀行口座の情報を何らかの手段で取得した犯人が、被害者になりすまして登録することができ、ドコモ口座を経由して銀行の預金を引き出せてしまったことが原因だった。
なお、ドコモ口座はd払いに機能を統合させる形で、2021年10月25日にサービスを終了した。
10. PlayStation 5発売
PlayStation 5が11月12日に発売された。ゲーム機としての性能の進化はもちろんのこと、ネットワーク面でも進化した。2020年当時の最新規格であるWi-Fi 6に対応し、最大1201Mbpsでの通信が可能となった。
