INTERNET Watch 30周年

【2021年のINTERNET Watch】コロナ対策やテレワークも定着、デジタル庁発足で官民のデジタルインフラ構築も進む

2021年の出来事

 2021年(令和3年)は、前年から引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を大きく受けた1年となった。外出の自粛も引き続き呼びかけられ、「おうち時間」を楽しむためのコンテンツが話題になったほか、自宅で業務を行うテレワークも定着してきた。

 8月には、延期されていた東京オリンピックが開催された。1年の延期となったことに加え、多くの競技が無観客で実施されるなど、過去の大会とは大きく異なるものとなった。日本選手団は過去最多となる58個のメダルを獲得した。

 この年、米大リーグで大谷翔平選手がアメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)などを獲得。前年までの怪我による不調を克服しての活躍に大谷フィーバーが日米で起こり、「リアル二刀流」や「ショータイム」は新語・流行語大賞にもなった。このほか、「副反応」「変異株」などの新型コロナウイルスに関する言葉や、「ゴン攻め/ビッタビタ」などのオリンピックに関する言葉もノミネートされていた。

2026年2月に30周年を迎えたINTERNET Watchは、1996年2月に有料メールマガジンとして創刊し、1997年1月にウェブサイトを開設した。ここでは2026年の視点から2021年の話題を10本取り上げ、当時を振り返る。(1996年からの振り返り一覧

1. デジタル庁が発足

「デジタル庁」本日発足、5年で官民のデジタルインフラ構築を目指す

 2021年9月1日、デジタル庁が発足した。

 2020年9月に就任した菅義偉首相(当時)は、首相就任後の記者会見において、デジタル庁を新設すると明言していた。同庁は、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを一気呵成に作り上げることを目指すとしている。

2. Wi-Fi 6E対応ルーターが続々と発表される

Wi-Fi 6E対応ルーターをNETGEAR、LINKSYS、TP-Linkが発表

 1月にオンラインで開催されたCES 2021では、2020年にWi-Fi Allianceが発表した「Wi-Fi 6E」に対応するWi-Fiルーターが発表された。

 Wi-Fi 6Eは、Wi-Fi 6に6GHzの周波数帯を拡張した規格。日本国内では、2022年9月に総務省が電波法を改正し、6GHz帯が利用できるようになった。

3. スマートホーム新共通規格「Matter」発表

スマートホーム新共通規格「Matter」発表。Google、Apple、Amazonらが参加

 米CSA(Connectivity Standards Alliance)は5月11日(現地時間)、異なるメーカー/プラットフォームのデバイス間の相互接続性を保証するスマートホームの共通規格「Matter(マター)」を発表した。

 Matter対応デバイスであれば、Amazon Alexa、Google Home、Apple HomeKitなどといったプラットフォームを気にする必要なく利用できるようになる。

4. Windows 11がリリース

「Windows 11」発表、Teamsを統合しタスクバーからチャットが可能に

 10月5日にWindows 11がリリースされた。

 Windows 10のユーザー向けに無料アップデートでリリースされたOSだったが、システム要件において、セキュアブートとTPM 2.0に対応するCPUを求められ、PCによってはアップデートができないことがあった。また、Windows 11では32bit版が廃止となり、64bit版のみの提供となった。

5. 「Apache Log4j」に複数の脆弱性が見つかる

JPCERT/CC、「Apache Log4j」の複数の脆弱性についてまとめたページを公開
JPCERT/CC、Apache Log4jの新たな脆弱性とバージョン2.17.1公開に関して情報更新

 Java用のログ出力ライブラリ「Apache Log4j」に、任意コードの実行やDoS攻撃につながる複数の脆弱性が発見された。

 同ライブラリは、米Apacheソフトウェア財団が開発・提供しているもので、さまざまなアプリやウェブサービス、業務システムなどに組み込まれている。

 CVEベースで4つの脆弱性(CVE-2021-44228、CVE-2021-45046、CVE-2021-45105、CVE-2021-44832)が発見された。この中でも、最初に発見された脆弱性のCVE-2021-44228は「Log4Shell」の通称で呼ばれ、マルウェアへの感染や暗号資産の無断マイニングなどといった被害が確認された。

6. 「テクニカルサポート詐欺」が横行

サイト閲覧中にウイルスに感染警告、サポートセンターから電子マネーを買うように指示されたけど大丈夫?

 ウェブサイトを閲覧中に「ウイルスに感染しました」などの偽の警告画面を表示し、セキュリティツールやサポートの料金として、プリペイド式の電子マネーを送付させる詐欺の被害が日本国内で拡大した。

 株式会社ノートンライフロックの調査においても、日本国内におけるテクニカルサポート詐欺のブロック件数が調査国の中でも突出して多い結果となっていた。

7. 新型コロナウイルスのワクチン接種が進む

自衛隊大規模接種センター(東京)でワクチン接種してきましたレポート

 2月に医療従事者向け、4月に高齢者向けのワクチン接種が始まった。6月以降は会社や大学などでの職域接種や、自衛隊や自治体が運営する大規模接種などが実施された。

 本誌では、自衛隊が運営していた大規模接種センターの予約に関する記事のほか、ワクチン接種に便乗した詐欺に関する記事も公開していた。

8. Facebookが社名をMetaに変更

米Facebookが「Meta」に社名変更、メタバースを新たな事業の中核に

 米Facebookは10月28日(現地時間)、社名を「Meta」に変更すると発表した。

 CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、VRなどの仮想空間サービスの「メタバース」の構築に注力し、メタバース企業としてのアイデンティティを確立していくために社名の変更も行ったとコメントした。

9. NFTの取引が急増

加熱するNFT市場、アートなどの「デジタル所有権」をブロックチェーンで、約75億円でのオークション販売事例も、Taco Bellも参入

 アートをはじめとする、非代替性トークン(NFT)の取引量が大幅に増加した。

 史上最高値で取引されたNFTアートは、Beepleというアーティストが作成した「Everydays: the First 5000 Days」で、6900万ドルで落札された。この作品は、同氏が行っているアート作品を毎日制作するプロジェクト「Everydays」において、これまでに制作した5000枚の作品をコラージュしたものだ。

10. 音声SNS「Clubhouse」が話題に

音声SNS「Clubhouse」の招待枠、ネットで売買の対象に。メルカリは規約違反で削除へ

 音声SNS「Clubhouse」が話題になった。同サービスは、さまざまな話題ごとに作られたトークルームで、会話をしたり、聞いたりして楽しむもの。芸能人や起業家などの有名人もアカウントを開設しており、友人との交流だけでなく、有名人の会話も楽しんでいるユーザーが多く見られた。

 1月に日本国内向けのβ版の運用が開始された際は、アカウントの開設に既存ユーザーからの招待が必須で、メルカリやヤフオクで招待権を取引するケースも発生していた。なお、招待制は同年7月21日に廃止された。