【ブロードバンド】
5GHz帯のFWA、
商用化にはさらなる規制緩和が不可欠か
■URL
http://www.speednet.co.jp/
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公開された基地局は実験用に開発されたもので、送信/受信アンテナは独立しており、基盤も汎用の巨大なケースに収められていた |
屋外の無線アクセスシステム用として国内で新たに開放された5GHz帯だが、これを利用した加入者系無線アクセス(FWA)サービスの商用化には、実のところ、さらなる規制緩和も求められそうだ。4日、5GHz帯無線アクセスシステムの電波伝送実験を報道関係者向けに公開したスピードネットが明らかにした。
同社が指摘するネックというのは、5GHz帯の無線アクセスシステムは基地局と加入者局間のアクセスに限定されており、中継用の通信回線として使用できないという制限である。すでにサービスを展開中の2.4GHz帯では、建物の影になって基地局が見通せないような世帯に対して、中継局を設置することで解決しているところもあるという。このまま中継局を設置できないとなれば、上記のようなエリアにおいて5GHz帯を使ったより高速なサービスを追加提供することが難しくなる。
実際、大規模な団地群などでは敷地内が無電柱化されているところがあり、光ファイバーを引き込んで電柱上に基地局を設置できないようなエリアもあるという。現行の2.4GHz帯サービスでは、団地の屋上などに中継局を設置することで、団地外にある基地局からの電波を中継。敷地の中心部の世帯でもサービスを利用できるよう対処していた。ところが、5GHz帯でこの方法が認められないとすれば、商用化するにあたって「非常に困る」(技術部技術開発グループの郷地元博グループマネージャー)。
スピードネットでは、9月はじめから取り組んでいる5GHz帯無線アクセスシステムの電波伝送実験を12月末まで実施。2003年4月以降の商用化を目指している。しかし、FWAサービスのターゲットとして集合住宅が大きい比率を占めている同社だけに、中継局の設置規制は深刻な問題だ。今後、総務省に対して規制緩和を働きかけていく考えだ。
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(2002/10/7)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]
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