【P2P/ソフトウェア】
ファイル交換ソフトMorpheus、身元特定を防ぐプロキシー機能を搭載
~レコード業界との対決姿勢を鮮明に
■URL
http://www.morpheus.com/ (英文)
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Morpheusのサイト |
P2Pファイル交換ソフトMorpheusを開発しているStreamCast Networksは15日、利用者のプライバシーを守り、身元を第三者に特定されないようにするための新機能を搭載した「Morpheus3.2」を発表した。すでにWebサイトでのダウンロード配布を開始している。
全米レコード協会(RIAA)が個人を相手取った著作権侵害訴訟を起こすための証拠集めをしていると発表したことを受けて開始したもの。昨日発表されたNielsen//NetRatingsの最新調査結果によると、この発表以来、Morpheusの利用者数は15%減少している。
新バージョンの「Morpheus3.2」では、世界各地に点在しているパブリックプロキシーサーバーに簡単に接続できる点が特徴だ。プロキシーサーバーは接続している相手との間に入ることによって、自分のIPアドレスなどの情報を漏らさない役割を提供する。これにより、身元を特定するためにP2Pネットワークに接続している相手が居たとしても、自分のIPアドレスを一時的に隠すことができると考えられている。さらに、サードパーティが公開している“不審な”IPアドレスのブラックリストを取り込み、そうしたIPアドレスからのトラフィックを自動的に遮断することが可能となっている。
StreamCast NetworksのCEOであるMichael Weiss氏は、「Morpheus3.2は、RIAAの行為をプライバシーに対する侵害であると考えているユーザーが抱く、法的懸念への回答である。我々は著作権侵害を大目に見たりはしないが、ユーザーを標的に彼らのプライバシーを侵害する行為を大目に見ることもない」とコメントしている。
RIAAの発表以降、多くのファイル交換ソフトが利用者のIPアドレスを隠す機能を搭載し始めており、レコード業界とファイル交換ソフトユーザーの間のイタチごっこの様相を呈しつつある。
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(2003/7/16)
[Reported by 青木大我 (taiga@scientist.com)]
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