【連載】 【編集部から】 ●GoogleのIPOがやってくる! GoogleがIPO(新規株式公開)に向けて、いよいよ動き始めたみたいだね。ブルームバーグの記事によると、同社はIPOのとりまとめをモルガン・スタンレーとゴールドマンサックスの2社に依頼したそうだ。放出される同社株の総額は、400億ドルに達するのではないかという。ブルームバーグはこう書いている。「Googleは2003年、約10億ドルの売り上げがあり、利益は2億ドルに達したのではないかとみられている。2004年にはこれが約15億ドル、3億ドルに達する見通しだ」。 2004年は申年だ。僕の机の上には古い中国のカレンダーが置いてあって、それにはこう書いてある。「申年生まれの人は知性的で誰にでも好かれ、どんな分野を選んでもきっと成功するでしょう」。今年、公開企業として新しくスタートするGoogle。この占いは、まるでGoogleのことを書いてるみたいだね。 GoogleがIPOによって多額の資金を手に入れれば、同社がインドのバンガロールに新設したR&Dセンターにも豊富な研究資金が流れ込むことになりそうだ。このR&Dセンターは、Googleが初めて米国外に設置した機関になる。でき得ることなら、同社がIPOによって今後、商業主義的な戦略を打ち出していくとしても、それがGoogleのテクノロジーにネガティブな影響を与えないでいることを望みたい。NetscapeやExciteの二の舞にならないことを祈るばかりだ。 ●ノンリニアな検索結果表示ページ
そのひとつに、Grokkerという検索インターフェイスがある。Grokkerは有償のアプリケーションをダウンロードして使うようになっていて、検索結果をカテゴリーに分類し、それを地図上に塊(クラスタ)として表示してくれる仕組みだ。それぞれのクラスタにはサブカテゴリがあって、より小さなクラスタとして表示される。サブクラスタをクリックすると、ズームインされる。 ニュースサイトのSeattlepi.comが、わかりやすい検索例を挙げているから引用してみよう。 「たとえばあなたがフランスの宿泊先を調べようとして、検索キーワードをParis Hilton(パリ、ヒルトン)と入力したとする。Googleはこの検索クエリーを『地域―ヨーロッパ―旅行、旅行業者―宿泊施設―ホテル』と認識し、検索結果にちゃんとパリのヒルトンホテルを表示してくれる。でもよく見てみれば、他の検索結果を見ると延々とヒルトン姉妹のお姉さん(パリ・ヒルトンという名前だ)の活躍ぶりを書いたWebサイトが大量に並んでいるのである。なぜならGoogleはページランクテクノロジーによって、『他の多くの人気サイトからリンクが張られているかどうか』で評価付けをしているからであり、その中でもいちばん人気の高いサイトを検索結果のトップに表示している」 「同じキーワードを、今度はGrokkerで検索してみる。検索結果には、ParisとHiltonに関する情報がカテゴリに分けて表示されている。もちろん、見やすい場所にパリのヒルトンホテルの評価や地図、予約サイトなども表示されていて、Googleのようにヒルトン姉妹の中に埋没してしまっているようなことはない」 Grokkerの最大のメリットは、Googleのようなリスト形式の検索結果表示ページと違って、多くの検索結果をユーザーに見せることができるということだ。Googleでは検索結果ランキング50位のサイトがクリックされる確率はものすごく低いけれど、Grokkerなら50位のサイトもトップページのクラスタのひとつに入っているから、クリックされる可能性は飛躍的に高まる。 このタイプのユーザーインターフェイスが普及すると、面白いことになりそうだね。Grokkerは今のところ、アプリケーションのライセンスに49ドルもかかるけど。Grokkerは、以下の3つの検索を提供している。 1. Yahoo!とMSN、AltaVista、Wisenut、Teoma、FASTのWebサイト検索 Grokkerは今年後半には、Googleへのプラグイン提供を計画している。日本語が使えるかどうかが気になるところなので、僕も彼らに問い合わせているところだ。Googleのプラグインがどんなインターフェイスになるのかはまだ未定だけど、たとえばこのTouchGraph GoogleBrowserみたいな感じかもしれない。 ●ボーダフォンとFASTがつながったVodafoneがモバイル機器のデフォルト検索エンジンに、FASTを採用した。FASTのプレスリリースによると、「このサービスはエジプトとフランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、マルタ島、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイスですでに使えるようになっています。また英国でも2004年早々にサービスインの予定です」。これが日本のボーダフォンでも使えるようになるといいね。 (2004/1/13) [Reported by ジェフ・ルート&佐々木俊尚]
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