先週は「講談社社員が慶應大生を名乗りアンケート」、「『怪しいサイトは開かない』では防げないWebの脅威」、「Googleが再生可能エネルギー開発に投資」など、ちょっと驚く異色のニュースが続きました。
「私的録音録画小委員会にパブコメが7,500件」という件数も驚きの数字です。2005年の「iPod課金」問題でのパブコメは、最終的な件数は公表されませんでしたが、中間報告では166件でした。パブコメは「投票」ではないので数が本質的な意味を持つわけではありませんが、この数字のインパクトが全くないということはないでしょう。
このように気になるニュースが多い中、今週の解説は11月26日に第1回会合が行なわれた総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」を取り上げます。インターネットの危険が各所から指摘される中、どのような検討が行なわれようとしているのでしょうか。
◆“闇サイト”など違法・有害情報の対策強化へ、総務省が検討会を開催
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/26/17635.html
11日26日、総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」が第1回会合を開催した。会は学識経験者や携帯キャリア、IT事業者、消費者団体代表などで構成され、フィルタリングの導入促進等について月に1回ペースで検討をする。詳しくは後半の解説を参照してほしい。
◆ダウンロード違法化などに7,500件の意見集まる、私的録音録画小委員会
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/28/17668.html
11月28日、文化庁・私的録音録画小委員会の2007年第14回会合が行なわれた。中間報告に対するパブリックコメントは約7,500件。うち8割は、いわゆる「ダウンロード違法化」に反対するもので、その中の7割がネット上で公開されているテンプレートを利用したともの、としている。
◆「怪しいサイトは開かない」では防げないWebの脅威、Symantecが動向解説
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/30/17699.html
11月30日、シマンテックは2007年のインターネットセキュリティに関するトレンドを発表。攻撃対象がOSからWebへと移り、Webサーバーが攻撃されることによって、普段利用されている正規のサイトにアクセスするだけでも被害を受けうるとした。その他、情報漏洩に関する問題やモバイルプラットフォームへの注目についても言及している。
◆マイクロソフト、「Windows Live OneCare」の最新版を12月4日発売
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/29/17683.html
マイクロソフトのセキュリティソフト「Windows Live OneCare」日本語版の最新バージョンが、12月4日に発売になる。PCの起動時間短縮などパフォーマンス向上を図る「スタートアップ最適化」や、LANで接続された複数台のPCをまとめて管理できる「OneCareサークル」といった新機能が追加されている。
◆「VistaはSP1を待たなくても使える」マイクロソフト中川氏
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/11/27/17647.html
11月27日、マイクロソフトはWindows Vistaの安定性および互換性向上更新プログラムに関する説明会を開催。SP1について、12月上旬にRC1を限定ユーザーのみに公開し、2008年第1四半期後半に正式版を公開予定とした。また、SP1公開前でも順次提供する更新プログラムの利用により、安定した環境を利用できるとアピールした。
● 総務省が検討する闇サイト・有害情報対策の内容は?
総務省は新たに「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」を設置し、11月26日に第1回会合を開催しました。社会問題化している「闇サイト」や、青少年に悪影響を与える有害サイト・有害情報の問題への対策として、フィルタリング等の対策を行なうことを検討していきます。
一橋大学名誉教授の堀部政男氏を座長とし、携帯キャリアやコンテンツ・サービス事業者、通信業界団体、消費者団体の代表などがメンバーとして参加しているほか、警察庁や経済産業省、文部科学省もオブザーバーとして参加。月に1回ペースで検討を進めていきます。
会の検討事項案は、1) インターネット上の違法・有害情報の現状と課題の検証、2) 政府、業界、電気通信事業者などにおける対応、3) 政府などによる支援方策等、4) 以上に関する総合的な対応方針――となっています。中でも直近の課題はフィルタリングの普及促進としており、2008年3月までに中間報告を取りまとめる予定としています。
第1回の検討会では、総務省や各事業者の現状の取り組みや課題について情報共有が行なわれました。その中でフィルタリング導入を求めるユーザーニーズがない、コストがネックである等の問題点が報告され、それに対して、ユーザーの意識にも問題があるのでは、という指摘もされました。
12月に予定されている第2回会合では、さらに踏み込んだ検討内容となると思われますが、政府や業界としての取り組みや、ユーザーへの働きかけについて、どのような方針が打ち出されるか注目していきましょう。
2007/12/03 12:01
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス) |
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