2月1日の突然の発表から大騒ぎとなった米Microsoftの米Yahoo!買収提案について、Googleが横槍を入れたり、日本のソフトバンク孫社長も関連してコメントを発表するなど、先週も盛り上がりを見せました。週明けにYahoo!が拒否の方針を固めたことによって、今週はまた新しい展開となりそうで目が離せません。
そのほか、先週はセキュリティ関連のニュースが多数ありました。「Windows Update」を騙る偽サイトやISPを騙るフィッシングの報告があったほか、トレンドマイクロが偽「ルートキッドバスター」を報告。マカフィーはウイルス「Fujacks」の検知が多いことを発表し、IPAは「原田ウイルス」の被害に注意喚起をしています。また、Adobe Reader、QuickTime、Skype、Firefoxと、主要アプリケーションのアップデートも多数ありました。お使いのアプリケーションを確認して、安全な最新バージョンを利用しましょう。
◆IE7が2月13日から自動更新の対象に、MSが告知ページを開設
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/04/18333.html
2月13日から開始されるWindows XP向けIE7の自動更新に先立ち、マイクロソフトは2月4日に告知ページを開設した。詳細については後半の解説を参照してください。
◆GoogleとMicrosoft、Yahoo!買収提案を巡って舌戦
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/04/18331.html
2月3日、1日に発表された米Microsoftによる米Yahoo!の買収提案について、米Googleと米Mictrosoftが舌戦。GoogleのCLO(最高法務責任者)であるデビット・ドラモンド氏がGoogleの公式ブログで「インターネットのオープンさやイノベーションを損なう」とMicrosoftの独占を非難すると、Microsoftのゼネラルカウンセルであるブラッド・スミス氏は「インターネット検索・広告の分野に競争力のある2番手を確立する」とGoogleの上記分野での独占状態を指摘するコメントを発表した。
◆「Windows Vista SP1」の開発が完了、3月中旬より配布予定
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/05/18350.html
2月5日、マイクロソフトは「Windows Vista SP1」の開発が完了したと発表した。これまでの500以上の更新プログラムのほか、対応デバイスの拡大、パフォーマンス向上、セキュリティ強化などの新機能をまとめたもので、3月中旬からダウンロードセンターやWindows Updateで配布開始の予定。
◆JPCERT/CC、日本のISP騙るフィッシングに注意
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/08/18406.html
2月7日、JPCERT/CCは、国内の銀行やISPを騙るフィッシングサイトについて注意を促した。金融機関だけでなくISPを騙るフィッシングサイトが出現していることは新しい傾向としている。ISPを騙ったフィッシングサイトは、ユーザーに偽のメールを送信して偽のWebメールのログインフォームにパスワードを入力させ、これを盗むものが報告されているという。
◆Sony BMGなど3社、百度を著作権侵害で提訴
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/05/18349.html
2月4日、国際レコード連盟は、Universal Music、Sony BMG Music Entertainment、Warner Music Hong Kongの3社が中国の検索エンジン最大手である百度を著作権侵害で提訴したことを明らかにした。検索結果などで、著作権を侵害する十数万楽曲をホスティングするサイトへのリンクを掲載していることが著作権侵害にあたるとしている。
● 2月13日からIE7が自動更新開始。インストールするべきか、拒否するべきか?
2月13日より、Windows XP SP2、Windows XP Professional X64 Edition、Windows Server 2003 SP1を対象として、Internet Explorer 7(IE7)が自動更新で配布されます。
IE7はWindows Vistaで採用されている最新バージョンのIEですが、IE6とは操作性が大きく異なり、ユーザーの混乱を招くことが懸念されます。また、Windows XPにインストールしたときの動作の重さ、不安定さが指摘されることもありました。
これに対して、マイクロソフトではUIをIE6に似せるよう変更を加えるなど工夫し、自動更新の開始にあたって特設ページで情報の周知を図るなど、スムーズにIE7への移行が行なわれるよう努力をしています。一方で、日本語版IE7の自動更新が最も遅いことや(韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語、ヘブライ語は2007年11月に行なわれました)、2007年10月には誤配信騒動があるなど、「何となく不安」という方も多いでしょう。
マイクロソフトでは、今回の自動更新について「インストールしない」という選択肢が選べること、またアンインストールも容易であることをアピールしています。特に低スペックの古いマシンでは不安が大きいでしょうから、そんな場合はとりあえず「インストールしない」を選んでおけば良いでしょう。IE6は2009年までサポート対象となり、2014年まではセキュリティ更新プログラムが提供されます。
先週にはWindows Vista SP1完成のニュースもあり、春の商戦ではWindows Vista搭載の新マシンも本格的に買いどきとなりそうです。一方で、旧マシンはIE6のままで使うという選択も十分にありえます。また、後でIE7をインストールしたくなったときには、インストールすることはいつでも可能です。
とはいえ、いつかPCを買い替えれば、Windows VistaではIE7を使うことになりますから、先にIE7に触れて慣れておくことは有意義だといえます。タブ機能やフィード機能、地味なところでは用紙サイズに合わせて印刷してくれる機能などは重宝しますので、特段の事情がなければ自動更新を拒否することはないでしょう。
なお、企業のネットワーク環境では、ネットワーク管理者の判断によって自動更新がブロックされ、何も起こらない場合もあります。オフィスで使用するマシンのアップデートについては、管理者の判断に従いましょう。
2008/02/12 13:46
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス) |
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