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2008/03/31~2008/04/06


 4月1日といえばエイプリルフール。毎年あちこちのサイトがやたらと力を入れたネタを出してくるのを、楽しまれたでしょうか。

 先週は、著作権ビジネスに絡んだニュースが目立ちました。「iPod課金」や「ダウンロード違法化」問題に絡む私的録音録画小委員会が新年度第1回の会合を行ない、NHKは過去の番組のオンデマンド配信を発表しています。また、「ニコニコ動画」のニワンゴがJASRACと楽曲使用の契約をしたというのも大きなニュースです。


私的録音録画小委員会、補償金の暫定継続で"iPod課金"など検討へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/04/03/19070.html
 4月3日、私的録音録画小委員会の2008年度第1回会合が開催。現行の私的録音録画補償金制度を「暫定的に継続することを前提」に具体的な制度の検討に入るという方針を示した。次回以降の会合では、iPodやHDD内蔵型DVDレコーダー、PCなどを補償金の対象機器にするかを検討する見込み。権利者団体は4日に意見表明を行ない、文化庁方針を尊重した合意を目指すとした。

「NHKオンデマンド」12月開始、放送番組をネットで配信
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/04/03/19081.html
 4月3日、NHKは過去の番組を配信する有料のVODサービス「NHKオンデマンド」を12月に開始すると発表した。PCだけでなくデジタルテレビやケーブルテレビ向け配信も予定している。有料サービスである理由は、VODサービスのシステムを受信料とは別会計の独立採算で運営するためとしている。

携帯フィルタリング、自動適用の場合は「ブラックリスト方式」が妥当
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/04/02/19059.html
 4月2日、総務省「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第5回会合が開催。携帯事業者が許可リストを提供するホワイトリスト方式は行き過ぎとするなど、青少年保護という目的を越えた過度な制限を警戒しつつ、制限方式を各事業者の方針に委ねて良いのではないかとした。検討会では4月末に中間報告の取りまとめを予定している。

ニコニコ動画でJASRAC楽曲の利用が可能に、ニワンゴがJASRACと契約締結
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/04/01/19032.html
 4月1日、ニワンゴは「ニコニコ動画(SP1)」において許諾に関わる契約をJASRACと締結したと発表。JASRAC管理楽曲を自分で演奏した動画を、ニコニコ動画で公開できるようになった。詳しくは後半で解説します。

日本ユニセフ協会、"準児童ポルノ"への見解を表明
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/04/01/19038.html
 日本ユニセフ協会は3月11日より展開している「なくそう!子どもポルノキャンペーン」に関して質問が来ているとし、同協会が定義する「準児童ポルノ」についての見解を発表。国際的に見れば、同協会が定義する「準児童ポルノ」を規制する国も少なくないなどの説明を行なった。


ニコニコ&JASRAC、YouTube&JRC。動画サイトと著作権管理団体が相次いで契約

 4月1日、ニワンゴは「ニコニコ動画(SP1)」でJASRACと許諾に関わる契約締結を発表。JASRAC管理楽曲をユーザーが自分で演奏・歌唱した動画を公開できるようになりました。

 JASRACは2007年5月に動画共有サービスの音楽利用許諾条件を公開しており、動画共有サービスでは「Yahoo!ビデオキャスト」やソニーの「eyeVio」が契約をしていました。

 今回ニコニコ動画が締結した条件では、売り上げの1.875%をJASRACに支払うとのこと。先にJASRACが公開していた条件では「個人制作の投稿作品の料率については別途定める」としており、目安としては2%よりも低くなりそうでした。なお、Yahoo!ビデオキャストやeyeVioは、具体的な支払い条件を公表していません。

 前週の3月27日には、グーグル(YouTube)とJRCが包括利用許諾契約を締結。JRC管理楽曲を自分で演奏・歌唱した動画をYouTubeに公開できるようになりました。

 ニコニコ動画とJASRAC、YouTubeとJRCという2つの動画共有サイトと音楽著作権管理団体の組み合わせには、どのような意味があるのでしょうか。

 ニコニコ動画を運営するニワンゴは着メロや着うたサービスを展開するドワンゴの子会社で、ドワンゴの筆頭株主は音楽を中心としたエンターテイメント事業のエイベックス。JASRACの役員も出している企業です。つまり、ニコニコ動画とJASRACは、親密な関係であると見ることも可能です。

 一方で、「YouTube」のグーグルは米国の企業ですから、日本の音楽業界の商習慣には明るくなく、また、それに縛られることもないでしょう。そして、2000年設立の若い団体であるJRCも、旧来の商習慣に縛られることはないと考えられます。

 だとすると、この2つの組み合わせは、それぞれが「話しやすい相手」だったのだろうという想像もできます。今後ニコニコ動画とJRC、YouTubeとJASRACの契約締結が発表されるのか、それとも交渉が実らず、両方が別のグループとして存在するようになるのか、今後の動きを見守っていきたいところです。



2008/04/07 11:40
小林祐一郎
プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス)

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