先週は、厚生労働省が医薬品のネット販売に関する検討会の第1回を開催し、公正取引委員会はJASRACに排除措置命令を出すなど、行政関連のニュースが目立つ1週間となりました。
一方、セキュリティ関連では、Flash PlayerとExcelに脆弱性が発見されました。Flash Playerは脆弱性を修正した最新版へのアップデートを、Excelと2月20日に脆弱性が発見されたAdobe Reader/Acrobatについては、現時点ではまだ修正版がリリースされていないため、解説記事を参考に回避策を検討しましょう。
モバイル関連では、「UQ WiMAX」のサービス開始や、「iPhone」の値下げキャンペーンのニュースも気になるところです。モバイル関係の製品やサービスは変化が速いため、賢い買い物をするためには関連ニュースをチェックしておきましょう。
◆「UQ WiMAX」提供開始、「真のモバイルブロードバンドを目指す」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/26/22602.html
2月26日、UQ ComはモバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」を開始した。サービスエリアは東京23区と横浜、川崎を中心とした一部地域。下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsのスピードを実現する。端末は4タイプで、価格は1万2800円~3万3800円。OSはWindows Vista/XP SP2以降に対応する。UQ Comの田中社長はセレモニーで「真のモバイルブロードバンドの世界を創っていきたい」と語った。
◆「医薬品のネット販売規制、憲法違反の可能性も」業界団体側が説明会
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/24/22566.html
2月24日、JODAは、同日に行われた「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」第1回会合の報告と論点の説明を行った。樋口事務局長はメンバーの人選や対面販売に固執する態度を批判。阿部弁護士は憲法違反の可能性を指摘した。ケンコーコム後藤社長も「結論ありきの検討会という印象」と運営に強い不満を示した。
◆「JASRACの包括契約は独禁法違反」公取委が排除措置命令
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/27/22612.html
2月27日、公取委はJASRACに対し、放送事業者と結んでいる包括契約が同業他社の参入を制限しているとして、排除措置命令を下した。2月9日に事前通知を報じていたもので、使用曲数にかかわらず事業収入の一定割合を徴収契約となっているため、放送事業者にとっては他社の管理楽曲の利用が割高となってしまうというもの。JASRACはこれを承服できないとし、審判請求を行った。
◆Flash Playerに危険度の高い脆弱性、対策済みの新バージョン公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/25/22574.html
2月24日、アドビシステムズは、Flash Player 10および9に発見された新たな脆弱性を修正した「Flash Player 10.0.22.87/9.0.159.0」を公開し、早急なアップデートを呼びかけている。脆弱性は、悪意のあるFlashファイルを閲覧した場合に、外部からシステムを制御される可能性のある危険度の高いものとなっている。
◆アップル、Safari 4のパブリックβ公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/02/25/22567.html
2月24日、アップルはWebブラウザ「Safari 4」のパブリックベータ版を公開した。Mac OS X版とWindows版があり、利用は無料。Safari 4は、新しい「Nitroエンジン」の搭載により、JavaScriptの実行を高速化したのが特長で、Appleの発表によればSafari 3に比べて4.2倍、IE7に比べて最大30倍に高速だという。このほか、頻繁に訪問するページをプレビュー表示する「Top Site」や、履歴の全文検索「Full History Search」などの新機能を搭載している。
● 「UQ WiMAX」がサービス開始、ソフトバンクはイー・モバイルのMVNO開始
2月26日、モバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」のサービスが開始になりました。当初のサービスエリアは東京23区および横浜・川崎を中心とした一部地域ですが、6月頃には東名阪エリアへ拡大の予定。料金プランはシンプルに月額4480円の「UQ Flat」1つだけ。下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsという高速通信を実現します。
実効速度についてはケータイWatchの速報レビューをご覧ください。Impress Watchのあるビル内では、下り通信速度は数Mbps程度という結果になっています。まだ基地局も少なく、サービスエリア内でも好条件での通信は難しいようです。なお、先に募集していたモニターは5000人の募集に2万人の応募があったとのことで、注目度の高さを伺わせます。
今後の展開としては、ニフティとBIGLOBEがそれぞれMVNOで提供を発表しています。また、WiMAXはインテルが力を入れている技術ということもあって、インテルでは「日本でもぜひWiMAXを成功させたい」とコメントしており、7月以降にはWiMAXモジュール内蔵ノートPCの製品化も予定しています。
一方、今週の3月6日からは、ソフトバンクモバイルがイー・モバイル網を利用した定額データ通信サービスを開始します。料金体系はUQ WiMAXに比べると若干複雑ですが、「データ定額ボーナスパック」で契約して、イー・モバイル網の定額料金分だけを利用した場合で、月額最大4980円となります。これはイー・モバイルでのデータ定額月額最低料金と同じです。
先週はソフトバンクモバイルの「iPhone for everybody」キャンペーンも発表になり、待てば待つほどいい条件で端末が買える、という印象が強まる昨今。モバイルブロードバンドの「買い」はどれか? の判断は、まだ当分悩ましい状況が続きそうです。
2009/03/02 12:42
 |
小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「できるポケット+ クラウドコンピューティング入門」(インプレス) |
- ページの先頭へ-
|