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準天頂衛星「みちびき」と「初音ミク」の共通点とは? L1S信号で高精度測位ができる腕時計型デバイスも登場

「みちびき」でゴルフのスコアアップ!?世界初の「サブメーター級測位」対応コンシューマー向け製品が登場

 みちびきについては、内閣府、準天頂衛星システムサービス株式会社、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、衛星測位利用推進センターの4者が共同出展する「宇宙衛星ゾーン」において、概要説明や対応機器が展示された。

 中でも注目されたのが、みちびきのL1S信号を受信することにより、誤差1mで高精度な測位ができる「サブメーター級測位サービス」に対応した腕時計型ウェアラブル端末「ザ・ゴルフウォッチ プレミアムII」(株式会社MASA)。この製品はみちびきの正式サービス開始とともに、すでに発売しており、MASAは上位機種の「ザ・ゴルフウォッチ A1」もL1Sに対応させることを表明している。みちびきのサブメーター級測位サービスに対応したコンシューマー向け製品としては世界初であり、同製品をゴルフで使うことにより、普通のGPSに比べて現在地からグリーンまでの距離を高精度に測定できる。

株式会社MASAのL1S対応ゴルフウォッチ

 このほか、同じくL1Sに対応したGNSSトラッカーを以前から提供していた株式会社フォルテも、L1S対応の最新機種「FB2000」のプロトタイプを展示していた。同製品には自律航法機能が追加されており、より高精度な測位が可能となる。

株式会社フォルテの「FB2000」

 また、昨年の「CEATEC JAPAN 2017」において「CEATEC AWARD 2017」の総務大臣賞を受賞したマゼランシステムズジャパン株式会社も、みちびきのL6信号を受信し、「センチメーター級測位」を実現するマルチGNSS受信機を展示していた。

マゼランシステムズジャパン株式会社のマルチGNSS受信機

 アイサンテクノロジー株式会社と三菱電機株式会社の共同ブースでも、みちびきのセンチメーター級測位を大きくアピール。三菱電機は、11月に発売したばかりのセンチメーター級対応の受信機「AQLOC-VCX」を展示していた。同製品には大型ヒートシンクと4つのインジケーターが搭載されており、インジケーターの1つにはセンチメーター級測位を実現するみちびきの信号「L6」の文字が記載されている。また、2019年春に発売する予定の、より小型化した端末「AQLOC-VCXII」も展示していた。

「センチメーター級測位」に対応した受信機

片岡 義明

フリーランスライター。ITの中でも特に地図や位置情報に関することを中心テーマとして取り組んでおり、インターネットの地図サイトから測位システム、ナビゲーションデバイス、法人向け地図ソリューション、紙地図、オープンデータなど幅広い地図・位置情報関連トピックを追っている。測量士。インプレスR&Dから書籍「こんなにスゴイ!地図作りの現場」、共著書「位置情報ビッグデータ」「アイデアソンとハッカソンで未来をつくろう」が発売。