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【使いこなし編】第191回
Synology「BeeStation」でスマホの写真を管理。トラブル回避のコツは「編集前に忘れず複製」
2024年4月11日 06:00
本連載では、Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を第185回から実践している。今回も前回に続き、スマホアプリ「BeePhotos」を使ったスマホの写真や動画のバックアップや管理する方法を実践していく。
一昔前のデジカメの感覚だと、カメラのメモリカードからPCやNASに移した写真(画像ファイル)を、また同じメモリカードにコピーすれば、全く同じ写真として扱える。何を当たり前のことを言い出すのかと思うかもしれなないが、スマホの写真の場合は、この事情が少し異なる。
複製機能を使って編集前の写真を別に残しておこう
というのも、デジカメと違い、スマホは自身が写真の編集機能を持っていて、編集した写真を自由に編集前のオリジナルの(撮影直後の)状態に戻すこともできるようになっているのだ。例えばiPhoneの「写真」アプリでは、編集機能の[元に戻す]から[オリジナルに戻す]を選択すれば、それまでの編集内容を取り消してオリジナルに戻せる。
これが、どのように実現されているかというと、画像ファイル自体には最新の編集内容が反映されているが、それとは別に、スマホがオリジナルのデータを保持しているのだ。このように、元のデータを保持したままで編集できることを「非破壊編集」といい、特定の機種の特定の写真編集アプリ内でだけ使える。[※1]。
[※1]……なお、iPhone、iPad、MacといったApple製品の間で、iCloudによる写真の同期、またはAirDropを使ってファイルを共有した場合は、別のデバイス間でも非破壊編集が可能だ
BeePhotosを使ってバックアップしたとき、BeeStationに保存されるのは、最新の編集内容が反映された画像ファイルのみとなる。その後、スマホからその写真を消し、あらためて画像ファイルをスマホに戻しても、非破壊編集を可能にするデータは失われ、オリジナルに戻すことはできない。
以上のように、スマホの写真編集に慣れていると当たり前の「オリジナルに戻す」が、一度BeeStationにバックアップしてスマホから消してしまった写真に対しては、使えなくなり、非常に不便になってしまう。オリジナルに戻せるだろうと思っていたら戻せなくなってしまった! というトラブルは避けられるようにしておきたい。
そのための方法は、いくつか考えられる。1つは、編集したい写真はスマホから消さないことだ。前回の最後でスマホに保存された全ての写真を削除する方法も紹介したが、もうスマホで編集することがない写真だけを選んで、削除するといい[※2]。
[※2]……なお、スマホから写真を削除してBeeStationだけに写真が保存された状態になると、BeeStationの故障などのトラブルにより写真が消えてしまうリスクがある。以降の回でBeeStation内のファイルをバックアップする方法も紹介するので、バックアップ体制を整えるまではスマホにも写真を残しておけば、万が一のリスクを回避できる
もう1つの方法は、編集する前に、写真の複製機能を使って、オリジナルの写真を別に保存しておくことだ。編集する前のファイルを別に残しておくのは、PCで写真を編集をする感覚なら当たり前なのだが、スマホの感覚に慣れていると、ちょっと手間ではある。
ちなみに、写真を複製すると、当然ながら写真の点数が増えるので、スマホのストレージを圧迫する。BeeStationは容量が4TBもあるので気になることもないと思うが、スマホの容量が気になるときは、オリジナルを複製したらすぐにBeeStationにアップロードし、消してしまうといい。
以下に、iPhoneで複製機能を使いながら写真を編集する手順を見ていこう。
iPhoneではオリジナル写真の書き出しもできる
iPhoneで、すでに編集済み写真が大量にあって、オリジナルに戻すのが大変な場合には、「写真」アプリで写真を選択し、共有アイコンから[未編集のオリジナルを書き出す]をぶと、特定のフォルダ(大量に書き出す場合は空き容量に注意!)や外部ストレージに、オリジナルの写真を書き出すこともできる。
書き出した後は、[ファイル]アプリを使って画像ファイルを選択し、共有アイコンから[BeePhotos]を選んでアップロードすると、BeePhotosを使ったバックアップができる。
こうした、写真の元バージョンを残しておく使い方は、Androidスマホでも同様となる。例えば、Pixelシリーズの「フォト」アプリでは、写真を編集してから保存しようとすると必ず[コピーを保存]になり、オリジナルとは別に保存される仕様になっている。この場合は、両方をBeePhotosにアップロードしておけばいいわけだ。
今回の教訓(ポイント)
iPhoneの「写真」アプリには非破壊編集機能があるため、バックアップにコツがいる
写真を編集したときは、オリジナルも別途残すようにしよう