テレワークグッズ・ミニレビュー

第127回

NTTの特許技術がスゴい!! 耳スピーカーの「nwm ONE」で仕事中の「音」の問題をまるっと解決

NTTソノリティの「nwm ONE(ヌーム ワン)」

 在宅で仕事をしているときに活躍するアイテムとしてヘッドホンがある。好きな音楽を聴きながら仕事をしたり、リモート会議のときに利用したりする。

 しかし、ヘッドホンを使っていると、いくつかの問題に直面する。

 その1つが周囲の音が聞こえないことだ。例えば、宅配便の受け取り。ヘッドホンをして仕事をしていると玄関のチャイムに気づくことができず、ポストに不在票が入っていた。ということが少なくない。仕事で必要な商品の受け取りにミスした場合などは、急いで取り寄せる手間もかかる。

 また、家族から声をかけられたときに聞こえなくて、すぐにリアクションできず、文句を言われることもある。小さいことではあるが、家族間でストレスを溜める原因になるのだ。

 そのため、これまでは片耳だけヘッドホンをしたり、音量をしぼったり、とさまざまな工夫をしていた。そんななかで、ちょっと面白い製品が登場したので試してみた。

 今回、仕事中に装着するヘッドホンとして採用したのが、NTTソノリティの「nwm ONE(ヌーム ワン)」だ。一見するとオーバーヘッドタイプのヘッドホンに見えるが、メーカーによる呼称は「オープンイヤー型 オーバーヘッド 耳スピーカー」。つまり耳を塞ぐことなく、音が聞こえるということだ。記事執筆時点でのAmazonでの販売価格は3万9556円となっているが、今だとポイントで20%程度還元される模様だ。ポイント還元がいつまでなのかは不明なので、実際にAmazon.co.jpの販売サイトで確認していただきたい。

耳を塞がないから外音が聞こえる

 装着の仕方はいわゆるオーバーヘッドのヘッドホンと同じ。まずは左右のスライダーを目いっぱいに伸ばして、イヤーパッドで耳を包み込むように装着する。左右のユニットが耳の中心に来るように配置したら、スライダーの長さを調整。最後にユニットの角度を耳に合わせて調整すれば準備完了だ。

一見するとオーバーヘッドタイプのヘッドホンだがイヤーカップが解放されている

 Bluetooth 5.3による接続に対応しているため、スマートフォンやPCなどとワイヤレス接続して使うことができる。さらに「nwm ONE」にはマイクも搭載しているため、音楽などを聴くだけではなく、リモート会議などのヘッドセットとしても利用できるのだ。なお、Bluetooth接続だけでなく、USBケーブルを使って有線接続して使うこともできる。

左側のユニットにマルチファンクションボタンとボリュームボタン、USB Type-C端子を搭載する

 「nwm ONE」の最大のメリットはオープンイヤー型となっており、外音を遮断しない仕組みだ。このため、チャイムが鳴ったり話しかけられたりしたときに、聞き逃すことがない。逆に言うと密閉性がないため、騒音が多い場所で、音を遮断して集中したいといった使い方には向かないだろう。個人的には宅配便のチャイムを聞き逃すことがなくなり、また、家族からの呼びかけにもすばやく対応できるようになった。

 さらにオーバーヘッド型ながら耳が蒸れないのもうれしいポイントだ。筆者は体質的に汗っかきなので、これまでオーバーヘッドタイプのヘッドホンは長時間使い続けることができなかったのだが、「nwm ONE」なら、蒸れる心配がないので気にせずに使うことができる。

独自技術の採用により音質も十分

 「nwm ONE」はヘッドホンとしての音質もしっかりしている。オープンエア型なのでユニットには、中高域用の直径12mmツイータードライバーと、低音用の直径35mmウーファードライバーによる2Wayドライバーを搭載。伸びのある高音と聞きなじみのいい中域の再生ができる。密閉しないため、低音はおとなしめではあるが、後述のアプリで低音を強化するとバスドラムやベース音が強化できた。

左右のユニット構造。2Wayドライバーを搭載している

 面白いのが、音漏れを抑える独自技術を搭載することだ。「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)」技術は、ユニット周辺に、180度位相を反転させた波形の音を出すことで、外部に漏れる音を消すことができるのだ。このため、フルボリュームで音楽を聴いていても、音漏れはかなり抑えられる。

 iPhoneに接続して、音楽を聴いているところを近くから確認したところ、フルボリュームの場合、1m弱の位置でわずかに音漏れが聞こえた。しかし、ボリュームを半分ぐらいにする満員電車のような体を寄せ合ったような距離でようやく少し聞こえるというレベルになった。カフェなどの環境音がそれなりにある空間なら、音漏れが気になることはほとんどなさそうだ。

音漏れを防ぐ「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)」技術の詳細。効果は非常に高かった

 さらにマイクに関しても、NTTの特許技術「Magic Focus Voice」を搭載している。これはユニットに2つのマイクを搭載し、それぞれのマイクに音が届くタイミングの時間差を利用することで、空間の音を認識して話者を特定する「ビームフォーミング」と、雑音を除去して音声を抽出する「スペクトルフィルター」の2つの技術を組み合わせたもの。この技術によって、周辺が騒がしくても、利用者の声だけを抽出して届けることができ、通話や会議の相手とクリアな音声で話せるというわけだ。

周辺音をカットしてクリアな音声が送れる「Magic Focus Voice」技術も搭載する

好きな音楽やラジオを聴きながら「音声入力」が使える!!

 近年、ライター業務のメインとなる原稿執筆に音声入力を使うようになった。音声入力で一番大切なのが、周辺音が少ないこと。このため、テレビやラジオ、YouTubeの音声を聴きながら仕事をするといった、「ながら」ができなくなっていた。

 ならばヘッドホンを装着しながら音声入力をすればよいかと思って試してみたものの、自分の声がこもって聞こえてしまうため、いまひとつなじめなかった。しかし、「nwm ONE」があればそれができる。ユニットから流れる音楽などと一緒に、外音として自分の声が聞こえるのでナチュラルに仕事ができるのだ。最近ではラジオを聴きながら音声入力で原稿を書くといった使い方ができている。

 ただし、気になる点もある。音楽やラジオなどを再生しているときは音声入力もスムーズに行くのだが、再生していないときはスリープのような状態になってしまうようで、マイクからの入力に反応しなくなってしまう。

 これについては「nwm ONE」のマイク入力は使わず、別系統のマイクを用意することで解消できた。現在は、外出時やリモート会議のときは「nwm ONE」のマイク機能を利用。自宅デスクで原稿を書くときは「nwm ONE」と外部マイクを利用、という使い分けをしている。

 そんなわけで多少の工夫は必要ではあったが、「nwm ONE」のおかげで、音楽やラジオを聞きながら音声入力で原稿書きができるようになったのだ。

 なお、nwmブランドには、同じく耳を防がない構造のネックバンド型の「nwm GO(ヌーム ゴー)」が登場している。こちらの製品もPSZ技術を搭載しているため、周辺への音漏れを抑えて音楽を楽しむことができる。こちらも選択肢になりそうだ。

アウトドアやスポーツ向きの「nwm GO(ヌーム ゴー)」。記事執筆時点でのAmazonでの販売価格は1万6333円。もちろん、リモートワークにも使える

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