一人暮らしのネット環境Q&A

Wi-Fiルータを下駄箱の中に入れたらダメって言われたけど、どうして?

 Wi-Fiルーターを見えないように置いておこうと、扉で中のものを隠せる下駄箱やクローゼットなどに入れてしまう人がいますが、おすすめできません。電波が弱まることもありますが、狭い空間に熱がこもってしまうことが、最も大きな問題です。

こもった熱で、Wi-Fiルーターだけでなく靴などもダメージを受ける可能性

 Wi-Fiルーターの設置場所は、部屋中に電波が届きやすくなるよう、周囲に遮蔽物のない場所に置くのが最善だとされます。下駄箱やクローゼットのような閉鎖された場所に置くと、電波が遮られて、通信速度や安定性に影響が出ます。とはいえ、木製の下駄箱などの中で、かつ、さほど広くない一人暮らしの部屋の中ならば、電波的な影響は軽微でしょう。

 それよりも重大なのは、熱の問題です。機種や使用状況によっても変わってきますが、Wi-Fiルーターの消費電力は数W〜数十W程度あり、夏場の、空調のない場所では、触ってみると「温かい」を通り越して「熱い」と感じる少し手前くらいまで、本体の温度が上昇することもあります。

 こちらも機種によりますが、Wi-Fiルーターは40℃ぐらいまでの温度では正常に動作し続けられるように設計されています。それなりに熱が逃げていく空間なら、この程度の温度に耐えられれば問題なく使い続けられるだろう、という想定で設計されているものですが、下駄箱のような密閉空間に置くと、熱がこもって、想定された範囲を超えて温度が上昇してしまうこともあります。

 これによって、故障や早期劣化が起こる可能性が生じます。また、熱の影響を受けるのはWi-Fiルーターに限りません。革靴なども一緒に置いていた場合は、そちらへの悪影響も考えられ、高価な靴がダメになってしまうなど、より大きな金銭的ダメージのおそれもあります。

LEDの「チカチカ」が気になるなら、消灯設定も利用できる

 熱対策がされていれば、「隠す収納」として、Wi-Fiルーターを目につかない場所に置くのも悪いことではありません。下駄箱のような密閉されてしまう場所ではなく、空気の通る場所で、例えば本棚の上に、フォトフレームなどの陰になるように置いたりするといいかもしれません。また、前回の記事で紹介したような、インテリアになじむ、目立ちにくい製品を選ぶのもいいでしょう。

 Wi-Fiルーターを隠したい理由として、LEDの光や、チカチカと点滅する様子が気になる、という声も聞きます。製品によっては、LEDを点灯させない設定(消灯設定)が可能なので、そのような製品を検討することもおすすめです。

NECプラットフォームズ「Aterm WG1200HP4」の消灯設定。全消灯のほかに、電源ランプのみ点灯させておく設定もある。チカチカを抑えながらも電源の投入だけは確認できる
バッファロー「WSR-5400AX6S」のスケジュール設定。LEDの消灯スケジュールを設定でき、一定の時間帯だけ消灯するようにできる

 LEDは、動作状態を確認したり、トラブル発生時にその原因を確認したりできるようにするために、点灯させておくのが望ましいです。しかし、LEDの光が理由で熱対策に問題があるところへ「隠して」しまうくらいなら、消灯設定を利用して、熱対策ができる密閉されない場所に置くようにしましょう。

一人暮らしをするにあたって、ネット環境をどうしたらいいのかよく分からない……。そんな人のために、初めての回線選びの考え方やWi-Fi設定の基礎など、一人暮らしのためのネット知識を、Q&A形式で紹介します。バックナンバーはこちら
正田 拓也