イベントレポート

CEATEC 2019 Co-Creation PARKレポート

コロンビアの多関節義手は、小さなものも自然に持てる、しかも3Dプリンタ製

Co-Creation PARKレポート #10

千葉・幕張メッセで10月15日から開催された「CEATEC 2019」。イベントの華である大規模ブースのレポートは既に多数掲載しているが、CEATECには海外出展者やスタートアップ、大学・研究機関を中心とした小規模ブースの出展エリア「Co-Creation PARK」もあり、これらの中にも注目できる展示が多い。本レポートでは、これらのブースから、筆者が注目したブースを紹介する。

 10月15日から18日まで幕張メッセで行われていた「CEATEC 2019」において、コロンビアのProtesis Avanzadas SASは、同国内ですでに医療機器として認証を得て提供を進めている3Dプリンターによる義手サンプルを展示していた。

 義手としては、多関節に属し、可動ポイント数は手と同様。節電センサーを使用し、指を1本ずつ動かせるほか、鉛筆やコップを持つことも実現。3Dプリンタを前提とした理由については、コストダウンと義手のサイズを使用者に応じて微調整できるからとのことだ。

義手のサンプルモデル
人さし指だけを伸ばしたところ。また親指部分は棒状のモノを持てるように複雑な可動にも対応している

 実際に使用している映像がYouTubeにアップロードされており、日常生活における実用性と応答性の高さが分かる。同社では義手開発で得たノウハウを産業用ロボットや外骨格グローブなどに転用すべく、開発を進めており、細かな作業にも対応できる点をアピールしていた。

林 佑樹

1978年岐阜県生まれ。東京在住。ITサービスやPC、スマートフォンといったコンシューマから組み込み、CPS/IoT、製造、材料、先端科学のほか、ゲームやゲーム周辺機器のライティングも行なう。それらジャンルすべてが何かしらの技術でリンクしているのが最近のお気に入り。技術などを見る基準は「効率のいいサボりにつながるか」。フォトグラファーとしては、ドラマスチルや展示会、ポートレートをこなしつつ、先端科学研究所の撮影が多い。