イベントレポート

CEATEC 2019 Co-Creation PARKレポート

センサーマシマシのAI向けグラスが、こっそり日本で初展示

Co-Creation PARKレポート #1

千葉・幕張メッセで10月15日から開催された「CEATEC 2019」。イベントの華である大規模ブースのレポートは既に多数掲載しているが、CEATECには海外出展者やスタートアップ、大学・研究機関を中心とした小規模ブースの出展エリア「Co-Creation PARK」もあり、これらの中にも注目できる展示が多い。本レポートでは、これらのブースから、筆者が注目したブースを紹介する。

 10月15日から18日まで幕張メッセで開催されていた「CEATEC 2019」において、Philippe PEYRARD氏が立ち上げたスタートアップのスマートコネクテッドアイウェアEllcie Healthyが展示されていた。フレーム内にセンサーや光源、バッテリーを内蔵したスマートフォンのコンパニオンデバイスであり、AIとの連携を考慮した製品だという。

 加速度計やジャイロ、周辺温度、気圧、赤外線による眼球周辺のセンシングなどにより、たとえば、瞬きの間隔やあくびの頻度から眠気を検知し、一定レベルを超えるとフレームの内側にあるライトが点灯するといったことが行える。

 また転倒などで著しい加速度が検出された場合は、設定した連絡先やソーシャルにその旨を伝達することも可能だ。

Philippe PEYRARD氏。眠気がピークと検出された場合の状態を見せてくれた。解除をするにはメガネを1度外す必要がある

 重量は約30g、バッテリーライフはアイドルで6日、モニタリングをした場合は最短で1日。すべてのセンサーを使用した場合とのことで、ジャイロのみであれば3日ほどになるという。バッテリーの充電は専用アダプターを使用する。Ellcie Healthyとアダプター間は無接点充電仕様。

デモ用のクリアフレーム。主要システムは両テンプルに集約されている

 なおメガネの民からするとクリティカルな機能として、内蔵したブザーと光源を利用して、スマホからメガネの場所を知ることができる。

 寝起きにメガネを探すためのメガネを枕元に置いているメガネの民に刺さる機能だ。もちろん、タッチセンサーを利用して、Ellcie Healthyからスマホを探すこともできる。

 日本での発売は2020年初頭。価格は249ドル。

林 佑樹

1978年岐阜県生まれ。東京在住。ITサービスやPC、スマートフォンといったコンシューマから組み込み、CPS/IoT、製造、材料、先端科学のほか、ゲームやゲーム周辺機器のライティングも行なう。それらジャンルすべてが何かしらの技術でリンクしているのが最近のお気に入り。技術などを見る基準は「効率のいいサボりにつながるか」。フォトグラファーとしては、ドラマスチルや展示会、ポートレートをこなしつつ、先端科学研究所の撮影が多い。